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「環境インターンシップ」 詳細解説

読み:
かんきょういんたーんしっぷ
英名:
Environmental Internship

インターンシップは、学生などが在学中に就業の体験を一定の期間行うことにより、企業などの仕事や職場について知るための手法のことで、「職場体験実習」や「就労体験」と訳されることが多い。アメリカでは長い歴史があるが、日本では就職協定の関係もあって、企業と学生との間で自由な交流をもつことは一般的でなかったが、1997年に文部省、通商産業省、労働省(すべて当時)が、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を取りまとめて以来、各省がインターンシップを推進するための施策を展開してきた。こうした社会動向を受けて、環境に関する学部やゼミなどで学ぶ大学生などが、企業やNGO/NPO、行政機関などの職場で一定期間働く体験実習の機会が設けられるようになった。厚生労働省の発表(2005年)によると、文部科学省が実施した大学等におけるインターンシップ実施状況調査報告に基づき推計した結果、全国で約12万人の大学生がインターンシップに参加しているものと見込まれる。

企業の取り組みとしては、アウトドア用品大手のパタゴニアが、社員が選んだ環境保全団体で2カ月を上限にフルタイムで働くための有給休暇制度を提供するインターンシップ・プログラムを、1993年から実施している。一方、行政では、文部科学省が大学と産業界のパートナーシップによる高度な専門人材の育成を行う「派遣型高度人材育成プラン」を実施している。この中で、2005年に採択された「京都大学大学院地球環境学舎インターンシップ」は、インターン研修を必須科目とする環境マネジメント専攻の修士課程の学生を対象にしたプログラムである。

また、NPOでのインターンシップの活動内容は、自然保護環境教育など野外での体験活動をはじめ、事業やイベントの企画運営など幅広く、学生にとって単位習得にとどまらず、企業や行政機関以外の働き方を知る機会となっている。海外でのインターンシップ・プログラムを提供する団体もある。さらに、学生に限らず、企業人や行政人、NGO/NPOスタッフが、他のセクターで働くことでお互いの立場を理解するための手法としても注目されている。

インターンシップは環境分野に限らず民・学・官の間に浸透しつつあるが、同時に課題も見え始めている。学生と受け入れ企業などとの間のミスマッチや、受け入れ先の体制整備、単純作業しか任されない、廉価なアルバイトとして使われる、などだ。とくに、NGO/NPOなどの市民セクターでは、資金や人材不足に悩むところが多く、インターンを受け入れることのできる団体が少ないため、受け入れ体制の整備や、受け入れ団体に負担をかけないインターンシップ・プログラムが必要とされている。

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