2025/03/05 15:30 ウェザーニュース
真冬の時期から花を咲かせる早咲きの品種「河津桜」。ここ10年ほどは2月の中頃に見頃を迎えていましたが、今年は見頃が3月上旬にずれ込んでいます。
河津桜発祥の地 静岡県河津町ではちょうど満開を迎えていて、3月9日(日)まで延長された「河津桜まつり」期間はまだ見頃が続きそうです。
河津桜は1972年に伊豆半島の河津町で発見されたサクラの品種で、2月上旬から開花し始める早咲きの桜です。開花から見頃の終わりまでおよそ1か月の期間があり、楽しめる時期が比較的長いことも特徴です。河津桜発祥の地の河津町では、河津川の川辺に咲き誇る桜を見ようと、毎年2月の河津桜まつり期間中に多くの観光客が訪れます。
昨年(2024年)は西日本や東日本ではソメイヨシノの開花が平年より遅いところが多くなりましたが、河津桜は例年よりも早く見頃を迎えていました。昨年の河津町では2月12日に「見頃宣言」がありました。
一方、今年は2月のうちはあまり開花が進まず、月末になってようやく見頃の始まったところが多くなりました。昨年と比べると2週間ほど遅い見頃となっています。
今日3月5日(水)の時点では、町内の多くの見どころで満開を迎えていて、見頃は来週にかけて続くとみられます。当初は2月28日(金)までの予定だった河津桜まつりも、3月9日(日)まで開催期間が延長されていますので、首都圏の方もぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
今年の河津桜の見頃が遅れている原因として、2月の寒波の影響が考えられます。河津町に近い東伊豆町のアメダス稲取のデータをみると、2月に入ってからの気温の推移が昨年と比べて大幅に低い状況となっていました。開花時期の気温の低さは、直接的に開花の促進を遅らせているとみられます。
また、開花前にあたる2月上旬までの1か月間の降水量は、昨年は61.0mmだったのに対し、今年は7.5mmと大幅に少なくなっています。雨の少なさも見頃の遅れに繋がっている可能性が考えられます。このほか、昨年夏から秋にかけての高温で花芽の発育が悪かったことなども影響している可能性があります。
河津桜以外にも、あたみ桜や土肥桜などの早咲き品種も今年は見頃が遅めの状況が伝えられています。一方、昨年は河津桜の見頃は早かったがソメイヨシノの見頃は遅かったという事例があるように、3月〜4月に咲く桜の開花時期は違った傾向が現れるかもしれません。
ウェザーニュースによる見立てでは、あとちょうど半月ほどとなる3月21日頃からソメイヨシノの開花が始まると予想しています。各地の桜開花予想はウェザーニュースのさくら開花情報サイトからご確認ください。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)