2025/02/05 10:31 ウェザーニュース
日本列島を襲っている寒波は今夜が一つのピークになります。広範囲での積雪急増や吹雪のおそれがあるため厳重に警戒をしてください。
日本付近は強い冬型の気圧配置が継続し、日本海側を中心とする広い範囲で断続的に強い雪が降っています。衛星画像を見ると同じ日本海側でもエリアによって影響が違うことがわかります。
北海道の西に低気圧に伴う雲の渦があり、南側の活発な雪雲が北海道の道南に雪を降らせている状況です。東北には西から東に雲の列が揃っていて、風が強く吹いていることを示しています。沿岸部を中心に吹雪で視界が悪く、秋田市では一時的に視程(水平方向に見通せる距離)が500m未満まで低下するタイミングがありました。
日本海の中部には少し形状の違った雲が伸びています。北寄りの風と西寄りの風がぶつかることで形成されるJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の雲で北陸地方に強い雪を降らせています。山沿いでは24時間で70cm前後の降雪を観測しました。
今回は寒気が南まで南下しているため東シナ海にも寒気に伴い雲が現れて、九州の各地に雪を降らせています。
今回の寒波は強く長いことが特徴です。その中でも一つのピークが今夜となります。上空5500m付近で−42℃以下の寒気の中心部分が北陸から東北南部を通過する見込みです。
今夜にかけては大気の状態が不安定になり、日本海に広がる雪雲が発達しやすくなるとみられます。特にJPCZの影響を受ける北陸や東北南部などで雪が強まり、局地的には1時間に10cm以上の雪が降る予想です。こうした強い雪が数時間にわたって続いて、積雪が急増するおそれがあります。
路面状態が急速に悪化することで車がスタックしやすくなり、大規模な車両滞留につながることが考えられます。移動の必要がある場合はスタックに備えた装備が欠かせません。移動時間をずらせる場合は雪のピークを外すようにしてください。
出典・参考
気象衛星画像:NICT 情報通信研究機構