
大阪・関西万博に向け、オフィス家具だけでなく店舗の企画から空間デザインまで働く環境づくりをトータルにサポートしている企業オカムラが立ち上げた社員による劇団「ザ・オカムラ座」。
その旗揚げ公演『12人のとびだす会社員』が一日限定で大阪・関西万博で実施されたので、その模様をインタビューとともに紹介。
ザ・オカムラ座による『12人のとびだす会社員』
社員による劇団「ザ・オカムラ座」は、”まずはオカムラで働く一人ひとりが、自分を想い、主役という自覚を持って自分らしく生きる”ために立ち上げられたもの。旗揚げ公演に選ばれたのが、大阪・関西万博という大舞台。
ストーリーとしては、同じ毎日を繰り返す12人の会社員が、とあることをきっかけに、自分の働き方に疑問を持ち、それぞれが社会に着せられた自分の殻を破り自己解放していくというもので、事前に公式Instagramのショートストーリーでそれぞれの人となりや理想の姿などがわかるものになっていた。
例えば、過去の仕事のミスが自分のなかで呪縛となってしまっているオフィス環境事業本部の営業支援の山本洋輔さんは、その呪縛を乗り越えて誰かの心の支えとなるヒーローになるため、社内でも意識してやっている「声かけ」を披露したり。
誰かの心の支えとなるヒーローになる
一般人だから一歩を踏み出せないことにコンプレックスを抱いていた商環境事業本部の店舗デザイナーの角井彩菜さんは、自分自身も勇気をもらっているというアイドルのような衣装に身を包みダンスを披露したり。
【写真】「自分自身も勇気をもらっている」というアイドルのような衣装に身を包みダンスを披露
12人それぞれのストーリーがこの『12人のとびだす会社員』に内包されていた。
12人の演者はもちろんのこと、衣装や小道具、当日の運営など裏方まで含めた劇団員の社内公募には100名以上の応募があり、その中から選ばれた社員がこの大舞台を作り上げたとのこと。
なぜ劇団「ザ・オカムラ座」を立ち上げることになったのか、旗揚げ公演を大阪・関西万博で行ったのか。そして、手応えについて、オカムラの担当者に話を聞いた。
ーーあらためてですが、なぜ劇団「ザ・オカムラ座」を立ち上げることになったのでしょうか?また、その旗揚げ公演の場として、大阪・関西万博を選んだ理由は?
【担当者】私はオカムラの中で「はたらく」にまつわる共創活動を推進する、「WORK MILL」というチームに所属しています。大阪での共創活動の中で大阪・関西万博出展のチャンスをいただいたときに、「人が活きる社会の実現」がパーパスであるオカムラとして、まずは自分たちが「働き方」にしっかり向き合って、一人ひとりが「自分が活きる働き方」を体現できるような機会づくりをできたらと考えました。そしてせっかく万博という舞台なのだから、マーケティングに寄せた企画ではなく、しっかり社員がやりたいこと、そして社員の魅力がお客様に直接伝わるような舞台づくりをしようということになり、「演劇」という手法を選びました。
社員の魅力がお客様に直接伝わるような舞台づくり
ーー100名以上の応募があったそうですが、12人の演者はどのように決定したのでしょうか?
【担当者】すべての事業部とグループ会社からも公募したので、できるだけいろいろな事業部から参加してもらえるように配慮はしつつも、今回の企画のパートナーである外部企業の方に一人ひとり面談していただき、それぞれの熱意と、今回応募にいたるきかっけとなった独自のエピソードを聞いて選びました。
ーーみなさん就業時間などを利用して練習されていたそうですが、普段の仕事と並行した準備の様子はどうだったのでしょうか?またみなさんどのくらい練習されたのでしょうか?
【担当者】就業時間内の練習では、上司や所属する同僚の理解が必須の状況で、なかなか調整が難しかったところもあると思います。それでも公演後に行った関係者への社内アンケートではそれほど大きなトラブルなく練習に参加できていたようです。演者の普段の勤務地は全国にわたっており、全員での練習時間はまる3日でした。あとは集まれるメンバーで自主練もしていましたね。
ーー練習中に印象深いエピソードがあれば教えてください。
【担当者】練習が始まってから本番までの2カ月半程度の中で、全員が集まって練習する機会が全部で3日あったのですが、1日目と最後の3日目では、それぞれのメンバー同士の距離感が全然違いました。最初はよそよそしかったのが最後は往年の稽古仲間のような状態に。もともとほとんどのメンバーが話したこともなかったと思うと、すごい変化ですよね。
ーー話題の「アメリカ館」や「大屋根リング」付近の場所での公演で、多くの人が集まっていました。公演後の手応えは?
【担当者】大阪・関西万博が開幕してすぐのタイミングだったので、どれだけの人が集まるかなど未知数でしたが、当日の昼公演では400人近い方々に集まっていただけました。3幕構成になっているので途中で離れず最後まで観ていただけるかなと思っていましたが、ほとんどの方に3幕すべてを観ていただき、ザ・オカムラ座の想いを迫力とともにしっかり届けられたと手応えを感じています。
ーー観劇された方からは、どんな感想が寄せられましたか?また、劇団「ザ・オカムラ座」に参加した社員からの感想は?
【担当者】「思っていた以上のとんでもないクオリティで、すごかった!シンプルに感動した!!」という声や、「これはよいものを観た、オカムラはいい会社だ」「本当の劇団かと思った」といった声をいただきました。劇団に参加した社員からは、「今回の経験を経てずっと破れなかった殻を破ることができたと感じている。自己肯定感も上がり、自分を認めることができた」といった感想がありました。
自己肯定感も上がり、自分を認めることができた
ーー先ほど“一人ひとりが「自分が活きる働き方」を体現できるような機会づくりをできたら”とお答えになられていましたが、それは達成できましたか?
【担当者】「人が活きる」ということを能動的に、そして身体も心もめいっぱい使って表現していたメンバーの演技を見て、本当にやってよかったと思っています。台本も振り付けも衣装も、プロの方のサポートをいただきながら中途半端ではなくそれぞれが必死に努力してベストを尽くせたと自負しています。もちろん、このプロジェクトを推進し続けた事務局メンバーも。オカムラのパーパスのもと、一人ひとりが大きく成長できたと感じています。
ーー旗揚げ公演とのことですが、今後の公演予定はありますか?
【担当者】万博会場に観に来られなかった社員に向けて、まずは社内で再演を計画しています。今後外に向けた公演は未定ですが、今後も「人が活きるをまずはオカムラから実践する共創活動」として、「ザ・オカムラ座」を社内に残していけたらと考えています。
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