これぞ没入体験!19世紀フランス貴族の晩餐会でコースディナーも満喫…?イマーシブシアター「真夜中の晩餐会~Secret of Gilbert's Castle」に行ってきた

  • 2025年5月8日
  • Walkerplus

映画やアニメ、ゲームなどの世界で目にするドラマティックな出来事を“鑑賞者”ではなく“当事者”として体験できるテーマパーク「イマーシブ・フォート東京」(東京都・江東区)。同施設にて、2025年4月25日より新たなイマーシブシアター「真夜中の晩餐会~Secret of Gilbert's Castle」がスタート。その概要を、プレスプレビューで見聞きした情報・感想も交えつつ紹介しよう。
イマーシブシアター「真夜中の晩餐会~Secret of Gilbert's Castle」の見どころを解説
イマーシブシアター「真夜中の晩餐会~Secret of Gilbert's Castle」の見どころを解説 / 画像提供:イマーシブ・フォート東京 (C)イマーシブ・フォート東京


■19世紀フランスの貴族の邸宅で展開する謎に満ちた物語
「真夜中の晩餐会~Secret of Gilbert's Castle」は、豪華でミステリアスな19世紀フランスの貴族の世界が舞台。華やかな面だけでなく、貴族社会の複雑な人間関係や思惑が交錯する“陰の部分”もしっかり描かれており、そうした“光と影”を最前列で目撃できる、かつてないイマーシブシアターとなっている。

そんな「真夜中の晩餐会」の最大の特徴は、ゲスト(参加者)それぞれに役名や、登場人物との関係性といった物語上の設定が用意されているところ。ゲストは入場時に、それらの詳細が記された招待状を渡される。そうしてショーが始まると、登場人物から名前で呼びかけられたり、役柄に応じた会話が交わされるなど、作中のキャラクターの一人として物語に参加することになるのだ。

これはつまり、“イマーシブシアターを観賞する観客”ではなく、“貴族の晩餐会に招かれた一人の人物”として、物語に深く入り込むエンターテインメントであり、これまでにない没入体験が楽しめることから、早くも話題になっている。
物語の舞台であるジルベール家の邸宅に到着
物語の舞台であるジルベール家の邸宅に到着 / 撮影:ソムタム田井

あいさつをして回る、ジルベール家の令嬢ソフィー
あいさつをして回る、ジルベール家の令嬢ソフィー / 撮影:ソムタム田井


そんな本作のストーリーは以下の通り。
引用----
霧深い森の奥にひっそりと佇む、由緒正しいジルベール家の邸宅。

満月が煌めく今宵、この館の令嬢ソフィーと、貴族の青年リュークの婚約を祝う晩餐会が開かれる。

一見華やかに見える宴。
しかし、招待状を手に持つ者たちは、それぞれの思惑を胸に潜めながら参加しようとしていた。

この館には、秘密がある。

招待客は知りえない、語られることのない“何か”。
笑顔の奥に潜む闇、囁かれる過去の因縁、そこには、抗えぬ運命が待っていた。

まばゆい光の裏に隠れ潜む影、影の奥に宿る微かな輝き、交差する光と影の物語。

今夜の晩餐会は、ただの祝宴ではない。
気づいたときには、もうあなたは甘美な物語に飲み込まれている…。
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煌めくシャンデリアと燭台が照らす優雅な晩餐会
煌めくシャンデリアと燭台が照らす優雅な晩餐会 / 撮影:ソムタム田井


■おすすめしたい4つのポイント
■その1:貴族社会の“光と影”を対照的に描いた圧巻の世界観
このたびの取材では公演の途中までしか見学できなかったが、中盤の舞台である“煌めくシャンデリアと燭台が照らす優雅な晩餐会”は、まさに荘厳のひと言。そして、ただ煌びやかなだけでなく、登場人物たちの動向から複雑な人間模様も垣間見られ、それらの事象を通して考察が楽しめるのも、同公演のおもしろいポイントといえる。

会場内に出入りする人々の顔ぶれや、彼らの“さりげないひと言”などにも注意を払うことで、物語をより深く楽しめるようになっている。
招待客になりきってテーブルに着席している間にも登場人物たちがどんどん物語を進めていく
招待客になりきってテーブルに着席している間にも登場人物たちがどんどん物語を進めていく / 撮影:ソムタム田井

ジルベール家の令嬢ソフィーに恋をする美しい青年ルイ
ジルベール家の令嬢ソフィーに恋をする美しい青年ルイ / 撮影:ソムタム田井


■その2:“あなただけの役割”で物語に登場人物として参加
ある人は貴族の令嬢の音楽学校の友人として、またある人は旅行客として、ゲストはそれぞれ異なる立場で物語に入り込む。このように“参加する立場によってストーリーの見え方が大きく変わってくる”ところも「真夜中の晩餐会」のおもしろいポイントといえる。

初めて参加した際は令嬢ソフィーと親しくなり、彼女に近い視点から物語を楽しんだが、二度目の参加時には婚約者リュークに近しい配役で、彼の側から顛末を見届けることになる…など、参加するたびに新たな発見がある公演なので、何度もくり返し参加したくなる中毒性がある。
与えられた役割に扮して、登場人物との会話を楽しもう
与えられた役割に扮して、登場人物との会話を楽しもう / 撮影:ソムタム田井

案内された部屋ごとに、異なる体験が楽しめる
案内された部屋ごとに、異なる体験が楽しめる / 撮影:ソムタム田井


■その3:登場人物と一対一で繰り広げる“濃厚な没入体験”
美しい青年に個室でダンスに誘われたり、目の前で悲しく歌う令嬢の歌声を聞いたり、麗しい女性と賭けごとをしたり…。「真夜中の晩餐会」では作中で起きる出来事に、ゲストが直接かかわれる体験が多数用意されている。

ちなみに記者が同伴したゲストは、ジルベール家の邸宅で、壁の奥から声が聞こえる怪しい部屋に案内される。そうして屋敷の使用人とともに仕掛けを解き、壁の奥の隠し部屋にたどり着いた一同は、そこで捕らえられた女性を発見して…という、サスペンス要素強めの体験が用意されていた。

このようにして各ゲストが個々の体験談を持ち寄り、互いに情報交換をすることで、貴族社会の“陰の部分”を自ら解き明かしていく感覚が楽しめるのも、本公演ならではの見どころといえる。
令嬢ソフィーが歌を披露する一幕も
令嬢ソフィーが歌を披露する一幕も / 撮影:ソムタム田井

女性が捕らえられていた隠し部屋を発見
女性が捕らえられていた隠し部屋を発見 / 撮影:ソムタム田井


■その4:物語上の重要な要素となるコースディナー
本公演の最もユニークなポイントとなるのが、晩餐会で提供される豪勢なコースディナー。視覚だけでなく、嗅覚や味覚までもが体験の一部となり、五感のすべてで物語に没入できるようになっている。食事中も登場人物たちが話しかけてきたり、ステージでは余興が行われたりと、さまざまな催しが用意されているので、本当に晩餐会の招待客になった気分で優雅なひと時が楽しめる。
晩餐会では実際にコースディナーも堪能できる
晩餐会では実際にコースディナーも堪能できる / 撮影:ソムタム田井

食事中も登場人物たちが話しかけてくるなど、演出も多彩
食事中も登場人物たちが話しかけてくるなど、演出も多彩 / 撮影:ソムタム田井


■編集部員がゲストになって参加してみた!「真夜中の晩餐会」のリアルな感想
続いて、「真夜中の晩餐会~Secret of Gilbert's Castle」を最後まで体験した担当編集のリアルな感想をお届けする。

「本公演では、招待状に書かれた人物になりきって晩餐会に参加します。VRなどを駆使した没入感体験なのかと思っていたら、役者の芝居に巻き込まれるリアルなタイプの没入だったのでびっくりしました。自分がどんな人物なのかの情報がほとんどないため、設定にしばられずに自由に演技できるので、どのくらい想像力を働かせてなりきるかがより楽しむためのポイントです。今回、私が割り振られたのは“晩餐会に招待された貴族の少年の昔馴染みの友人”というポジションでした」
招待状には自分の役名とどんな人物なのかわかるような簡単な紹介が書かれている。また、番号札とカードが1枚同封されているので事前にチェックしておこう
招待状には自分の役名とどんな人物なのかわかるような簡単な紹介が書かれている。また、番号札とカードが1枚同封されているので事前にチェックしておこう


「公演が始まると、まずは招待客として晩餐会に参加するためジルベール邸へ。屋敷の入り口で招待状に入っているアイテムごとに呼び出され、メイドさんに晩餐会会場へと案内されます。ここからすでにストーリーは分岐していくため、参加者によってルートはまったく異なるようです。途中で『久しぶり!』と貴族の少年に呼び止められ別室へ移動、さっそく役になりきって再会を喜び合いました」
ゲストもキャストもみな、ここではジルベール邸の晩餐会に招かれた客として行動する
ゲストもキャストもみな、ここではジルベール邸の晩餐会に招かれた客として行動する


「再会がひと段落したら、晩餐会会場のホールに移動します。晩餐会ではまず、アルコールかノンアルコール、どちらかのスパークリングを選びます。乾杯のとき、用意されているシロップをグラスに入れるのですが、入れると飲み物の色が変わります。何色に変化するかは人によって異なっていて、その後のストーリー展開に影響があるかも?」
招待状に入っている番号札の席を探して着席する
招待状に入っている番号札の席を探して着席する

席に用意されていたシロップを飲み物に入れると…透明だったスパークリングワインが青色に変化!
席に用意されていたシロップを飲み物に入れると…透明だったスパークリングワインが青色に変化!


「コースディナーは前菜、メインの肉料理、つけあわせのパン、デザートはチョコレートのムースでした。メインは肉か魚か選べるのですが、今回は肉料理をいただきました。お肉がやわらかくておいしかったです!」
飲み物を持ってみんなで乾杯!
飲み物を持ってみんなで乾杯!


「食事の途中で、テーブルに貴族の女性が着席して話しかけてきてくれました。キャストさんと自由におしゃべりが楽しめる演出はリアルで楽しかったです。晩餐会ではダンスのターンもあり、私はクラシックメイド衣装のメイドさんとワルツ?を踊りました。ちょっと緊張しましたが、メイドさんとワルツを踊ることなんてそうそうないと思うので、かなりテンションが上がりました!」
食事中、晩餐会会場をキャストたちが歩き回り、空いている席に座って話しかけてくれる。中にはこの家の秘密をこっそり教えてくれる人物も
食事中、晩餐会会場をキャストたちが歩き回り、空いている席に座って話しかけてくれる。中にはこの家の秘密をこっそり教えてくれる人物も


「前半はシナリオに沿って体験を進めていきますが、途中からはわりと自分の行動が自由になるので、あちこち歩き回ったりできるようになります。歩き回った先でストーリーが進行したり、そのとき立っていた場所で、行き先や経験するストーリーがどんどん変わっていくので、今日、何を体験するかは本当に何通りもあるんじゃないかと思います。メインストーリーは全員同じかと思いますが(これもわかりませんが)、細かく分岐する先で見られるストーリーがいろいろあるので、人によってはメインストーリーの解釈も変わってくるのではないでしょうか。こうして約120分にわたる公演を楽しませてもらいましたが、感想を一言で表現するなら、『客降りとファンサのすごい演劇鑑賞』という感じですね。『演技している役者さんの周りを自由に移動して観劇できるエンターテインメント』ということで、これからますます盛り上がっていくと思います」

このように見どころ満載で、参加するたびに新たな発見がある「真夜中の晩餐会~Secret of Gilbert's Castle」。2回目以降の参加の場合は前回と違うルートが選べるので、気になる人は一度といわず、くり返し参加して、重厚な物語と豪華なディナーを思う存分、堪能してみてはいかがだろう?


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※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。

取材・文=ソムタム田井

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