

宮野シンイチ(@Chameleon_0219)さんが描く「夜逃げ屋日記」は、DVやストーカー被害などに遭う依頼者を夜逃げさせた実話をもとに描かれた人気漫画だ。今回はDVや障害者がテーマの2作品をお届けするとともに、著者に夜逃げ屋スタッフの印象についても伺った。
※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。
■両親に虐待されて育った男性

幼いころから両親にひどい虐待をされてきたという夜逃げ屋の副社長・ブルさん。身体を蹴ったり殴られたりは当たり前で、真冬には裸の状態でロープで縛られ、一晩中放置されたことを打ち明ける。親にそんなことをされると自分を含めて誰も信用できなくなり、疑心暗鬼になって人間関係でもトラブルが絶えなかったという。そのため、居場所を失ってこれまでいろいろなところを転々をしてきたようだ。
ブルさんは自分の人生を見つめ直したとき、「生まれたところから失敗してたんだ」と心の底から思った。いっそのこと早く生まれ変わりたいと思っていたが、テレビで社長の夜逃げ屋を知って自分の心が震えて涙が止まらなかったという。そして現在にいたるというわけだ。
――夜逃げ屋はつらい経験をしたスタッフが多く、依頼者の気持ちに寄り添える印象ですが、その点について宮野さんはどう思われますか?
僕はあくまで取材する立場として、同行させてもらってるかなり特殊なスタッフですが、社長の「依頼者の気持ちに寄り添うことができる人をスタッフにしたい」という意思は強いように感じます。
■父から逃げたい障害者の娘!?

今回の依頼者は松下ホノカさん(25歳)。先天性の病気で12歳のときに完全に車いす生活になり、その後父が蒸発して母と2人で生活をしていたという。しかし交通事故で母が亡くなり、4年後父が現れてホノカさんの障害年金や母の遺産などを好き放題使ってしまう。
父の金遣いの荒さに耐えられなくなったホノカさんは、1人で生きていくことを心に決めて夜逃げを依頼。父は年金支給日に朝イチでコンビニでお金を下ろすため、夜逃げは次の年金支給日に決まった。しかし当日、予想外の事態が起きてしまう…。
今回はDVや障害者がテーマの2つの作品をお届けした。「夜逃げ屋日記」は待望の第4巻が発売され、著者と夜逃げ屋の社長との対談(前編/後編)も実現。夜逃げ屋に興味があれば、この機会にぜひ一度読んでほしい!
取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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