
小学生がゴミ屋敷を訪ねてみたら? / 画像提供:(C)佐久間薫
ベランダや庭、公道にまで積み上げられたゴミの山。近隣で「ゴミ屋敷」と呼ばれる家の前にたたずむ少年がいた。彼はゲームやアニメよりも家が好きで、気になったお宅を訪問し「お家、見せてもらっていいですか?」と交渉する。おばあちゃんに中に入れてもらうと、家の中もモノに溢れていて……!
家を通して見えてくる“人間模様”を描いた漫画家・佐久間薫(@sasakumako)さんの「お家、見せてもらっていいですか?」は、発売以降「素敵な話」「家の間取りも楽しい」と重版となり、Xでも3.6万いいねと話題を集めている。
■「物があると安心する」おばあちゃんが語った記憶
【漫画】ゴミ屋敷に入ってみると? / 画像提供:(C)佐久間薫/KADOKAWA
第4話 おばあちゃんのゴミ屋敷(2) / 画像提供:(C)佐久間薫/KADOKAWA
第4話 おばあちゃんのゴミ屋敷(3) / 画像提供:(C)佐久間薫/KADOKAWA
小学3年生の家村道生は、ゲームやアニメよりも「家が好き」で将来は一軒家に住むことが夢な少年。近所から「ゴミ屋敷」と呼ばれている家に興味を持った道生がインターホンを押すと、現れたのは「子どもは嫌い」と一蹴するおばあさん。このおばあさんにとってモノに囲まれた生活は「安心感」を得るためだった。周囲からはゴミに見えても、本人にとっては思い出や必要なものの集まりであり、不安を埋める手段なのだ…。
家がテーマの本作「お家、見せてもらっていいですか?」を手がけた漫画家の佐久間薫さんに、作品が生まれた経緯について聞くと、散歩中に目にした家の外観から「中はどうなっているのだろう?」「住んでいるのはどんな人?」という好奇心がふくらみ、「それなら漫画でお宅訪問してみたら面白いかもしれない」と思いついたという。
また、訪問先の家のラストに描かれる間取り図は、担当編集者のアイデアがもとだという。図面を描く作業は大変だったが、「あるとないとでは満足度が違う」と佐久間さんもその意義を感じている。
登場する家の多くは、佐久間さん自身が散歩中に気になった家をヒントにして構築している。「もしこの家に住んでいる人がこういう人だったら…」と想像を膨らませ、そこにドラマをのせていったという。中には実際に取材をして描かれた話もあるのだとか。
重版も決まった話題作。家にこもった記憶や思い出が、子どものまっすぐな視線によって少しずつほどけていく様子が温かく描かれている。ぜひ一度読んでみてほしい。
取材協力:佐久間薫(@sasakumako)
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