
英国の作家フレデリック・フォーサイスの人気小説で、1973年にエドワード・フォックスが主演した映画が有名な「ジャッカルの日」。その舞台を現代に移し、「博士と彼女のセオリー」(2014年)で第87回アカデミー賞の主演男優賞に輝き、「ファンタスティック・ビースト」(2016年~)シリーズでも知られるエディ・レッドメイン主演でドラマ化された。
殺し屋ジャッカルと彼を追うMI6のスリリングな攻防を描く「ジャッカルの日」
原作小説を軸に、時代背景や国際情勢などの設定をアップデート。欧州を舞台に殺し屋ジャッカルと彼を追うMI6(英国秘密情報部)のスリリングな攻防を描く。物語のおもしろさ、映像の美しさはもとより、映画をオマージュしたシーンや、欧州を舞台に壮大なスケールで描く緊迫のチェイスなど見応えたっぷりの内容となっている。
「ジャッカルの日」キービジュアル
今回エディ・レッドメインは、凄腕の殺し屋ジャッカル役のほか製作総指揮も務め、その創造力や想いが存分に反映されたサスペンスアクションドラマに仕上がっている。
凄腕のスナイパーであるジャッカルを演じたエディ・レッドメイン
ジャッカルを執念深く追う英国秘密情報部のビアンカ役は「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のラシャーナ・リンチが務め、ドラマ「ペーパー・ハウス」のウルスラ・コルベロ、ドラマ「ウォーキング・デッド」のエレノア・マツウラらが共演。
ジャッカルを追うMI6のビアンカ役のラシャーナ・リンチ
ジャッカルの妻ヌリア役のウルスラ・コルベロ
ジーナ・ジャンソン役のエレノア・マツウラ
<ストーリー>
超一流の殺し屋“ジャッカル”は、ミュンヘンで3815メートルもの遠距離にいるドイツの次期首相候補マンフレートを狙撃するという困難な暗殺を成功させる。そんなジャッカルに新たな依頼が届く。IT起業家UDCことウレ・ダグ・チャールズの暗殺だ。彼はあらゆる資金の流れを透明化する“リバー”というソフトウェアをリリースしようとし物議を呼んでいた。
UDC(ウレ・ダグ・チャールズ)が開発した“リバー”を巡ってそれぞれの思惑が交錯する
一方、英国秘密情報部(MI6)の捜査官ビアンカは銃器に詳しく、ミュンヘンでの狙撃に使われた特注の高性能ライフルを手掛かりに犯人を追い始める。協力者から情報を得ようとするが、予想外の事態に陥り……。
■なかなかなかった!エディ・レッドメインの正統派二枚目役
「ファンタスティック・ビースト」シリーズが有名で、愛すべき主人公を好演していたエディ・レッドメイン。オスカーを獲得した「博士と彼女のセオリー」ではALSと診断された天才物理学者を演じ、「リリーのすべて」(2015年)では、まだ差別の激しかった時代の中で懸命に生きたトランスジェンダー役に挑んだ。いずれも素晴らしい映画なのだが、彼は見た目は二の次の難役を演じることが多い気がする。
清掃員になりすまし潜入するジャッカル
そんな中目にした“エディ・レッドメインが殺し屋役に”の文字。ドラマ「ジャッカルの日」、配信はWOWOW……一瞬ためらったが即加入した。結果、1ミリも後悔していないので、彼のファンにはぜひ見てほしいと思う。
ジャッカルが次々と顔を変え、言葉を変え、任務遂行に邪魔な者は情け容赦なく殺しまくるさまは圧巻の一言。また、映画版ではベールに包まれていたジャッカルの私生活も描かれているので、冷酷で華麗な殺し屋の顔と、家族を愛する心優しき男の顔の双方を見ることができる。凄腕の殺し屋の内面に迫ることができるというおもしろさもあるのだ。
ジャッカルがミュンヘンでやり残した仕事とは…?
■エディ・レッドメインが語るドラマの見どころ
父が映画オリジナル版の大ファンで、子どものころ一緒に何度も見ていたというエディ・レッドメイン。「エドワード・フォックスのジャッカルは本当に謎めいていて心を奪われた」と話す。だからこそ、映画とはかなり異なる今回のドラマの脚本を読んで、大好きなものを壊すような気がして戸惑いや不安を感じたという。
脚本を読んで、外国語での演技の多さに拒絶感を抱いたとも話す
ただ、脚本を読み進めると「現代的でありながら映画オリジナル版のDNAが残っていることに気がついた」とエディ。「本作は新鮮だけど、僕が大好きなオリジナル版の要素もある。そんな作品を世に出す助けがしたくて、製作総指揮も務めたんだ」。また、本作の魅力として“衣装”を挙げている。
小物にいたるまでこだわりが詰まっているので、ジャッカルの服装にも注目してほしい
「エドワード・フォックスのジャッカルはおしゃれで、首に巻いたスカーフが象徴的だった。本作(ドラマ版)でもジャッカルの美意識を掘り下げたいと思ったんだ。時代を感じさせない仕立服など、彼が選ぶ物はすべてが完璧でないといけない。美しい服をさりげなく着こなす人物を演じていると豊かな気分になった」と、ここにもオリジナル版へのリスペクトが示されている。「外見や国籍を変えて別人になる…ジャッカルには俳優のような要素がある。役者魂がうずくよ」とジャッカルの魅力についても語った。
最後に、日本のファンに向けてコメントを求められると、「大好きな日本で展開されることにワクワクしている。見応えのあるドラマなのでぜひ楽しんでほしい」と話し、日本語で“ありがとう”と締めくくった。
風を読むことが大切な長距離射撃。エディは軍事専門家の指導を受けたという
個人的に、アリソン・ストークを演じたケイト・ディッキーの登場におお!となった。ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011年~)ではライサ・アリンをインパクト抜群に演じあげ、彼女の登場シーンを見続けるとだいぶケイトが嫌いになるくらいにうまい俳優だと思う。薄幸な奇人を演じさせたらピカイチだ。
ラリーの妻アリソン・ストークを演じたケイト・ディッキー
逃げるジャッカルと彼を追うビアンカ。2人は攻防を繰り返しながら“対峙する時”へと向かっていく――。映画をオマージュしたシーンや欧州全域で展開される緊迫したチェイスなど、見応えのある極上のサスペンスになっているので、ぜひチェックしてみてほしい。
ジャッカルとビアンカ、2人を待ち受ける運命とは…?
■ドラマ「ジャッカルの日(全10話)」
・放送情報:吹替版・毎週土曜日23:00/字幕版・毎週火曜日22:00
https://www.wowow.co.jp/detail/202770
・配信情報:全話配信中
https://wod.wowow.co.jp/content/183047
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「ジャッカルの日」(C)Carnival Film & Television Limited 2024.