
動物、お金、食文化などさまざまなモチーフを題材に、シリアスとギャグを詰め込んだ4コマ漫画を描くのは、漫画家・イラストレーターとして活躍する雪のヤドカリ(@yukinohotel)さん。意味がわかるとおもしろい、じわじわ笑えてくる「癖になる文学的なオチ」を味わってみてほしい。
「ノック2回はトイレの空室確認ですよ!(きりっ)」という人生で一度は言われたことのあるよくわからないマナー。しかし、そう言われた面接練習中の就活生の対応に、思わずぶるりと身を震わせてしまう……。
今回はマナーを破壊する就活生を含む、「破壊」をテーマにした4コマ漫画をご紹介。編集者が著者に取材する形で、その創作の秘密に迫る。
21話「ラムネ」1-1 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「ラムネ」1-2 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「ラムネ」1-3 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「ラムネ」1-4 / 漫画=雪のヤドカリ
取れそうで取れないラムネのビー玉に地団太踏んだ苦い経験を思い出してしまった。あの取れそうで取れない絶妙に人を誘惑して小馬鹿にする感じがギリギリ犯罪だと思うのだが、犯罪ではないのだろうか。法律事務所での勤務経験もある著者・雪のヤドカリさんに聞いてみた。
「法の隙間を縫っている状態です」と雪のヤドカリさんは話す。
「昔、西欧に存在したビーム共和国では、王をおちょくってギロチンにかけられたビー玉もいた程ですが...現代の法では裁けないのが実情です」
そんな血と暴力のにおいがする歴史があったとは驚きだった。しかし、そう考えるとラムネのビー玉を脅した女子キャラが、暴力的な背景をのぞかせていて歴史ともリンクするいいキャラであることに気がついた。別のシチュエーションでの登場はあるのか聞いてみると、「いろいろなシチュエーションが考えられますね」と答えてくれた。
「商店街のガラポンを脅して一等を出させたり、パチンコ台を脅して確変に入らせたり...活躍範囲は無限大です!」
21話「カミナリ親父」2-1 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「カミナリ親父」2-2 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「カミナリ親父」2-3 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「カミナリ親父」2-4 / 漫画=雪のヤドカリ
この爺さんに「盆栽」格付けチェックに呼ばれて試されていたのは誰だったのだろうか。疑問をぶつけてみると、たった一言「THE ALFEEの高見沢さんです」と教えてくれた。
21話「機転」3-1 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「機転」3-2 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「機転」3-3 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「機転」3-4 / 漫画=雪のヤドカリ
面接室(フィールド)をトイレに変えた就活生も、その真意を見抜いて笑みを溢す面接官も、見どころがあるのでまとめて是非弊社に来ていただきたい、そう聞こえるか聞こえないかという声を漏らしたのだが、雪のヤドカリさんはそれを聞き逃しはしなかった。
「KADOKAWAにですか!?私も脱糞するので入れてくださいよ」
21話「コミュニケーション」4-1 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「コミュニケーション」4-2 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「コミュニケーション」4-3 / 漫画=雪のヤドカリ
21話「コミュニケーション」4-4 / 漫画=雪のヤドカリ
宇宙人にちゃっかり乳首があり、脳天で喋っているのがかわいい4コマ漫画だった。キャラデザインで気をつけていることを聞いてみた。
「チャームポイントとして設定した部分、すべて気づいていただけてうれしいです!」と話してくれた雪のヤドカリさん。
しかし、次の一言で場が凍りつく。
「宇宙人に乳首があるのも脳天から喋るのも実際に見たからそうしただけでして...基本的に実生活からの引用なんです。お散歩するときとかもよーく注意して、いろんな人や物、国家、高次元生命体のチャームポイントを見るようにしています」
雪のヤドカリさんの目に、この世界はどう映っているのだろうか。これからも楽しみだ。
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