壮絶な嫁イビリを受けたのになぜ離婚しなかったのか!?「子どものため」の言葉に隠されていた深い理由とは?【作者に聞いた】

  • 2025年2月28日
  • Walkerplus

これでもかと嫁をイビリまくる毒義母に、一見優しそうだけどドケチで超自己中な夫…そのリアルすぎるストーリーが話題を呼んだ漫画「義母クエスト」。それらのエピソードがさらにパワーアップして、この冬、漫画「義母クエストリターンズ ~ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争~」として帰ってきた!
義母に虐げられながらも離婚しなかった妻の子への“想い”とは?
義母に虐げられながらも離婚しなかった妻の子への“想い”とは?


前作に引き続き、「義母クエストリターンズ」の内容はAmeba公式トップブロガー・かづ(@kadu0614)さんの実体験に基づいたもの。今回は、壮絶な人生を生き抜いてきた原案者のかづさんと、迫力ある作画でストーリーの魅力を引き出している、漫画担当の赤星たみこ(@tamikong)さんに話を聞いた。


2人の息子が独立し、現在は夫と猫と穏やかで満ち足りた生活を送る還暦を迎えた主婦・かづさん。しかしこの幸せな生活を手に入れるまでには、壮絶な闘いの日々があったという。

看護学生だったかづは、病院実習中に出会った秋彦から好意を寄せられ、付き合い始めてすぐに結婚を決意。かづは、幸せな結婚生活を夢見たのも束の間…結婚直後から義母の壮絶な「嫁イビリ」が!!一瞬「離婚」の文字が頭に浮かびつつも、かづは離婚をせずに立ち向かって行く…!
かづが何をしてもネチネチとお説教やいじめで返してくる義母
かづが何をしてもネチネチとお説教やいじめで返してくる義母

義母のいじめから夫は守ってくれず…「離婚」もよぎったけれど戦う道を選んだかづ
義母のいじめから夫は守ってくれず…「離婚」もよぎったけれど戦う道を選んだかづ


■かづさんと赤星さんに話を聞いた
コミック「義母クエストリターンズ」の原案者であるかづさんと、漫画を担当した赤星たみこさんの両者に話を聞いた。

――「義母クエストリターンズ」の発売後の、ファンや周囲の方の反応はいかがでしょうか?

【かづ】今回は漫画配信サイトに1話ごとの掲載もあってか、読んでくださった方が多かったように思います。その影響もあってか、以前出版した「義母クエスト」の紙本を購入してくださる方もいらっしゃって、とてもありがたいです。「義母クエスト」から「義母クエストリターンズ」でも続いていますが、読者様は赤星先生がお描きになる表紙の“(名画をモチーフにした)名画シリーズ”も楽しみにしてくださっているようで、私も次はどんな表紙になるのかと楽しみなんです。「毎日が発見ネット」で連載していた原作をずっと読んでくださっている読者様も多く、それがコミカライズされて更にリアルさが増したことに対する驚きの声も多いですね。

【赤星たみこ】賛否両論でした。でも、賛ばかりとか、否ばかりのものより、賛否両論あるほうがいいと思います。それだけ心に刺さっているのだと思います。「賛」は、かづさんの前向きなキャラクターがすごい!というもの。

「否」は、やはり義母のあの酷いキャラに対する批判。それと「どうして早く離婚しないのか?」というものでした。ただ、この話は80年代の話ですから。当時としてはああいう酷い姑をうまくあしらって乗り切るのが賢い嫁、という考えが主流だったと思います。今だと「義母と夫のやっていることはモラハラ、パワハラだ」「そんなのに耐えなくていい!早く離婚しろ!」と、かづさんを応援する人が多いでしょう。でも、当時だって親戚の人や周りの人は内心かづさんを応援していたと思います。ただ、今より離婚のハードルが高い時代だったので、離婚せずに夫や姑を陰でうまくコントロールしなさい、みたいな応援だったのではないかと思います。それがいいか悪いかは、また別の話ですが…。

――読者から「どうして離婚しないのか」という声もあったということですが、作中でも「正直離婚の文字も浮かんだ」という記述もあります。かづさんが「離婚」を踏みとどまれた理由とは何だったのでしょうか?

【かづ】読者様の中には「離婚すればいいのに」と思う方も多いでしょうが、本作は私の嫁時代の話で、舞台は昭和です。当時は今のように「何かあったら実家を頼ればいい」なんて時代じゃなかったですし、実際に頼れませんでしたしね。今でも保育園が足りていない地域も多いでしょうが、昔は比べ物にならないくらい子どもの預け先は少なかったです。

それに私のなかで一番大きかったのは、離婚すれば私は他人になりますが、子どもたちの戸籍には「父」として夫の名前が残ることでした。私の両親は離婚していますが、実父はさっさと新しい生活を謳歌する一方、実母は私たち子どもにすがりつくタイプだったので、病院に行けば私の連絡先を言うし、福祉のお世話になる際には私を緊急連絡先として登録するので、実母が何かするたびに私のところに連絡が来ました。その度に「あなたのお母さんのことですよ!」と、夜中であっても呼び出されるし怒鳴られるんです。

私がもし離婚していた場合、私は生活を立て直して頑張る自信がありましたが、夫はおそらく子どもたちにすがりつくんだろうと思いました。すぐではないにしろ、子どもが成人して就職して結婚して…となったころには夫も定年を迎えています。そうなったときに、子どもの職場や自宅に電話をするなり待ち伏せするなり、果ては「おじいちゃんだよ~」などと孫に接触しかねません。

私には、この夫の子を産み、子どもたちの「父」にしてしまった責任があると思いました。ですので、歳をとったときに「お父さんってどんな人だった?」と聞かれた場合、クズみたいな父親の話だけをするのではなく、「まぁ、いろいろあったけど今はいいおじいちゃんになってる」と子どもに思ってもらえるようにしなければと思ったのです。

――かづさんが以前、義母は「自分は周囲より格上」思っている、また虚勢を張って理想の自分に飾り立てていた…とお話されていたのですが、そういう風に見えるように義母のビジュアル面でこだわられたところはありますか?

【赤星たみこ】服装はハイブランドっぽいものとか、いいところの奥様風のブラウスとスカートをチョイスしています。ブラウスも襟にカットワークが施してあるとか、昔読んだファッション雑誌を思い出して描いています。たまに参考にしているのが、「ペイトンプレイス物語」など、アメリカの中流以上の家庭の奥様のスタイルです。


壮絶な状況に立ち向かうかづさんの行動力と人間力、さらにそれを臨場感溢れる絵や展開で表現している赤星さんの漫画…2人の強力なタッグにより、読み応え抜群の漫画となっている「義母クエストリターンズ」。まだの人は、ぜひ読んでみて!

取材協力・画像提供:かづ(@kadu0614) 赤星たみこ(@tamikong)

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2025 KADOKAWA. All Rights Reserved.