STU48の1期生で、2020年よりキャプテンとして活動してきた今村美月さんが3月末にグループを卒業する。そんな彼女がメモリアル的な1st写真集「月の位置」を2024年3月4日(月)に発売。卒業を決めた理由、そして写真集へ込めた想いやこだわりなどを聞いた。
■「絵画のように美しいひとつの作品として見てもらえるような写真をたくさん撮れたらいいな」
――写真集が決まったときの気持ちを聞かせてもらっていいですか。
いいプロポーションの子が出すっていうイメージがあったので、写真集は今まであんまり考えたことがなくて。私はあまり自分に自信がなくて遠ざけてたんですけど、出しませんかっていうお声を卒業が決まる前からかけていただいて、今の私を残せたらという想いがあって決めました。グループにいる今しかできないことができたらいいなと考えたタイミングも重なって、決断をして写真集を出させてもらうことになりました。
応援してくださっていたファンの方にも「私は需要がないから」と言ってたので、発売が決まったときはびっくりされました。出さないって言ってたからあきらめてたけど、出してくれてうれしいって言ってくださる方もたくさんいらっしゃったので、よかったなって思いました。
――ファンはむちゃくちゃうれしかったでしょうね。どんな写真集にしたいと思いましたか。
絵画のように美しいひとつの作品として見てもらえるような写真をたくさん撮れたらいいなと思って挑みました。
――今回、初めての水着やランジェリーにも挑戦されましたが、いかがでしたか。
いろいろな方から攻めてるねって言われたりしたんですけど、ほかがわからないから自分なりに表現するみたいな気持ちで臨みました。スタッフさんをとても信頼していたので、自分に似合うものはこれなんだろうなって思って。撮影はすべて楽しかったです。4日間あったんですけど、どんどんノリノリになっていきました(笑)。
――グラビアの撮影が意外と自分が最初に思ったのと違って、けっこう楽しいんだなっていう感じだったんですね。
はい。撮影中はもうどんどん楽しくなる一方でした。撮影中よりもフィッティングが一番恥ずかしくて。吟味されてるなと思いました(笑)。
――撮影中に意識したことはありますか。
表情も含めて素で楽しんでるカットもありました。カメラマンさんが「物語が見えるような写真を撮りたい。写真1枚の表情で何を考えているのかを考えたくなるような深い写真を撮りたい」って言ってくださったので、そういう表情を意識するようにして撮影に臨みました。写真集を見返していると、こういうことを思ってたなみたいなことを思い出します。
――撮影中に印象的だったことはありますか。
真鍋島(岡山県)という島で露天風呂とかに入って、すべての撮影が終わったあとに島をみんなで探索したんです。そこでたくさんの野良猫に合ったんですけど、すごく人慣れしていて寄ってきてくれて、ガチャガチャでお菓子が出てくるようなものが島に置いてあったので、いっぱいお菓子をあげました。猫がすごくかわいかったので、一緒に私服で撮影をしたのが印象に残っています。私は猫アレルギーなので、いつもは近寄れないんですけど、なぜか全然大丈夫でなでなでしました。すっかり克服しました！
■「ミュージカルに出たいっていう夢があって、そこに向かって頑張りたいと思っています」
――今回、写真集を出すことで、自分の中で大きな変化がありましたか。
水着とかランジェリーとか思い切ったことをやったので、何か踏ん切りがついたというか、何でもトライしていこうっていう気によりなれた気がします！
――ひと皮むけたってことですね。
はい。遠ざけてたものは、蓋を開けてみれば喜んでもらえるものだったというか、何かやってみて、初めて気づくものもあったのでよかったですね。
――アイドルとしては最後の写真集になると思うんですけど、卒業を決めた理由を教えていただけますか。
これからの自分を考えてのタイミングと、あとグループとして成長していってほしいと思うタイミングが重なったっていうのがきっかけです。グループとしても、自分がもっとこのグループでこういう景色が見たいっていうよりかは、メンバーにもっといろいろな景色を見てほしいっていう想いが強くなって。自分がいなくなることで空く枠が、もっとほかのメンバーが活躍できる場になるっていうことを考えたりしたら、自分ももっとほかの世界を見てみたいという気持ちもあったので、ちょうどいいんじゃないかって。
アイドルとしての今村美月を見たいって思ってくださる方には申し訳ない気持ちになりますけど、グループの中で自分が活躍したいというより、みんなを応援したいっていう気持ちが強くなったので、それなら卒業しなきゃいけないじゃないですけど、変わらなきゃいけないんじゃないかなって思い至りました。
――卒業されたあとは、どういう未来に向かって頑張っていかれるのでしょうか。
ミュージカルに出たいっていう夢があって、そこに向かってがんばりたいと思っています。ミュージカルは発声方法とかも全然違うので培っていきたいです。あとは舞台や映像でお芝居をしたいなって思っています。この前までソロツアーもさせていただいたりしたんですけど、歌とダンスも好きなので、やっぱり表現をするっていうことを絶えずやっていけるといいなって思ってます。
――活動の拠点も広島から東京に変えて活動されるんですね。卒業も控えていますが、最後にファンにメッセージをお願いします。
卒業のタイミングですごくいろいろなことをさせていただく機会をいただいて、7年活動してきて写真集という初めての経験をさせていいただけるって、ありがたいことだなって。7年間見せてなかった自分っていうのが、この写真集にもたくさん写ってると思いますし、これからもどんどん新しい自分を見つけていけるように励んでいきたいなと思っていますので、みなさんぜひこのアイドルとしての今村美月の最後の写真集を見てみてください。
撮影･取材･文＝野木原晃一
