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「俺にそいつは祓えない」心霊が視える男がギブアップした“化け猫”、除霊不能な理由にほっこり!かわいすぎるオカルト漫画に反響【作者に訊く】

  • 2023年11月29日
  • Walkerplus

背中を流してくれたり、添い寝される感覚があったり、果ては朝食を作ってくれたり……。謎の“心霊現象”に悩まされていた学生には、守護霊のような猫又が憑いていた――。
WEB上で日々公開される創作漫画は、アマチュアのみならずプロの漫画家が発表するものも多い。「オーガの兄貴と奴隷ちゃん」(講談社)や「のぶながちゃん公記」(竹書房)などの作品がある漫画家のくりきまる(@kurikimaru)さんが描くオリジナル漫画シリーズ「視える男と憑かれた男」もそうした作品の1つだ。Kindleの無料電子書籍「岩崎くんと加藤くん 視える男と憑かれた男」には700件以上の評価が集まり、読者からは「続きが楽しみ」と期待される同作の制作背景を、作者のくりきまるさんに取材した。

■ご主人大好きな猫又少女と、憑かれた青年。そして視える男の織りなすコメディ
本作は、とにかく霊に好かれる体質ながら一切それらが視えない大学生の岩崎と、彼にべったりな猫又少女の霊。そして霊能力を持ち、両者の不思議な関係を眺める加藤を中心に描かれる心霊コメディシリーズ。

岩崎は自身の周りで起こる謎の心霊現象を加藤にもちかけるが、彼が見た霊は猫又の少女で、しかも心霊現象はすべて猫又が岩崎の生活を手助けしようと頑張っているだけ。あまりの善良ぶりに「祓えない」と放置されることになった猫又をはじめ、続々と顔を出す善霊・悪霊のいる世界での日常を描いた作品だ。

回を追うごとに、不思議な存在に憑かれた登場人物も増え始め、彼らの奇妙な日常や、視えるがゆえに厄介ごとに巻き込まれる加藤の奮闘など、新たな見どころにも惹き込まれる作品となっている。

■「ありがとうって伝えたいよ」胸がぎゅっとなる、作者が作品の肝と語るシーン

そんな「視える男と憑かれた男」シリーズが生まれたきっかけは、くりきまるさんと暮らしていたペットにあるという。「以前飼っていたペットが甘えん坊で、いつもくっついて回っていたんです。既に他界してしまいましたが『今でも一緒にいてくれるといいな』と思ったのが本作を描いたきっかけになります」

そのペットは作中の猫又のキャラクターにも影響しているそうで、「日頃はビビリなくせに、知らない人が家の中に入ると警戒して臨戦態勢をとったり、ぬいぐるみともよく戦ってました。きっといざというときは守るつもりでいるのだろうと思い、作中の霊もいざというときは岩崎のために戦っている設定にしました」と、ペットの姿が投影されていると話す。

そうした思いで描かれる同シリーズ。くりきまるさんが作品の肝として挙げる第7話の熱中症のシーンでは、意識が朦朧とした岩崎が、視えないはずの猫又が自身の手を握って励ましてくれる姿を目撃する。「憑かれている岩崎には霊の姿は見えていないし何が起きているかもわかっていないけど、近くにいるよ」と、自分には見えない存在であっても絆が結ばれているという思いが伝わってくる場面だ。

くりきまるさんは現在、霊の視える新任教師・笹倉岳人と、彼の赴任した学校で数年前に失踪した女生徒の霊・伊奈波悠理が学園を舞台に不可解な出来事に遭遇するサイコスリラー「31番目のユーリ」(「WEBコミックガンマ」)を連載中。スケジュールの合間を縫いながら、9月には1年ぶりの新作エピソードとなる第18話が公開された。「個人で好きなように自由に描ける」と楽しんで制作している同シリーズの続きが待ち遠しい。

取材協力:くりきまる(@kurikimaru)

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