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大阪・谷町六丁目の行列店「TANI ROKU BAKERY PANENA」が作る“大人のパン”ってどんなもの?【NMB48・出口結菜の#んーーまい大阪パン旅】

  • 2023年11月9日
  • Walkerplus

大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいいだけでなくお笑いもこなす親しみやすいアイドルグループとして、2023年には結成13年目を迎え、メンバーたちはバラエティタレントにモデル、グラビアアイドルなど、あらゆるジャンルの前線で活躍している。

なかでも“グルメ”に特化した活動の幅を広げているのが、6期生のゆいなちゃん(出口結菜)。InstagramやTikTokでは「#ラビグルメ」と称し、関西を中心に、お財布に優しいグルメ情報を自らが編集した動画で発信している。過去にはラジオの冠番組で食レポにも挑戦し、ホームページ「#小麦を愛す女子」を立ち上げるなど、“グルメアイドル”道を邁進中。

そんなゆいなちゃんが、大阪にあるパンの名店を紹介する本連載。第4回の舞台は、パン店がひしめく谷町六丁目界隈で常に行列ができる「TANI ROKU BAKERY PANENA」(以下「PANENA」)。オープン時から多彩なパンを生み出し続けているシェフの横田和季さんに話を聞き、その人気の秘密に迫る!


■“大人のパン”ってどんなもの?開店前から行列ができる「PANENA」へ!
「PANENA」の商品のコンセプトは、“お酒に合う大人のパン”。その理由について、「谷町六丁目はパンの激戦区。その中で個性を出さないと、と考えているときに、僕が食べるのも作るのも好きな、お酒に合うようなハード系のパンやドライフルーツやナッツが入っているパンをメインにするのはどうかな?と思って。街の雰囲気にも合うかなと思ってコンセプトにしました」とシェフは話す。

ハード系を中心にした“あてパン”に加え、子どもも楽しめる甘い系のものなど、常時30〜40種類が並ぶ同店。これまで取材したお店と同様、お昼12時前後の時間帯に一番多くの種類をそろえているそう。

ちなみに、2号店である「PANENA うつぼ店」では、本店と同じ種類のパンが3割ほど置かれている。「うつぼ店は靱公園の真横にあって、オフィス街ということもあり、お昼にサンドイッチを食べてもらいたいと思っています。夜は『うらパネ』という名前で営業していて、料理人が来て立ち飲み屋に変わるんです。料理人にもサンドイッチを考案してもらっているので、そういう理由からもサンドイッチのラインナップが多くなっています」

ここで、「SNSで『PANENA』のパンを見かけることがある」というゆいなちゃんから、「色鮮やかだったり、見た目が映えるものが多いですよね。気をつけていたり、ポイントにしていることはありますか?」と質問が。

「ありがたいことに、Instagramとかによく投稿してもらっているんですが、『いい感じに撮ってもらっているな』と思っています(笑)。食べ物は見た目も大事だからおいしそうに見えるようにとは考えているけど、味か見た目なら味を重視しています。おいしくなかったらもう一回買ってもらえないと思うので」とシェフ。「味がしっかりおいしいから、リピーターさんが多いんですね。食べるのが楽しみです!」と期待を膨らませるゆいなちゃんだった。

■カリカリの表面とバターの香りがたまらない!絶品くるみパンは必食
同店の一番人気は、「手捏ねのくるみパン」(360円)。「リピーターさんが圧倒的に多い商品で、多いときは一日に300個ぐらい売れます。機械は一切使わず、すべて手捏ねです。水分が多い生地で扱いにくいのですが手捏ねでざっくり合わせて、『パンチ』という、発酵させて空気を抜く作業を繰り返すことによって、生地が力をつけてきます。水分量が多いのでもちもちですが、手捏ねで混ぜすぎないことによって、引きの弱い噛み切れない生地でなく、サクッと噛み切れる食感になります。この軽い食感がほしくて手捏ねにこだわっています。

一般的に、パンにはローストしたクルミを使うことが多いけど、うちでは生のクルミを使用。甘さも出るし、発酵させてこねている間に、クルミのおいしさが生地に移っていくんです。さらに、ザクザクと刻んだバターを生地に散らしていて、焼いているときに溶け出して焦げることで、焦がしバターの風味をつけています。『底が焦げている』って言われることもあるけど、わざと焦がしています(笑)。今では『それがおいしい』ってみなさん言ってくれますね」

こちらのくるみパンはシェフ一番の自信作でもあり、カリフォルニアくるみ協会が主催する「2014 カリフォルニア くるみ 製パン・製菓コンテスト」でグランプリを受賞したことも。オープン時から好評を博しているのは狙いどおりだそうで、「このパンにお客さんがついてくれているのはうれしい」と話す。

秋にはカボチャなど、常に約5種がそろうスコーンは、パン店らしくベーキングパウダーではなく酵母を使用。「発酵バターと全粒粉のスコーン」(320円)は通年購入できる。「全粒粉と発酵バターを使っています。ザクザクした硬い食感です。個人的に、パサパサしていて飲み物が欲しくなるようなスコーンがあまり好きじゃなくて…。しっとりするように作りました」

同じく、季節に合わせて常時3種は用意されているというキッシュのなかでも、「とうもろこしとベーコン、クリームチーズのキッシュ」(500円)は定番商品。「外のパイ生地はザクザクに焼き上げ、中のアパレイユ(卵液)は濃厚に仕上げています。北海道産のトウモロコシとクリームチーズを使っていて、クリームチーズは塊でゴロゴロと入っています」

「キッシュって、レストランとかですでにカットされているのしか見たことなかったです…!」と言うゆいなちゃんに、「パイ生地もおいしく味わってほしいので、丸ごと販売しています」とシェフ。

「マスカルポーネのフレンチバゲット」(380円)は、「バゲットにアパレイユをしっかり染み込ませて、ラム酒もガッツリ効かせています。マスカルポーネチーズとカスタードクリームをたっぷり搾って焼き、仕上げにメープルシロップをかけました」という盛りだくさんな内容と香りのよさに、ゆいなちゃんも「うわ〜!」と興奮気味。

ゆいなちゃんも最近、バゲットを使ってフレンチトーストを作っているそうで、「パパッと作りたくて浸けてすぐ焼いちゃうんですけど、やっぱり時間を置いたほうがいいんですかね?」と質問。シェフからは、「ひと晩浸けたほうがいいですね。パパッと作りたいなら、アパレイユを温めたら染み込みやすくなりますよ」とアドバイスが送られた。

「セーグルフリュイ ハーフ」(370円)は、「ドライフルーツがたっぷり入ったライ麦パンです」という説明に、「出た、ライ麦!私、朝は基本的にライ麦派なんです」と、ライ麦好きのゆいなちゃんもうれしそう。シェフは、「イチジク、オレンジ、クルミ、レーズンの4種が入っています。これこそアテですね、赤ワインなどに合いますよ。ライ麦感は濃すぎず、薄くスライスしてそのままでも、クリームチーズやサワークリームをのせてもおいしいです」と、“あてパン”としての楽しみ方を教えてくれた。

シェフが好きだというイチジクは、たっぷり入っているのが見た目からもわかるほどで、「すごい断面!」とゆいなちゃんも感動。「ここまでイチジクが入っているのはなかなかないと思います」とシェフ。また、このパンに使われているライ麦の割合は30%だが、ライ麦好きのゆいなちゃんのために、「ライ麦98%のパンもありますよ」と話す。100%ではない理由は、「ライ麦は小麦粉と違って、グルテンができないので生地がつながらないんです。味的には変わらないけど、小麦粉を2%入れるとボリュームが出るんです」とのこと。

■お酒が飲めなくてもおいしく感じられるパン。ゆいなちゃんの感想は?
20年以上のパン職人歴を持つシェフは、フランス系のパン店をはじめ、多彩な店で経験を積んできたそう。「食べるのは子供のころから好きだったんですが、27歳ごろまでは、まったく飲食と関係がない会社で営業をしていました。『何か手に職をつけて自分のお店をしたいな』と思ったのと、満員電車で通勤するのが嫌になって(笑)、最初はアルバイトでパン店に入りました。その後、知り合いの紹介で製粉会社のテスト室に入れてもらって。“この粉を使ったらこんなパンができますよ、こんな食感になりますよ”っていうのがわかるサンプルを作り、卸先のパン屋さんに持って行ったりする部署でした。粉のプレゼンをするためのパンを作っていましたね。そのころは粉のこともパンのことも何もわからず作っていて、もったいなかったなと思うけど、いい経験になりました。でも、そこではパンに関する仕事が毎日あるわけではなかったので、『やっぱりパン屋さんで働きたい』と思って、卸先のパン屋さんに入りました」

「地元の人が多い」という「PANENA」の来店者のうち、7割ぐらいはリピーターだそう。「男性、女性、お年寄り、さまざまな人が来てくれますが、パン屋さんにしては、男性のお客さんが多いんじゃないかなと。男女比は4:6ぐらいですね。パンはブームじゃなく日常に食べてほしいものですし、いいことだと思います」

ここで、「家族そろってお酒は飲まない」というゆいなちゃんから、「お酒が得意じゃない人にも、『これを食べて』っていう商品はありますか?」と質問を受け、「コンセプトは“お酒に合うパン”でやってますけど、実は僕もそんなに飲めなくて(笑)。でも、アテみたいな料理は好きなんです」とシェフ。「同じです。私も!」と言うゆいなちゃんに、「それなら、なんでもおいしいって感じてもらえると思います」と太鼓判を押した。

ここからは、ゆいなちゃんお待ちかねの実食タイム!まずは「手捏ねのくるみパン」を手に持ち、「めっちゃおっきいですね。そして重い!」と、まずはその大きさに感動。「大きく焼いたほうがもっちりします。小さくすると皮が多くなってしまうので、中のもっちりした部分が少なくなってしまって、このおいしさが出ないんです」とシェフからサイズについての秘密が明かされた。

大きなひと口でかぶりつき、「表面がカリッカリ。クルミがめっちゃ入ってて、しっかり味がします!噛みちぎられへん!っていうのがなくて、パリッパリッてしてるけど、中のむっちり感もあっておいしい。あと、バターの味もめっちゃ感じます」と最高の笑顔を見せたゆいなちゃん。「お店に入ってすぐのところにあったから、気になっていたんです」と最初から目を付けていた看板商品にご満悦。

続いてスコーンを手にして、「これもズッシリ!」と重さにびっくり。顔の前に掲げてかわいいポーズをとったあとは、「たしかに硬い。でも全然パサパサしていなくて、めっちゃおいしい!」と大興奮。撮影が終わっても口に運ぶ手は止まらず、しっかり食べ進めていた。

取材中も人が絶えることなく訪れ、くるみパンが売り切れたときには焼き上がり時間を確認する人もいたりと、その人気ぶりがうかがえる「PANENA」。シェフのこだわりが詰まったパンは、お酒を飲まないゆいなちゃんも大満足の様子だった。

今回も食事系から甘い系まで、たっぷりとパンを購入。かわいいショップ袋にも喜びながら、お店を後にした。次回はどんな魅力のあるパンが待っているのか?お楽しみに!

取材・文=上田芽依
撮影=福羅広幸

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