突然の入院決定に大慌て!乳児がいる家庭は注意を。RSウイルスの怖さがわかる漫画に注目【作者に聞いた】

  • 2023年9月29日
  • Walkerplus

人は風邪を引くもの。免疫力・体力の低い乳幼児ならばなおさらで、保育園や幼稚園などの集団に属していると、子供同士で風邪を移しあってしまう…という話はよく聞く。乳幼児が病気になりやすい時期は、母親の胎内にいる際にへその緒を通じてもらった“移行抗体”が切れる生後4〜6ヶ月頃と言われている。しかし、風邪の原因となるウイルスによっては、移行抗体がある時期でも罹患するものもある。その一つがRSウイルス感染症だ。

RSウイルス感染症とは、RSウイルスに感染することによって引き起こされる呼吸器の疾患。発熱、鼻水、咳といったいわゆる風邪の症状が出るもので、2歳までにほとんどの乳幼児が感染すると言われている。それだけメジャーな病気と言えるが、注意しなければならないのは、新生児や生後6ヶ月以内の乳児が初めて感染すると、重症化しやくすなることだ。

第2子がRSウイルス感染症に罹り、付き添い入院をすることになった経験を漫画にしたharumamaさんの「生後1ヶ月RSウイルスとの闘い」がInstagramで注目を集めた。harumamaさんに漫画制作のきっかけや、当時の思いについて話を聞いた。

■反省点は「早めに検査をしてもらえばよかった」
2018年生まれの長男・はる君と、2022年生まれの次男・なつ君の母であるharumamaさん。漫画を描くようになったのは、はる君出産後に見たInstagramがきっかけだという。

「育児漫画を見るようになり、自分も描いて発信してみたいと思っていました。そしたらタイミングよく夫がiPadを買ってくれたことが機になり、Instagramで育児漫画をアップするようになりました」

幼い子供がいる中での漫画執筆は時間の確保が大変そうだが、いつ描いているのだろうか?

「平日は次男がお昼寝している間や、2人を寝かしつけたあとに描いています。週末は描く時間がほとんど確保できないので、なかなか小まめに更新できません…。漫画を描くにあたっては、できていないときもありますが、文字に頼り過ぎずパッと見て状況や心情がわかりやすいイラストになるよう心がけています。あとは育児で大変だったことや子供たちがかわいかったこと、心に残ったことは全部描いていますが、ポジティブなこととネガティブなことのどちらかに偏り過ぎないように、バランスよく描くように心がけています」

今回のなつ君のRSウイルス感染症罹患の体験記は、まさに育児で大変だったことにあたる。幼稚園年中のなつ君がRSウイルス感染症とわかる前、はる君に風邪の症状が出ていたが、はる君に対してはRSウイルスの検査・診断はなかったということだろうか?

「はる君は小児科を受診していて、その際処方された薬を毎日飲ませていました。RSウイルス検査の保険適応が1歳未満らしく、はる君は検査されませんでした」


解熱はしたものの、はる君の咳がなかなか落ち着かない中、なつ君にまで鼻水の症状が出てくるようになる。鼻水の症状から耳鼻科に行くか、新生児であることから小児科にいくか悩んだharumamaさんは、耳鼻科をまず受診する。その後、症状が重くなってきたことから、別件で予約を入れていた大学病院で風邪症状についても診てもらうことに。このとき、発熱はなく呼吸音もよく、母乳も飲めていたことから様子見と診断された。

しかし、大学病院を受診した夜、咳が目立つようになったことからharumamaさんは近くの小児科を受診する。そこでRSウイルスの検査が行われ、陽性と判定。紹介状を書いてもらい、総合病院を受診したところ呼吸状態がよくなかったことがわかり、そのまま入院となった。このときのことを振り返って、一番の反省点は「様子見をしてしまったこと」とharumamaさんは語る。

「咳が出てきた時点で、RSウイルスの検査をしてくれそうな小児科にかかるべきだったと思いました。大学病院で相談もしましたが、別件での診察だったので検査までは至らなかったのです。軽い風邪症状とはいえ、生後1ヶ月なので、万一軽症でも必ず受診、検査してもらうべきと思うのですが、このときは耳鼻科と大学病院でも診てもらったし…と油断して様子見してしまいました。はる君が度々鼻水や咳をしていたので、風邪症状がある子供を見るのに慣れてしまっていたのも様子見をしてしまった原因かと思っています」

harumamaさんは反省を口にするが、なつ君の様子をよく見ていたからこそ、耳鼻科・大学病院と受診したあとにも近くの小児科を受診する決断ができ、なつ君が入院すべきタイミングで入院できたとも考えられる。簡単なことではないが、違和感を見逃さないことが保護者には求められるのだろう。

■陽性結果に慌てすぎて、装備ゼロで付き添い入院生活に突入!
なつ君が、近くの小児科でRSウイルスの陽性が判明。「大きな病院にかからなくちゃ!」と慌てたharumamaさんは、はる君のための買い物だけして総合病院を受診してしまう。漫画の中でも「まじで謎の行動すぎた」と描かれた一幕だ。


「陽性の結果が出るまでは、このあと幼稚園で必要なものを買おうとか、受診後の行動を考えていました。なので、先生からの指示を聞き、パニックになりながらも次の日に必要なアレだけは買わなきゃ!と思っての行動でした。今振り返ると、病院から自宅まで徒歩5、6分だったので、買い物は後回しにし、一度帰宅してオムツや軽食をバッグに詰めてから大きな病院に向かえばよかったと思います」

思いがけず付き添い入院生活がスタート。コロナ禍もあって外出不可・付き添いの入れ替わりもできず、幼稚園のお迎えが迫るはる君のことや、なつ君のための荷物はどうするのか調整を余儀なくされたという。付き添い入院では何が一番大変だったのだろうか?

「大部屋で気を遣いながらのお世話も大変でしたが、3食売店やコンビニのご飯なのが辛かったので、付き添い保護者の食事も病院で出してもらえたらいいな…と思いました」

逆に、付き添い入院中にありがたかったこととしては「私の実家や兄弟は遠方なので、このとき頼れなかったのですが、はる君のメンタルを心配した姉が、子供用のおやつや軽食、おもちゃを自宅に送ってくれたのが、めちゃくちゃありがたく、うれしかったです」と教えてくれた。

付き添い入院をする際に、子供が複数いる家庭では家に残る子供のケアや面倒をどうするのか、というのも難しいところだ。なんの予告もなしに急に母親が不在になってしまうというのは、はる君が不安を覚えたであろうことは想像に難くない。

「入院中は少しでも寂しさが紛れるよう、毎日テレビ電話をしていました。退院した日は、なつ君のお世話をできるだけ夫に任せ、はる君とハグをしたり、一緒にお風呂に入ったりしてスキンシップを大いにとりました。私が付き添い入院で不在の間は、はる君のお世話は主に夫が担いました。義両親も助けにきてくれて、食事の準備や幼稚園のお迎えをしてくれました。義両親は毎日夕方からきてくれていたので、朝5時に起きるはる君のお世話や家事と登園までは夫がこなしており、仕事との両立が大変そうでした」

最後に、読者へのメッセージをもらった。

「漫画を読んでくださりありがとうございます!『航空業界で働いてみたら』という実体験も漫画にしている最中で、そちらは大変なことばかり取り上げていますが、楽しい部分もたくさんあります。まだ描けていませんが。育児も大変なこと、かわいすぎること、毎日盛りだくさんでネタの宝庫です。筆、もといApple Pencilが到底追いつかないのですが、これからもおもしろいと思ってもらえる漫画を描いていきたいので、引き続き読んでいただけるとうれしいです。これからもどうぞよろしくお願い致します」

子供と病気は切っても切り離せないもの。軽症で済むのが一番だが、気をつけていても入院などを余儀なくされることもある。harumamaさんの漫画から、いざというときにどういう心づもりでいればよいのか、知ってみるのはどうだろうか。

取材・文=西連寺くらら

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