
貯金ゼロの浪費家から節約家へと転身し、40代前半、3児の父にしてFIREを達成したみもじ(@mimojinojinsei)さん。この6月に、著書「貯金ゼロの元浪費家・3児の父が子育てしながら成功できた しあわせFIRE」を上梓。節約や投資、子育てのポイントについて発信している。物価高騰の話題が絶えない昨今に、年収200万円台時代を生き抜くための「お金との向き合い方」を聞いてみた。
テーマは「ストレスのかからない節約法」。
■意識すべきお金の3つの区分
生活する上で、常に意識しなくてはいけないお金の区分が3つあります。それは「消費」「浪費」「投資」です。節約に力を入れすぎると、ストレスを抱えてしまうことがあるかもしれません。しかし、この3つの区分を意識するだけで、苦しくならない節約法を身につけることができます。
それでは、3つの区分をここで説明します。
(1)「消費」
生きていく上で必要となる、支出を防ぐことができないお金のこと。例えば光熱費、交通費、日用品の購入など
(2)「浪費」
生きていく上で必要としない、無駄遣いのお金のこと。例えば不必要な買い物(セールにつられて勢いで買うことなど)、利用していないサブスク、ATMの手数料、工夫次第で節約可能なもの
(3)「投資」
将来、自分に返ってくるお金、リターンを見込めるもの。例えば資産運用に充てるお金、自己投資に必要なお金(書籍・旅行など人の価値観によって変わってくる)
この3つの区分の中で、削るのは「浪費」の部分だけなのです。
■みもじ流ストレスゼロの節約マインド「節約とは無駄を捨てるだけ」
「資産形成する上で、まず大切なのが節約だ」と伝えてきましたが、節約というと「我慢」「忍耐」という言葉が浮かび、節約に躊躇する人も多いかもしれません。また、「節約=我慢」というイメージを強く持ってしまっているために、節約はストレスが溜まるものと思い込んでいる方も多いと思います。そんな方は、自分の価値観を見つめ直してください。
節約とは「無駄を捨てるだけ」なんです。必要なものは削らず、我慢する必要のない「無駄」の部分を節約するようにすれば、ストレスはゼロになります。
では、ストレスなく節約できる方法のポイントである「無駄」の部分はどのように見つけるのがいいでしょうか。お金の3つの区分「消費」「浪費」「投資」のうち、「浪費」にあたる部分を減らしていくのが節約のコツです。
「浪費」は生きていく上で必要としない、無駄遣いのお金のことでしたね。私は、節約がストレスになるどころか、浪費を削らずに放置する方がストレスを感じるべきだと思っています。
なお浪費を削る際も、慣れるまで最初は簡単なものから始めていくといいでしょう。例えば、ほとんど利用していないサブスクなどです。一度解約の手続きさえとってしまえば、永久に節約することができるのでおすすめです。
ところで、浪費はどこから生まれてくるのでしょうか。私の周りの人を見ていると、「無駄を生むマインド」が大きな影響を与えていると感じます。そのワースト3を挙げてみます。
(1)物欲
他人よりも「高級な物が欲しい」「新しい物が欲しい」という気持ちがあると、いつまでもお金は増えません。なぜなら、次々と高級で新しい物が販売され続けるからです。
(2)見栄
節約しているところを見られるのは恥ずかしい、という気持ちを持っていると行動に移せません。節約していない人なんて、生まれつきの大金持ちくらいしかいないものです。誰だって割引やセールの言葉に反応します。世の大半の人が節約をしていると思えば、見栄にがんじがらめにされることもなくなります。なかなかお金が増えないと思っている人ほど、「見栄」を買っているものです。
(3)習慣
例えば「浪費」が習慣になってしまうと、そもそも浪費していることに気づきません。また、一度習慣化したことはやめるのにとても労力を使います。好ましくない習慣は、できれば初めから持たないのが一番です。
皆さんにも心当たりがあるのではないでしょうか。良い機会なので「無駄を生むマインド」を見直してみましょう。
無駄なものを捨てるのは、パソコンでデスクトップのごみ箱に不要なものをどんどん捨てて整理するのと同様で、本来ストレスはかからないはずです。
ストレスなく節約できると、継続することができるようになります。継続できるとお金が減りにくくなり、資産が増えるようになっていきます。成果が感じられるとモチベーションアップに繋がり、良いスパイラルに入ります。
■費用対効果が低い節約法をやめるとさらにストレスが減らせる
ストレスゼロの節約をする上で考えなければいけないものに「費用対効果が低い節約」というものがあります。これは、自分の行動に対して効果があまり得られない節約のことです。
例えば、電気代を節約しようとしてこまめに電化製品のスイッチをオフにすることを心がけたとします。しかし、今の家電は消費電力が抑えられているものがほとんどなので、思っているほどの節約効果が感じられません。このような「費用対効果が低い節約」は、効果が少ない上にしっかりストレスだけは感じてしまうので、優先順位を低くすべきです。
我が家で取り入れた方法ですが、電気代を節約したいのであれば契約会社の変更を検討する方が「費用対効果が高い節約」になります。契約会社の変更手続きを行うだけで効果が得られるからです。電化製品のスイッチオフよりも労力をかけずに節約できます。
また、時間の考え方による節約法もあります。
お金を無駄にするということは、結果的にそのお金を稼ぐために捧げた「労働の時間」も無駄にすることに繋がります。この考え方を持つことによって、お金を無駄遣いすることに抵抗を感じるようになります。時間はお金よりも貴重です。お金は失っても取り戻すことができますが、失った時間は取り戻せません。
「時間の無駄」という言葉もありますが、その観点からいくと、「探し物を探す時間」や「不要なものを捨てる時間」も無駄です。無駄な時間をなくす努力としては、やはり「不必要なものは持たない・買わない」ということがベストだと思います。誰でも無駄なものを買った経験はあると思います。その失敗を繰り返さないよう、次に生かすことが大事です。
この「不必要なものは持たない・買わない」ことが、時間、ひいてはお金の節約に繋がります。
※本記事は書籍『貯金ゼロの元浪費家・3児の父が子育てしながら成功できた しあわせFIRE』から一部抜粋・編集しました