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沖縄出身・JO1の與那城奨が「連続ドラマW フェンス」に出演!「この作品が沖縄のことを知るきっかけになったら嬉しい」

  • 2023年3月18日
  • Walkerplus

グローバルボーイズグループJO1のリーダー、與那城奨(よなしろ・しょう)が、連続ドラマに初出演。その作品は、「アンナチュラル」(TBS系)「フェイクニュース」(NHK)「MIU404」(TBS系)など、ドラマファンの支持が高い野木亜紀子脚本による書き下ろし「連続ドラマW フェンス」(WOWOW・毎週日曜 午後10:00~11:00)。世界最大の米軍基地の抱える沖縄の現状に迫る、エンターテインメント・クライムサスペンスに挑む。

■沖縄は、出てみるとめちゃくちゃいいところだなってわかる

――沖縄の基地問題から人種やジェンダーの問題を描く社会派の作品ですが、出演にためらいはありませんでしたか?

重たい内容ですし、正直に言えば最初は「大丈夫かな」という想いがよぎりました。でも、これは沖縄出身の僕だからこそ演じられるし、自分自身が沖縄の問題を再認識できるチャンスなので、絶対に出たいと思いました。ボーイズグループのメンバーだからといって、何かを失うようなことはないんじゃないか、むしろ、得ることのほうが多いのではないかと。僕が出演させていただくことで、沖縄を取り巻く現状を若い世代や同世代に知ってもらい、伝えることができるのなら、光栄です。

――演じた仲本颯太はどんな役ですか?

颯太は基地の中で働いているのですが、本心では今の状況から抜け出したいと思っています。でも、あまり家庭環境に恵まれているとはいえず、長男として家族のために働かなければいけないと、自分で責任を背負い込んでしまっている。そうした心の葛藤を抱えたキャラクターです。沖縄県民って、若い時に一度は「沖縄を出たい」と思うんですよ。僕もその一人で、大学進学を機に東京に出ました。沖縄ってずっといると、何もないと思っちゃうんですよね。いざ出てみると、めちゃくちゃいいところだなってわかるんですけど、出ないと気づけないんです。

――役をどんなふうに膨らませていきましたか?

自分の中である程度、颯太が抱えている気持ちや、置かれている板挟みの状態をイメージとして持っておいて、現場で監督さんと擦り合わせていきました。監督のイメージと違う時は「もう少し重めのトーンでいこうか」など具体的に指示をいただき、役を作っていった感じですね。

■「ショート・プログラム」での経験も活かすことができた

――演じる上で難しかったことは?

“うちなーぐち”という沖縄方言を、自分としては普通のスピードで話していたつもりなんですが、音声さんから「ちょっと早い」と言われて、流れるように言ってしまうクセがあるんだと気づきました。

――ネイティブすぎたんですね(笑)。

そうなんですかね(笑)。ただ、両親がそこまで方言を話すほうではなかったので、僕もなまりはあるんですけど、そんなにうちなーぐちでは話していなくて。なので、イントネーションとか方言指導の方に確認してもらいながら、スピードも少し落とし気味にしました。

――セリフと普段話すのとでは違うんですね。セリフはどうやって覚えるんですか?

僕の場合、大まかに流れを掴むのが得意なので、一回最後まで読み、いったん全体のストーリーを頭に入れます。それから少し時間を置いて、自分の台詞とその前後を集中的に覚えていくという感じですね。AirPodsをつけて外の音を遮断してしまえば、場所や時間に関係なく覚えられます。セリフ覚えがいいかどうかは、まだ経験が少なくて比較対象がないので、自分ではわからないです(笑)。

――JO1の11人メンバーがそれぞれ主演を務めたオムニバスドラマ、「ショート・プログラム」で、初めて演技をした経験は活かせましたか?

かなり活かせました。あの時、僕はコメディタッチの作品だったんですけど、“役として振り切る”ということを監督にすごく言われたんです。最初はちょっと恥ずかしくて、「僕はこんなキャラじゃないのになあ…」と思っていました(笑)。でも、いったん振り切ってみると、怖いものがなくなったんです。「クールな役をする時は、そこから落とせばいいだけだから」と言われたことが、今回の「フェンス」で「こういうことか」と実感できました。

■サスペンスとして描かれているので、すごく入りやすい

――與那城さんは沖縄に住んでいる時、基地問題とどんな距離感でしたか?

大学で上京しているので、中学・高校生の頃の話をすると、当然、ドラマに描かれているようなことが起きて、ニュースになっていることは知っていました。そのたびに「物騒だね、イヤだね」という話は周囲としていましたし、不安でもありましたが、何かアクションを取ったわけではなくて。でも、こうしてドラマに出させていただいて、改めて沖縄を見つめるきっかけになりましたし、さっきもお話ししたように、いま現在進行形で起こっている現実を若い世代に伝えていけることに、やりがいを感じました。

――「若い世代に知ってほしい」という想いが、相当強いんですね。

そうですね。多くの人にとって沖縄は、海があって、旅行をして楽しい南国で、行ってみたらアメリカの人がいっぱいいるね、くらいのイメージだと思うんです。でも、その中ではいろいろな問題が起こっています。ドラマを見て、そこまで関心が広がってくれたらいいですね。JO1の海外のファンの方々にとっても、このドラマが沖縄のことを知るきっかけになったら嬉しいです。

――與那城さんよりも若い世代や海外の人にとっては、なかなか理解するのが難しい問題かもしれません。

確かにそうなんですけど、沖縄の問題をドンと前面に出しているのではなく、サスペンスとして描かれているので、すごく入りやすいと思います。ストーリーに引き込まれて、どんどん続きが気になって見続けていくと、リアルな現状が見えてくる作りなのが、このドラマのすごいところです。

■どこまで自分の可能性を広げられるか、楽しみ

――「フェンス」というタイトルをどう捉えていますか?

いろいろな意味合いを持っていると思います。直接的には、アメリカ軍と沖縄との間にあるフェンス。そして、沖縄と本土との間に立ちはだかるフェンス。沖縄の問題が日本全体のこととして受け止められて、解決されるまでに越えなきゃいけない壁の高さを、このタイトルが訴えているように感じます。

――タイトルにかけて、ご自身にとって乗り越えたい“フェンス”は?

俳優としては、いろんな役に挑戦して、そのたびに壁を乗り越えていきたい!経験を積めば自信もつくでしょうし、これまでの自分にはなかったような表情や仕草も引き出されていくと思うんですよ。どこまで自分の可能性を広げられるか、楽しみですね。

そして、役を演じたことで得た自信や新しい表情や仕草をJO1のパフォーマンス、特に歌で活かして、個人のお仕事をチームに還元したいです。

――今後、“俳優・與那城奨”のプロフィールには、今回の「連続ドラマW フェンス」という野木亜紀子作品が必ずクレジットされ続けていきますね。

そうか!チームで活動してきたから、僕の肩書きはJO1しかないと思ってましたけど、言われてみたら、俳優も加わるかもしれないんですね。全然まだまだですけど、楽しみになってきました。

――JO1のメンバーは、それぞれ俳優として活動の幅を広げています。いい意味でのライバル心みたいなものはありますか?

メンバーと競おうとは思わないですし、ライバル心は全くないです。今はまだ、みんな自分の役をまっとうするのに手一杯なんじゃないかな。もし今後、メンバーの誰かと共演することがあれば、それぞれの経験を基にアドバイスし合うことはあるかもしれませんが、まずは各作品で、自分たちの良さをそれぞれ出し切るだけです!


取材・文=小泉咲子

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