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「飛んでみろ」カツアゲした不良の方が飛ぶ!?作者の予想も飛び越えた連作漫画のオチに爆笑【漫画家に訊く】

  • 2023年3月14日
  • Walkerplus

漫画の不良少年がカツアゲする際、ポケットに小銭があるのを確かめるための定番台詞として想像する人も多いだろう「飛んでみろ」。だが、何の因果か不良少年の方がジャンプしてしまったら……?Twitterの文化ならではの創作イラスト漫画の結末に「なぜ」「人類には早すぎる」「世界救っとる」と笑いと驚きが集まっている。
話題を呼んでいるのは、コミックヴァルキリーにて『ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊』(最新第2巻は2023年1月7日発売)を連載中の漫画家・赤信号わたる(@GoAkashin)さんが投稿した「1RTにつき1m不良の方が飛ぶ」。2021年の初公開時には3.5万いいね、2023年の再掲でも1.2万いいねと二度とも反響を呼んだ同作を描いたきっかけや企画時の構想について、作者の赤信号さんに話を聞いた。

■不良のカツアゲが地球を救う!?まさかのオチに爆笑
同作のきっかけは、2021年9月、少年をカツアゲしようと絡むヤンキーのイラストに「バズった分だけ不良の方が飛びます」と添えられた一枚のイラストに遡る。

同作は“1RT(リツイート)につき1メートル不良が飛ぶ”というユーザー参加型の企画で、投稿されるや否や瞬く間にユーザーからRTが集まり、RT数に応じて10メートル、100メートルと垂直に飛ばされていく不良少年のイラストが断続的に投稿されていった。

謎の力で打ち上げられなすすべのない少年は、富士山や飛行機すら追い越し、成層圏に到達。高度2万メートル(=2万RT)で、地球に接近する巨大隕石を衝突、粉砕しながらなおも宇宙へ向け飛び続けるのだった……。

どれだけユーザーがRTするかで展開や結末も変わり、先が読めない中、続きが気になるユーザーたちから最終的に2万2000RTされた同作。不良が飛んでいく理由も理屈も分からないまま、ただ無言で飛ばされていく理不尽な展開と、最初の一枚からは想像できない壮大なクライマックスが好評を博した作品だ。

■「東京タワーぐらい」の見込みが…ライブ感あふれるクライマックスに
今年2月の再掲時も変わらず笑いとツッコミを呼んだ同作は、当時Twitterで流行していた「バズった分だけ〇〇する」という形式の作品投稿を自身でも試してみようと思ったのがきっかけだと赤信号さんは振り返る。

「楽しそうな形式で自分も参加したいと思ったのですが、他の漫画家さんは『バズった分だけ美少女化する』というルールが多かったんです。それは自分がやらなくてもいいし、描けないとも思い、何か笑える方向のものはないかと考えた時に思いついたのがこの企画でした」

「変化が視覚的にわかりやすい方がいい」と、RT数に“高さ”を紐づけた赤信号さん。その際、「普通の人がいきなりそんな目に逢うと理不尽すぎる気がするな…と思った時に、不良くんが『飛んでみろよ』とカツアゲしてるシーンが頭に浮かびました」と、二つのアイデアが結びついて“不良の方が飛ぶ”という設定が生まれたのだそう。

最終的には2万メートルを超える高さまで飛ばされた不良少年だが、作品を投稿した当初は「東京タワー(333メートル)ぐらい行ったら面白いな」ほどの見込みだったと話す赤信号さん。

「全然反応がない可能性もあったので、この反響には驚きましたし、途中からRT数がものすごいことになったため絵の生産が追いつかないほどで、展開についても慌てて高度ごとにどんなものがあるのか調べました」と、作者の構想をも飛び越えていったこの漫画企画。

「いよいよ宇宙に近づいてきてテンションも天元突破してきたので『こうなりゃ宇宙を象徴するものをぶつけたらぁ!』という気持ちで急遽隕石を出すことを思いつきました。結果的に不良君は英雄になりましたね。描いてる間ずっとエアロスミスの曲が頭の中で流れてノリノリでした」と、読者はもちろん作者にとってもリアルタイムで作られた奇跡の結末だったと明かしてくれた。

投稿時のみならず、再掲でも再び注目を集めたことに「沢山の反響をいただき本当にありがとうございました!」と感謝する赤信号さん。最後に、今回同様の企画漫画を今後描くかについては、「またこういった形式で楽しい企画が思いついたら描いてみたいと思いますのでその時もどうぞよろしくお願いいたします!」と答えてくれた。

取材協力:赤信号わたる(@GoAkashin)

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