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「ベビー用 紙おむつ自動販売機」が全国に拡大中!飲料メーカー・ダイドーが紙おむつ自販機の展開に踏み出したワケ

  • 2023年2月24日
  • Walkerplus

コロナ禍で、新たな販売チャネルとして注目を集めている自動販売機。グルメやアクセサリー、美容アイテムなどを扱う進化系自動販売機が続々と登場するなか、今、子育て世代の間で「便利!」と話題になっているのが「ベビー用 紙おむつ自販機」(以下、紙おむつ自販機)だ。

この自動販売機を展開しているのは、1975年創業の大阪発の飲料メーカー・ダイドードリンコ株式会社(以下、ダイドー)。一般的には飲み物のイメージがあるダイドーが、なぜ紙おむつ自動機の展開に踏み出したのだろうか。

今回は、ダイドーの広報担当である森下さんに取材し、紙おむつ自販機の特徴や誕生にいたるまで、利用者の反響などについて聞いた。

■40都道府県で350台を設置!紙おむつの自販機ってどんなもの?
国内飲料事業の売上のうち、自動販売機の売上が80%を占めるというダイドー。創業以来、ルーレットやおしゃべり機能を搭載した“選んで楽しい自動販売機”を展開し続けている。そんななか「子育て世代が気軽に外出できる世の中にしたい」と2019年から設置している「ベビー用 紙おむつ自販機」が、2022年に40都府県で計350台を突破した。

紙おむつ自販機には、大王製紙のベビー用の紙おむつ「グーンプラス 肌快適設計パンツ(2枚入り) 」(パンツタイプ M・Lサイズ 各240円)と、「グーン 肌にやさしいおしりふき(70枚入り)」(240円)が用意されていて、その隣には、ダイドーオリジナルのお茶をはじめ、紅茶飲料やスポーツドリンク、果実野菜飲料が販売されているのが特徴。紙おむつ×飲料がコラボした、子育て中のパパママにありがたい自動販売機となっている。

また、紙おむつと飲料の搬出口は別々で設けられており、一部自販機にはにおいが漏れないおむつ専用の消臭袋が備わるなど、企業側の配慮も見られる。

「この自動販売機を実際に利用した人からは、『紙おむつを忘れた時や足りなくなった時に役立ちます』『安心して親子で外出が楽しめるようになりました』といった声が寄せられています」と、森下さん。子育て世代を中心に重宝されているという。

■子育て支援のために3社が力を合わせて誕生
冒頭でも触れたとおり、一般的には「ダイドー=ドリンク」のイメージだ。この紙おむつ自販機が誕生した経緯について、森下さんはこう語る。

「2018年9月に国土交通省が発表した子育て応援に関する方針のなかで、サービスエリアや道の駅での“おむつのばら売り”が整備目標の1つとして掲げられました。それがきっかけとなり、『自動販売機でおむつを販売することで、子育て世代を支援しよう』と、ダイドー、大王製紙株式会社、セコム医療システム株式会社の3社で今回の企画がスタートしました」。そして2019年10月、第1号機が道の駅「いたこ」に設置され、道の駅や大型商業施設を中心に展開を進めている。

全国各地の道の駅や商業施設を中心に設置されているなか、2021年3月には、全駅でおむつ交換シートを備え付けた多機能トイレを完備する「Osaka Metro」がこの取り組みに賛同し、以降、西梅田駅、北浜駅、扇町駅、西長堀駅、住之江公園駅と、大阪市内の主要駅にも設置をしている。

「設置を検討される自治体などからのお問い合わせも増えてきております。今後はサービスエリアや道の駅、商業施設以外にも、多くの子育て世代が利用する場所へ積極的に展開を進めていきたいと思います」と、森下さん。2022年8月にはダイドーの紙おむつ自販機として国内の空港で初めて高知龍馬空港に設置され、2026年末までには全国500台の展開を目指しているという。

■「自販機を1つの店舗として捉えて」
コロナ禍には、マスクなどの公衆衛生用品を扱う自動販売機といった、人々の生活が便利になるサービスを次々と生み出してきたダイドー。「コロナ禍で新たな価値を生み出すチャネルとして、自動販売機の価値が見直されるようになってきたと思います」と森下さんが話すように、ダイドーの自動販売機の設置台数は増加傾向にあり、飲料以外を扱うものも続々と展開されるようになってきた。

では、ダイドーが飲料以外の商品を自動販売機で販売するようになったのはいつからだったのだろうか。

「コロナ禍よりも随分前の2003年からで、当初は、飲料と一緒にチョコレート菓子の販売を行うところから始まりました。ある取引先の企業様から『朝食を抜いた社員が糖分補給できるように、ちょっとしたおやつを自動販売機で販売できないだろうか?』というご相談をいただいたことから誕生し、現在では数種類のお菓子を併売するコラボレーション自販機を全国約1万2千台展開しています」

全国各地で普及されたお菓子の自動販売機をきっかけに、2020年には女性用ストッキングを併売する自販機やフィギュアを併売する「ガチャコラボ自販機」を展開。さらには、「淡路島なるとオレンジ」を復活させるために南あわじ市でオレンジの香りを届ける自動販売機を設置したり、「早朝や夜間でも購入できるように」と、奈良公園で鹿せんべいを併売する自動販売機を稼働させるなど、地域に根差した展開がされるようになった。

「『共存共栄』の企業理念のもと、地域社会への貢献につながる取り組みも積極的に行っております。当社では、自動販売機を“1つの店舗”として捉えています。新たに生まれる課題やニーズを素早く捉え、柔軟に対応し、店舗としての役割を持つ自動販売機を通じて、地域のお客様の暮らしに貢献できるよう尽力していく所存です」と、今後も人々の暮らしが豊かになる自動販売機の設置を目指しているという。

街に何気なく存在しているように見える自動販売機だが、実は1つの店として、私たちの生活が便利になるようにと考え尽くされたものだった。地域に特化したものはもちろん、今後ダイドーからどんな画期的な自動販売機が登場するのか楽しみだ。

取材・文=左近智子

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

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