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作っているのは“黙っている理由”?飲食店でやりがちな、会話下手な人のせつない「創作活動」

  • 2022年8月9日
  • Walkerplus

会話が苦手な人にとって、話に加われずさりとて逃げ場もないという状況が発生しがちなのが、グループで入った飲食店。そんな時、人は“創作者”になる!? コミュニケーション下手な“コミュ症さん”のあるあるを描くジョセフ鶴屋(@yukkurishitette)さんのウェブ漫画に、読者から「わかる」と共感の声が集まっている。

■「これ折るの忙しいから」ストローで創り出しているものは何?
上手に人付き合いしたい気持ちは秘めながらも、どうにもコミュニケーションが苦手な“コミュ症さん”の水樹さん。ある日の会議の後、勇気を振り絞り同僚たちを食事に誘うと、本人の不安とは裏腹に多くの人が快諾。一緒にファミレスに向かうこととなった。

普段はなかなか話せないメンバーとも食事を囲めばすっかり打ち解け……、とは行かないのがコミュ症さんのサガ。同僚たちが会話に花を咲かせる中、水樹さんはテーブルの上で黙々と手を動かしていた。

「猫チャン出来た…!」とご満悦の表情の先には、ストローの紙を折り曲げてできた猫の顔。そしてふと素に戻り、「…違うのよ」と内心でつぶやく。

「今、これ折るの忙しいから…」。楽しげに話す同僚たちの輪にどうしても入れず、黙って座っているだけの時間に耐えられなかった水樹さん。作業に没頭し、「黙っている理由」を創作していたのだった。

■「自分は箸袋で」飲食店での創作活動に体験談多数
コミュ症さんのみならず、その時の会話や雰囲気と噛み合わなくなってしまった人なら心当たりがありそうなこのエピソード。この話を読んで共感を覚えたTwitterユーザーは多いようで、「わかる」、「自分は箸袋で折り紙するタイプです」、「ソースや醤油のラベルをじっくり読んだりします」と、沈黙をやり過ごすためのさまざまな体験談が寄せられた。中でも「箸の袋に作り方書いてあるやつはきっと救済」というコメントのように、同じく飲食店アートの定番(?)とも言える箸袋での折り紙は経験者が多いようだ。

作者のジョセフ鶴屋さんの実体験に基づいているという本作。「複数人で食事に行くことになってしまった場合は、100%会話に入れないので、必ず手持無沙汰になります。最初は食べ物を食べているのでまだいいんですが、自分だけが無言で食べているので、人より食べ終わるのが早いんですよね」と、そもそも会話に入れないことで“やることがなくなってしまう”時間が早まるのだと話す。

「水をすごくちびちび飲んだり、おしぼりを超丁寧に丸めなおしたり、そしてまた広げたり、紙ナプキンで折り紙をしたり……。自分に小タスクを与えてやることで本能的に精神崩壊を避けているんだと思います」と分析するジョセフ鶴屋さん。

作品への反響でもこうした行動を取る人が少なくないことがうかがえるが、周囲にはあまり同様の行動を取る人は見かけないそうで「自分以外の人が何かを作っているのは気づいたことはありません。そういう方がいたら、きっと自分と同類の方なんですかね……。友達になってください」と話してくれた。

作っている間は意外と夢中になるけれど、我に返るとせつなさも募ってしまう飲食店での創作活動。一緒に食事している人がクリエイターになっていたら、それは「いたたまれない」というサインかもしれない。
取材協力:ジョセフ鶴屋 WEB漫画描く人(@yukkurishitette)

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