
AKB48の髙橋彩音が6月15日(水)から東京・新宿シアターモリエールにて上演される舞台『SHAPE』に出演する。俳優の磯貝龍乎が脚本、演出、プロデュースを務める本作は、小さな田舎町を舞台に繰り広げられる一組の親子と彼らを取り巻く住人たちのミステリアスな物語。心の病を持ち、その療養のために田舎町に引っ越してくる女性・ミカを演じる髙橋に、本作への意気込みなど話を聞いた。
■成長する様子をしっかりと演じていきたいと思う
――まずは、本作への出演が決まった今の気持ちを教えてください。
【髙橋彩音】最近はチーム8やAKB48のメンバーがいる舞台に出させていただくことが多かったので、久々に一人での出演ということに緊張しています。5月に上演したチーム8の舞台『AKB48 Team8「KISS8」-8th Anniversary Special Performance-』の演出、横内(謙介)先生に公演が終わったあと「成長したね」と嬉しい言葉をいただけたので、自信をもって一人で出来るようになっているのかなと、自分のなかでは楽しみな気持ちもあります。
――演じるミカは、小さな田舎町に心の病の療養のために移住してくるという女性です。どんな風に演じようと思っていますか?
【髙橋彩音】ミカは自分と同じ年齢くらいなんですけど、心に病を抱えている女の子。台本を読んでいて「どういう気持ちなのかな」と想像しづらいところもあって、難しいなと感じています。引っ越してきたばかりのときはツンツンというか、自分から壁を作ってしまうようなところが多いんですけど、だんだんと周りの人と関わっていくうちに本当の自分が出せるようになっていく姿が台本を読んで見えてきたので、成長する様子をしっかりと演じていきたいと思っています。
――ご自身と似ているところ、逆に全く違うところをそれぞれ教えてください。
【髙橋彩音】自分も小さなことで悩んでしまうことがあるので、そこはちょっと似ているかもしれないですね。でも、ミカの本当の姿って強い女性なんです。芯が強くて、自分の意見を言える人。そこが自分とは違うなと。言葉遣いも少しぶっきらぼうな感じで、私だったら言わないような言葉遣いをしたり、強めの口調で言ったりすることが多いので、そこは意識して作っていかなきゃいけないなと感じています。顔つきも強めにしなくちゃいけないので、ちょっと大変ですね。キリっとしているメンバーの表情を見て、学んでいこうかなと考えています。
――髙橋さんがキリっとしているなと思うメンバーは?
【髙橋彩音】(武藤)十夢さんとか、茂木(忍)さんかなぁ。めちゃくちゃ優しいけど、ちゃんと言うべきときにはしっかりと言ってくれる先輩なので。そういう部分を見習って、役に活かしていきたいです。
■演じる役柄は自分の引き出しが試されてくるのかなと思う
――今回はセリフの量もかなり多いと伺いました。セリフを覚えるのは早い方ですか?
【髙橋彩音】意外と覚えるの、早いんですよ。長セリフもあるんですけど、今までの経験もあるので、覚えるのは大丈夫だと思います。セリフより心配なのは、感情の部分ですね。感情のぶつかり合いがすごくあるし、私が演じるミカも自分の感情をすごく出す感じなので、そこは自分の引き出しが試されてくるのかなと思います。
――髙橋さんが思う本作の見どころは?
【髙橋彩音】台本を読んで一番感じたのは、ミステリアスな部分。先が全く分からないお話なので、「そうなるんだ!」という意外性がある作品になっていると思います。ミステリー小説のような雰囲気があるんです。あとは、登場人物みんな個性が強いところ。キャラクターが濃いし、本当はどんな人なの?という感じもあって、それぞれかなり面白いと思います。そのキャラクターにも注目してほしいです。
――髙橋さんにとって、舞台で演じることの魅力とは?
【髙橋彩音】舞台は自分の身一つでぶつかっていく、というような気持ちがあります。AKB48の劇場公演やコンサートとは違う緊張感があるというか……。もちろん歌やダンス、パフォーマンスするときも緊張しますし、そのときだけの感情がありますけど、舞台は自分ではない役としての感情を思いっきり出さないと客席に伝わらないんですよね。歌やダンスのときとは違う自分が出てくるところが面白いなと思います。これからもいい緊張感をもって臨みたいですし、毎日見ても違う感じ方をしてもらえるようなお芝居が出来たらいいなと思っています。
――では、最後にメッセージをお願いします。
【髙橋彩音】今まではメンバーと一緒に出演する舞台が多かったんですけど、今回はAKB48からは私一人。自分の責任感も大きいですし、ファンの皆さんにも見せたことのない一面を見せられると思うので、期待して観に来ていただけたら嬉しいです。これまでの経験を経て、どれだけ成長したのか。そこも見てもらえたらなと思っています。
AKB48の活動としては、今ちょうどチームが変わって新公演が始まったところなんですけど、新しいAKB48が始まったというか、「変えていこう」という気持ちがメンバーのなかにも生まれてきているなと感じています。新たに兼任するチームKはダンスのイメージがあるので、ここでダンスのスキルを磨いて、パフォーマンス力をもっともっと上げていきたいなと思っています。あとは、選抜に入れるように!チーム8の半分くらいが選抜メンバーですから。自分の負けず嫌いを育てていって、貪欲に頑張りたいと思っています!
撮影・取材=野木原晃一 文=yoshimi