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【漫画】いじめっ子への復讐を申し出る怪異、少女の出した答えがもたらす意外な結末にほっこり

  • 2022年5月25日
  • Walkerplus

漫画発表の裾野が広がり、ネット上でプロを目指す漫画家のハイクオリティな作品が楽しめるようになった今。ウォーカープラスでそうしたクリエイターの作品をピックアップして紹介してきた中でも、芽茶はらぺこ(@harapeko_mettya)さんの読み切りホラー「手々」はユーザーから多くの反響を呼んだ。その反響を受け今回は、芽茶はらぺこさんの作風の幅がうかがえる、ちょっぴり恐ろしげでもほっこりする短編作品「たま子ちゃんとぬしさま」を紹介。合わせて、芽茶はらぺこさんに制作秘話をうかがった。

■いじめられる少女を愛でる狐の怪異。復讐を申し出るも断られ…
とある小さいお社の前で、涙ぐんでたたずむ一人の小さな女の子「たま子」。傷だらけの彼女を優しくなでるのは、人の手ではない尻尾。お社に根付いた九尾の狐「ぬしさま」だった。

華奢な体躯から「ヒョロくてガリガリでえのきみたい」といじめられていたたま子。ぬしさまはそんなたま子のいで立ちを愛らしく思っており、いじめた相手に残酷な方法で報復しようとする。

けれど、たま子はそれを断り、“友達”であるぬしさまに「ぬしちゃんは私の応援だけしてほしいの」と、ランドセルの中身を見せる。出てきたのは、牛乳と食べかけのパン、そしてダンベル。「健康的に大きくなる」と、体を鍛えることを決意したのだ。ぬしさまは「我は今のままがいいのになぁ…」と複雑な気持ちながら、愛しいたま子の努力を黙って見守ることに。

そして時は流れ、お社にはたま子とぬしさまの姿があった。ぬしさまはたま子を抱擁しながら、自分の心境を振り返る。小学6年生になったたま子は、見事しっかりとした体躯に成長。サラサラの髪、白い肌、刀の様に鋭い瞳、自分より小さい手と、ぬしさまが気に入っていた要素はそのままに、いじめられなくなり愛でられる面積が増えたたま子に今まで以上の幸せを感じていたのだった。

■「当人が思ったまま生きていけるように」キャラクターへの優しいまなざし
幼子を守るためには容赦しない恐ろしい怪異であるものの、子供のポジティブながんばりでハッピーエンドとなった本作。作者の芽茶はらぺこさんは、自分の好きなキャラクターをどう漫画に描くかにアイデアのきっかけがあったと話す。

「私は、ぬしさまのような人外だけでなく、たま子のようにふくよかな女の子にも魅力を感じています。女の子が痩せる展開はよくありますが、その逆は少なく、自分はもしかしたらその逆の展開が好きなんじゃないかなと思い、アイデアが浮かびました」

また、本作はほっこりするエピソードながら、体型やそれによるいじめという題材を取り上げてもいる。その中で芽茶さんは「太っているや痩せているなど、体型に関してのいざこざをあまり深く考えず、ただ当人が思ったまま生きていけるように」と意識したという。

「体型について人からとやかく言われるのはとても嫌なことです。私は自分が健康でさえいれば、自分が生きやすいような体型になってもいいと思っていて、そういった作品を描きたかったので、今回叶えることができました」

そして、キャラクターを描く上では、「ぬしさまの愛情とたま子ちゃんの純粋さ、お互いが無意識に影響し合っていくことにこだわりました。知らず知らずに関係性が深まっていく感じが好きです」と教えてくれた。

取材協力:芽茶はらぺこ(@harapeko_mettya)

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