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「ガチャガチャ」の呼び名の方が一般的?45年間で38億個を販売した『ガシャポン』の進化と未来

  • 2022年6月3日
  • Walkerplus

「ガシャ、ポンッ」という、あの響きだけで「あ〜、ガシャポンねっ!」と理解してしまうほど、人々の胸に刻まれているカプセルトイ『ガシャポン』。今年45周年を迎え、累計38億個を販売したまさに“国民のオモチャ”といっても過言ではないガシャポンなのだが、その呼び名を巡っては「ガチャポン」「ガチャガチャ」といった名称も浸透。「どれが本当の名称なのかわからない問題」も存在するという。

そこで今回、全国都道府県でガシャポンの「呼び名調査」を実施したバンダイの広報担当者に取材を実施。本調査を行った理由を聞くとともに、名前の由来やもっとも売れた伝説のシリーズなど、ガシャポンの歴史と未来について話を聞いた。

■本来の名称は「ガシャポン」だけど、「ガチャガチャ」に負けている?

――ガシャポン誕生の経緯を教えてください。

【担当者】1970年代当時、主流だった20円のガシャポンにはガムや海外のおもちゃなどが入っており、日本のオリジナル製品が入っているというケースはほとんどありませんでした。日本のおもちゃづくりをリードする企業として日本オリジナルの製品を展開しよう!といった機運が社内で高まり、1977年にカプセルトイ事業をスタートさせました。その後、スーパーカー消しゴムなどが登場し、1983年に弊社が『キンケシ』を市場に投入してからは、ガシャポンの人気と認知度が一気に上がりました。

――ガシャポンという呼び名が生まれたのは?

【担当者】『ガシャ』っと回すと、中からオモチャが『ポンっ』と出てくるので『ガシャポン』という呼び名になりました。ちなみに、1977年のガシャポン第1弾商品は『グレンダイザー』と『ダンガードAのミニ超合金』です。

――45年の歴史を感じるラインナップですね!今回、ガシャポンに関して、「これの名前は?」と問いかける新聞広告を掲載したり、「回すと答えが出てくる自販機」を限定設置したり、45周年に合わせてユニークな試みを行っていましたが、「呼び名」の割合を全国都道府県で調べようと思った理由は何でしょうか?

【担当者】弊社の中ではガシャポンという呼び名で通っているのですが、一般的には「ガチャガチャ」の呼び方が一般的です。SNSのタグ付けでも、『ガチャガチャ』『ガチャポン』が多いので、前々から会議で「実際のところ、『ガシャポン』の名前がどれだけ浸透しているのか気になる」という話もあり、「45周年を機に調べてみよう!」という流れになりました。

■「ガシャポンの知名度」第1位に輝いた都道府県は?

――1位の「千葉県」が12.39%で突出していますが、その理由をどう考えていますか?

【担当者】正確な理由はわからないのですが、社内の見解としては、「東京都での自販機の設置台数が多く、その中で、千葉から東京へ出勤される方が多い」という仮説と、幕張メッセといったイベント会場で商品展開をさせてもらうことが多いので、その点が投票結果を左右したのでは?と考えられています。

――こう見ると、地域の特性はあまり見られませんね。青森県が4位と善戦しています。

【担当者】3年ぐらい前までは、年末年始にイベントをやらせてもらっていた流れから、RAB青森放送がローカルCMを流してくださったり、また直接お伺いできていたということも含めて、認知度が高かった印象にあります。今後は45周年をフックに、お客様に直接触れてもらうイベントをできる範囲で開催して、「ガシャポンが、どこにでもある!」という認識に変えていきたいです。

――子供たちの認知はどうですか?

【担当者】お子さまは「カプセルトイ」のオモチャとしての認識がほとんどです。20代の方だと、テレビアニメで見た懐かしのキャラクターが商品として売られているので、馴染みの深いキャラクターをガシャポンで楽しんでいただいています。

■もっとも売れたガシャポンシリーズは納得の「キンケシ」!

――45年の歴史で、一番売れた「ガシャポン」シリーズは?

【担当者】やはり、1983年の発売当時から現在までに1億8000万個以上出荷している「キンケシ」です。ガシャポンの累計が38億個(2021年12月時点)なので、数字を見てもその凄さが伝わります。今もなお、新弾が登場し、販売が続いているロングセラーシリーズです。

――累計38億個とのことですが、バンダイがこれまで展開してきたシリーズの種類を教えてください。

【担当者】シリーズだと、キンケシ、HG(ハイグレード)、サウンドロップなど、100を超えるシリーズ展開になっています。最近の人気シリーズですと、2018年に発売した「いきもの大図鑑」というカプセルレスの商品で、「だんごむし」がそのままゴロゴロといった感じに出てくるシリーズが人気でした。

また、企業とコラボしたミニチュアのシリーズもので、湖池屋さんのお菓子のパッケージをミニチュアにした「湖池屋 シャカシャカチャーム」やドトールコーヒーさんのメニューをミニチュアにした「ドトールコーヒーショップ ドトールマスコットチャーム」なども人気です。

■カプセルから出てくる意外(?)な商品も人気!

――過去のシリーズで心に残っているのはありますか?

【担当者】少し前の商品ですが「スマートパンツ」です。スマートフォンのボタンを間違えて押さないよう、スマホにパンツを穿かせて守る!というシリーズが6弾ぐらいまで続きました。また、「1/25スケール 電柱」など重量物を自身で組み立てて、お手持ちの玩具と一緒に写真を撮影できる商品も人気です。

――スマートパンツに電柱…。個性的な商品が売れるのもガシャポンの魅力ですね!

【担当者】「カプセルから出てきたら意外性のあるもの」に人気があり、制作している私たちからしても、「よくこんなの思いつくなぁ!」といった楽しい商品ばかりです。先ほどのスマートパンツや電柱、いきもの大図鑑シリーズに関しても、まずは「なにそれっ!?」という驚きから、お友達に「思わず、見て見て〜!」と、お喋りの話題にもなるので、楽しみ方は広がりますよね!

■アナログ商売、でも進化がないと衰退してしまう「ガシャポン」市場とは?

――45年もの歴史の中で、時代や人のニーズが著しく変わってきたと思います。どのような進化を遂げてきたのでしょうか?

【担当者】1977年、ガシャポンのブランドで市場に参入してから、商品と自販機の開発を同時に行ってきました。それは、「時代の流れとともに急速に変化する“ニーズ”に素早く応えるため」という背景があります。

細かな進化を辿ると、90年代には技法の進化により、よりグレードの高いフィギュアを提供できるようになりました。2000年代は音物の商品が量産可能になります。それと同時に、自販機の進化でいうと直径が8センチで価格設定も2500円まで設定できる自販機を投入したり、スマートフォンで決済できる自販機の開発、また、オンラインで「ガシャポン」が回せるなど、時代に合わせて買い方と商品を進化させてきました。

■未来の玩具「ガシャポンオデッセイ」に期待!

――すごい進化ですね!最近だと「ガシャポン オデッセイ」が注目されています。

【担当者】「ガシャポン オデッセイ」の定義は、未来のガシャポンという位置付けになっています。長い旅という意味も込めて「オデッセイ」というネーミングにしており、カプセルトイの市場においても初の大型ディスプレイを設置し、お金を投入すると、お客様の手でキャラクターをランダムに誕生させ、搬出させることができます。つまり、商品を見て、操作できるお楽しみ要素が詰まっている、それが「ガシャポン オデッセイ」の魅力になっています。

――「ガシャポン オデッセイ」を体験した声はどんなものがありましたか?

【担当者】先日、制作発表会を行った際、山本美月さんに体験してもらったのですが、まさかカプセルトイの自販機から映像が出てくるとは思わなかったようで、「すごく新しい体験」と喜んでいただきました。

これまで進化を続けてきたガシャポンですが、今後もさらなる仕掛けを行う予定です。リアルイベントの開催もできたら嬉しいなと思っておりますので、「ガシャポン」に注目し続けていただけるとうれしいです!

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