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【漫画】“住所がない少年”とホームレスの同居「誰かがいる」ことで「生きる意味を知る」“笑顔”が尊い感涙必須!ドラマ化期待の声も

  • 2022年4月8日
  • Walkerplus

さまざまな事情で戸籍がない、学校に行けない、住む場所がない子供がいるのをご存知だろうか?学校や地域からいなくなる、行方がわからなくなる子供を「居所不明児童」という。そんなセンシティブな問題に着目した居所不明児童とホームレスのおじさんの1カ月半を描いた鈴木真澄(@ma_suzuki_mnyt)さんの作品『空中くらげ』を紹介する。

母親に振り回され、小学校も行けない少年は、叔母のところに預けられる。期間は1週間。しかし、ヒステリックな叔母の態度に少年は萎縮してしまい、日中は公園をフラフラとさまよう。そこで出会ったのが、仕事を失い、家族と別れて公園で生活するおじさんだった。

約束の1週間を過ぎても母親の迎えがなく、少年は叔母の家を飛び出しておじさんの元へ。そして奇妙な2人の共同生活が始まった。本作は、2016年講談社のgood!アフタヌーンに読み切りとして掲載され、現在はTwitterで見ることができる。6年経っても色褪せない作品として「何度も読み返したくなる」という読者からのコメントも多い。そこで、本作の制作秘話や見どころを鈴木真澄さんに伺った。

――2016年『講談社good!アフタヌーン』の読み切り作品と伺いました。本作の『空中くらげ』はどのような経緯で制作されたのですか?

“居所不明児童”という言葉を知ったのが制作のきっかけでした。この日本で所在地の分からない、知られていない子供がたくさんいるということに当時衝撃を受けました。

――“居所不明児童”は、どのような経緯で知ったのですか?

テレビのニュースの特集でした。親が住民票を移さずに転居をした場合など、住所地に居住実態がなくなると、官公庁も子供の行方が分からなくなるとのことです。ちなみに作中で表記されている居所不明児童の数は、作品発表当時のデータになりますので、現在の実態とは異なります。

――なぜ、居所不明児童やホームレスを題材に使おうと思ったのですか?

それに限ったことではないのですが、社会の枠組みに嵌らないまたは嵌れない人々に強くシンパシーを感じるところがあり、私から企画を発案しました。取材記事や手記などを集めて読んだり、纏め上げていく過程を編集担当の方にサポートしていただくなどして作り上げました。

――一旦、負のスパイラルというか、社会生活の枠から外れてしまうと元に戻るのは、かなり大変だと思います。少年は救われた道を歩んだと思いますが、おじさんとの出会いがきっかけだったのでしょうか。

そうですね。彼の場合はおじさんとの暮らしを経て自分の望みを自覚し、勇気を出して母に自分の気持ちを伝え、その結果環境が変わっていくという形の希望の物語にしました。ただ、一旦社会生活から外れてしまうと元に戻るのは大変だというのはその通りで、現実としては同じように立て直せるケースばかりではないとも思います。親子にしろ、おじさんにしろ、ラストで割愛した部分にそれぞれの踏ん張りがあるのだと思っています。

――今回はかなり繊細なテーマですが、その他にどのような作品を描いているのでしょうか?

近々、新連載作品を発表予定です。こちらは『空中くらげ』とは毛色の違う女性向けホームドラマになります。詳細は決まり次第SNSで告知してまいりますので、よろしくお願いいたします。

小さなことで幸せを噛み締める少年の生き生きとした笑顔がおじさんの生きる活力につながっていくのが伝わってくる。「誰かのために生きる」それは決して家族とは限らない。誰でもどんな形でも1人の誰かを救うことができるのだと、心に刻まれる感涙必須の漫画だ。

取材協力:鈴木真澄(@ma_suzuki_mnyt)

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