猫のコタツや妻のイクヨはん、亀のヨシオ、金魚のキンちゃんと仲良く暮らしている大塚くんは、漫画やイラストを描いたりしている“猫バカおじさん”――。「猫のコタツと大塚くん」は、温かい家族の日常を描いたエッセイ漫画だ。
ギスギスしがちなこんな時世にこそより光る、“ゆるゆる”なタッチとストーリーの持つぬくもりに心がなごむ。そんな魅力いっぱいの同作から、猫と暮らす中で“青春”を感じたというエピソードをご紹介。作者の大塚さんに、漫画の背景にある思いや愛猫・コタツの様子を聞いてみた！
―― 今回は、コタツの行動から大塚くんが“青春”を感じたお話でした。このエピソードを漫画にした理由は？
【大塚さん】コタツとは毎日遊んでいるのですが、今回漫画に描いたようなコタツからの“スペシャルなお誘い”があるのは稀なんです。それと、春が近づくと僕はなんだか青春を感じやすくなるタチのようで…(笑)。
―― 確かに青春といえば、春ですね(笑)。コタツからの“スペシャルなお誘い”について、詳しく教えていただけますか？
【大塚さん】イメージとしては、例えば10代のころに、親友もしくは悪友と呼べるような友達がふざけて後ろから小突いてくる感じです(笑)。コタツがこの行動を取るタイミングは、僕が忙しくてコタツに無関心なのに、コタツは遊びたくて仕方ない時…が多いかな？とにかく不意にその時が訪れます。
こんな風に誘われると、どんなに仕事が詰まっていても100％コタツを追いかけて戯れてしまいます。「構ってほしい」とアプローチしてくるコタツがかわいすぎて、抗えないんです(笑)。
―― それほどのかわいさなんですね。でも、なぜコタツは大塚くんの足を叩くのでしょうか？
【大塚さん】妻のイクヨはんをこんな風に小突くことはないので、コタツにとって僕は、弟か子分のような存在なのでは…。つまり、僕のことを“ナメてる”んだと思います(笑)。
―― 追いかけっこ、かくれんぼ、チャンバラなどの遊びが紹介されていましたが、特にコタツが気に入っている遊びはなんでしょうか？
【大塚さん】推測ですが、追いかけっこだと思います。コタツの様子から楽しんでいるのがよく伝わってきますね。僕が追いかけると必死に逃げていて、その後ろ姿はガニ股でとてもかわいいです！
―― 想像するだけでとても愛らしいです。ちなみに、そのなかで大塚さんが好きな遊びはなんでしょうか？
【大塚さん】僕はかくれんぼが好きですね。コタツが隠れるのは、だいたいカーテンの裏か水を張っていない浴槽の中。いつも同じ場所なので探すのは簡単なのですが、バレていないと思っている後ろ姿がこれまたかわいいのです。でも一番楽しいのは、逆に僕が隠れて、僕を必死に探すコタツをこっそり盗み見ることです。でも、最近は僕が隠れてもあまり探しに来てくれない…(笑)。
―― それは切ないですね…(笑)。先ほどから“かわいい”を連呼されていて、大塚さんがコタツに夢中なのが伝わってきます。なにかに夢中な感じが、まさに青春ですね。
【大塚さん】確かにそうですね。コタツはいつも本気で、すごく純粋な気持ちで遊んでいるので、常に青春のど真ん中にいるんだと思います。そんなコタツと暮らすことで、僕も青春を味わわせてもらっていますね。
―― ステキですね！ありがとうございました。
愛猫とのかけがえのない日々に青春を感じている“大塚くん”。作中にもある通り、「青春とは一定の時期を指すのではなく、いつだって感じられるもの」ということを教えてくれた。
