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東京2020大会の選手村に約1万8000床の寝具を供給したエアウィーヴ、AIで導きだした“眠りの最適解”「私たちにとってもオリンピックだった」

  • 2021年11月26日
  • Walkerplus

東京2020オリンピック・パラリンピックを支えたパートナー企業の“知られざる裏側”を紹介する動画『THE BACKGROUND』に、選手村の寝具、約1万8000床を選手たちに供給することで大会をサポートしたエアウィーヴが登場。寝具を提供することで、どのように東京2020オリンピック・パラリンピックをサポートしたのか。エアウィーヴ代表取締役会長兼社長の高岡本州氏が、知られざる舞台裏について語った。

■これまでの大会では床にタオルを敷いて寝ている選手もいた

同社は“眠りの世界に品質を”がブランドスローガンの、日本の総合寝具メーカーだ。来日したアスリートたちが集まる選手村の寝具、約1万8000床を選手たちに供給したが、そのサポートの本質は、マットレスの工夫にあったと高岡氏は説明する。「個々の選手にカスタマイズできる寝具ということで、3つに分割しました」と高岡氏。つまり、自由に組み替えることが可能な寝具だ。

「選手の体重は軽ければ30~40キロ台の体操の選手や飛び込みの選手から、120キロを超えるような柔道やレスリング、重量挙げの選手もいるわけです。そういう選手たちの体形に合わせることが可能な、3分割のマットレスを作りました」と新たに寝具を開発したという。

これまでの競技大会では、寝具によるキメ細やかなサポートはなかったと高岡氏は解説する。「たとえば道具で大会をサポートしたり、食事にはトレーナーやコーチがいますが、眠りに関しては誰もサポートしていなかったんですね。選手も(滞在中は)3分の1は寝ているので、眠りと食事がないとリカバリーはできません。また、100キロと40キロの選手は摂るカロリーが違うのに、眠りだけは一緒、というのはおかしい」と持論を展開する高岡氏。これまでの大会では寝具が自分に合わなければ、床にタオルを敷いて寝ている選手もいたのだという。

そこでエアウィーヴはオリンピック史上初めて、眠りのサポートを寝具で行なったのだ。「眠りの質を時間で測るのではなくて、時間プラス、寝ている間の質で測ろうと。つまり、時間×質が、いい睡眠の量である、と考えました。その質を上げるためにどういう寝具が選手に最適か、提案をしたのです」と高岡氏は説明する。

■「寝具を“個別化”したい」その想いを実現したエアウィーヴの熱量

そのサポート方法は、AIを使用した最新の技術に裏打ちされた確かなものだった。個々の選手の体重と身長を調べ、選手の全身写真を2枚使って最適解を割り出したという。「(就寝中)どこに体重がかかるかを測定しました。AIを使い、どうすれば個々に最適なマットレスを提供できるか調べたのです」。これはマットレスフィットという独自のAI技術。選手それぞれの体形に合わせたものを提供することに貢献した。オリンピアンだけでなく、パラリンピアンにとってはよりキメが細かいサポートを実現したという。「たとえば下半身が不自由だとすると筋肉がついていないので、肩はしっかり硬めだが、腰以下は柔らかくするとか、そういうカスタマイズができました」と高岡氏。

しかし、選手村では歓迎モードどころか、“市場を開拓”する苦労があったという。そもそも「選手たちは寝具がカスタマイズできることを知らない」上に、海外選手には会社名が認知されていないので、「話を聞いてくれなかった」と高岡氏は述懐する。「10人中ひとりくらいしか振り向いてくれないんです。だから心折れそうになるんですね」と高岡氏は苦笑。「それでも何日間かやっていて、選手が喜んだという声や、あるいはフィッティングした選手が『あのパターンで変えて寝たらすごくよかった』という声を聞くと喜びを感じました。新しく入った社員たちにとっては、ものすごくいい体験の場だった。価値を伝える疑似体験ができました」とサポートの喜びを語る。

東京2020大会は、エアウィーヴにとっても意義のある大会だったと高岡氏は言う。「選手たちは従来の延長線上ではない違う技を出すわけですが、それと僕たちも同じような思いでした。いつか寝具も個別化できると思っていたのですが、この東京大会で実現し、それに合わせて活動することもできました。アスリートほどではないにせよ、僕たちにとってもオリンピックだったんです」と締めくくった。

映像提供:NewsPicks Studios 
素材提供:エアウィーヴ

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