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NTTが挑戦する「スポーツ観戦の再創造」とは?東京2020大会で実現した「3Dホログラム」や「双方向観戦」の革新性

  • 2021年11月8日
  • Walkerplus

東京2020オリンピック・パラリンピックを支えたパートナー企業の“知られざる裏側”を紹介する動画『THE BACKGROUND』に、通信サービスの分野で競技大会を応援したNTTが登場。「NTTの通信技術を使い、スポーツ観戦のカタチを再創造しました」と語るNTT 人間情報研究所所長の木下真吾氏に、NTTがどのようにして東京2020オリンピック・パラリンピックをサポートしたのか、通信技術プロジェクトの舞台裏を聞いた。

■「沖合のレースを目の前で観戦!」NTTが試みた革新的な挑戦

東京2020大会の通信技術をサポートしたNTT。具体的にはどのような取り組みだったのか?木下氏は「通信テクノロジーを使ってスポーツ観戦の仕組みを再創造」する意図があったと語った。

その具体例としてセーリング競技について言及した木下氏。「(セーリングは)観戦する場所とレースの場所が非常に遠く、双眼鏡を使うのでは面白くないだろうということで、レースが行なわれている所の真横で、まるで船上で観ているかのような体験を提供できないか?」と考えたのだという。

そこで、5Gという新しい通信技術と、NTTが研究開発中の「超高臨場感通信技術 Kirari!」を使い、横幅55メートルのLEDを搭載した船を海上に浮かべた。「これを観客席の横に浮かべて、そこに高解像度の映像を送りました」と木下氏が語るように、沖合にいるレース中のボートが、まるで目の前を疾走しているかのような臨場感を実現した。

■NTTが挑戦した「未来のスポーツ観戦プロジェクト」

NTTの革新的な技術はバトミントンの試合でも活用された。武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)から日本科学未来館(東京都江東区)へ、バトミントンの試合を転送したのだ。木下氏が「単に映像を転送するのではなくて、本当に人ごと転送しようとしました」と語ったのは、立体像を投影する新しいライブビューイングだ。江東区にある実物のコート上に、選手のホログラフィック映像を実物大で表示し、まるで調布市のスタンドにいるかのように観戦できる環境を作り出したのだ。

「会場に8Kのカメラを置いて選手とシャトルだけを切り出して、その3つを日本科学未来館に送りました」。1秒間に60回撮影できる60fpsのカメラにより、高速シャトルの映像も実現した。木下氏は「環境としては本会場とまったく同じになっています」と解説する。

もともとKirari!は、海外など日本に来られない人のために体験を届ける技術だったが、コロナ禍により役割が増大したと木下氏は続ける。「パブリックビューイングも許されないなか、たとえば県の中では移動できるけれど東京へは厳しいというときに、県内で分散してパブリックビューングが楽しめます」と意義を強調した。

■映像と声を東京と札幌に届けた「双方向マラソン観戦」

NTTの挑戦はそれだけではない。マラソンでは東京と札幌にそれぞれ全長50メートルのLEDと8台のカメラを設置。相互の映像と音声をほぼ遅延時間なく送り合い、それを等身大で表示したのだ。コロナ禍における双方向マラソン観戦の実現だ。

「実際には札幌で選手が走っているのですが、応援している東京の観客を転送しました。東京で応援すると、その声が札幌に届くプロジェクトです」と木下氏。「マラソンの選手は秒速5メートルで駆け抜けるので、たとえば1秒映像が遅延したら「頑張れ!」と応援しても5メートル先に選手が行ってしまうんです。遅れなくやるために専用のネットワークを引いて、大容量の映像を転送するのに新しい技術を入れました」と語った。

最後に木下氏は「もともと僕らの目的は未来をどう提案するか」だと説明。続けて、「NTTはメガイベントで新しい挑戦や提案をしてきているので、これがひとつのマイルストーンになればいいと思っています」とコメント。今回は無観客だったが、技術検証はもちろん、世界に対して情報発信をする貴重な大会になったと総括した。

映像提供:NewsPicks Studios 
素材提供:NTT

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