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佐藤健×阿部寛「声をあげることの大切さ」を描いた最新作が公開

  • 2021年10月1日
  • Walkerplus

『8年越しの花嫁 奇跡の実話』や『64 -ロクヨン- 前編/後編』の瀬々敬久監督が、ベストセラー作家・中山七里のミステリー小説を映画化した『護られなかった者たちへ』が10月1日(金)に公開。連続殺人事件の容疑者と、それを追う刑事が繰り広げるヒューマンミステリーを描いた本作で、主人公の利根泰久を佐藤健、刑事の苫篠誠一郎を阿部寛が演じている。10年以上ぶりの共演となったふたりに、本作への思いや撮影秘話、さらに映画館での思い出などを語ってもらった。

■「いまの社会に何かを問いかける意義がある」と感じた作品
――本作への出演を決めた一番のポイントを教えていただけますか。

【佐藤健】原作を読んで純粋におもしろいと思ったのと同時に、震災や生活保護の問題など、今まで僕が見えていなかった、そして知らなかったことが描かれていて、いろいろなことを考えさせられました。そのうえで、利根という役をとおして、いまの社会に何かを問いかける意義があると感じたので、出演を決めました。

【阿部寛】東日本大震災から10年経ちますが、その後の被災地がどうなったかという情報がなかなか届かなくなっているのが現状です。本作は、そういったことにも焦点を当てて物語として描いているので、そこに参加させていただくことは非常に意味があると思いました。また、瀬々(敬久)監督がこの原作をどういう風に映画として完成させるのか興味がありましたので、ぜひやらせてくださいとお返事しました。

――連続殺人事件の容疑者として追われる利根と、利根を追いつめていく刑事の苫篠を、それぞれどのように捉えて演じられたのでしょうか。

【佐藤健】本作では震災と生活保護のシステムの問題を扱っていますが、世の中には映画では描かれていない不条理なシステムや理不尽なことがもっとたくさんあると思うんです。利根はそのシステムのせいで大切な人を護れなかった悔しさを抱えているので、同じような思いを持つ人たちの代弁者のような存在になれたらという気持ちで演じていました。

【阿部寛】苫篠は家族を震災で亡くして以来、ずっと喪失感を抱えたまま虚無なところから抜け切れていない男です。そのせいで行き場のない苛立ちをつい周りにぶつけてしまい、どんどん嫌われる刑事になっていった。そんな自分を救ってくれるものを探しながら刑事として生きているところがあって、そんな部分に人間らしさを感じました。現場では、被災したひとりの人間として、苫篠にいろいろな感情の流れを感じていました。

――瀬々監督の現場はいかがでしたか。

【佐藤健】前回ご一緒した『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の時もそうでしたが、基本的に自由にやらせてくださる方です。例えば、ほかの現場では「ここをこう演じて欲しいからもう1回やってください」と具体的な指示を監督から出されることがあるのですが、瀬々監督は何も言わずに「もう1回」とおっしゃるんです。だからこそ、自分で考えながらいくつかの芝居を試すことができたので、その自由さが今回もありがたかったです。完成したものを見るまではどのテイクが使われているのかわからないのですが、瀬々監督を心から信頼しているので、安心してお任せしていました。

【阿部寛】僕も佐藤さんと同じで、最初に監督が「だいたいこういう感じで撮りますので、こう動いてください」とおっしゃってからは役者にお任せしてくださるので、あとは毎回自分なりに考えて、監督を信じながらテイクを重ねていくという現場でした。瀬々監督とは来年公開予定の『とんび』という映画でもご一緒したのですが、人間として深い方だなと毎回思います。

■2日がかりで撮ったハードなシーンは「さまざまな感情が沸いて不思議な体験だった」
――おふたりは今回ご共演されてみていかがでしたか?

【佐藤健】2010年に公開された『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』で一度共演させていただいたのですが、ドラマからずっとTRICKが大好きで観ていたので、当時、目の前で阿部さんがお芝居されている姿にすごく感動したのを覚えています。本作では阿部さんとご一緒したシーンのほとんどが肉体的にも精神的にもハードだったのですが、“阿部さんならどんなお芝居も受け止めてくれる”という器の大きさを感じていたので、思い切りぶつかることができましたし、こういう作品でまたご一緒できて光栄でした。

【阿部寛】『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』で共演してから10年以上経ちますが、それ以降、ほかの現場での佐藤さんの集中力を聞いていたので、それを邪魔しないように気を付けながらやっていました。とはいえ、もともと邪魔するような人間ではありませんが(笑)、佐藤さんのお芝居から良い影響を受けていることが実感できる現場でした。

――おふたり一緒のシーンの撮影で印象に残っていることがあれば教えていただけますか。

【阿部寛】苫篠が利根を走って追いかけるシーンがあるのですが、1日では撮りきれなくて2日間走ったのがキツかったです(笑)。

【佐藤健】このシーンの撮影は本当にキツくて、ワンカットで走る距離が結構長かったんです。それを何テイクもやったので、全力で走るシーンをやり慣れている僕でも大変でした(笑)。

【阿部寛】だいたい2、300メートルは走ったかな。

【佐藤健】走りましたね。その翌日か翌々日の撮影で阿部さんにお会いしたら、筋肉痛で辛そうにしている僕とは違って全然平気そうというか、ポーカーフェイスだったので驚きました(笑)。

【阿部寛】いやいや、年を取ると筋肉痛はあとからくるもので、そこから半年間は苦しみました(笑)。今回はこれまでに経験してきた“刑事が容疑者を追いかけるシーン”とは少し心情的に違っていて、苫篠として利根を走って追いかけているうちに“捕まえなければ”以外のさまざまな感情が沸いてきた。それは僕にとってとても不思議な体験でした。

――個人的に印象に残ったのが、清原果耶さん演じる円山幹子の「声をあげると誰かが手を差し伸べてくれる」という言葉で、観終わってからいろいろと考えさせられました。この言葉は観る人によって受け止め方が変わってくると思うのですが、おふたりはこの台詞からどんなことを感じましたか。

【阿部寛】いまの日本は世の中の不条理なこと、理不尽なことに対して声をあげることを我慢してしまう風潮にあると思うんです。本作で描かれている生活保護のシステムにしてもそうで、どこか声を上げなくなること、沈黙を正当化する流れになっているのではないかなと感じていて。だからこそ“違うものは違う”と声をあげることは大事で、そういうことを本作ではテーマとして掲げているように思います。

【佐藤健】僕も本作をとおして、“声をあげることの大切さ”を改めて感じました。本作のいろいろな場面で共感できるポイントがあると思うので、観終わったあとに何かを感じていただけたらうれしいです。

■佐藤健と阿部寛が語る“映画館の思い出”
――コロナ禍になってから、よりエンタメの大切さや映画館で映画を観られることのありがたみを感じるようになりました。

【佐藤健】僕もできるだけ映画館で映画を観るようにしていて、コロナ禍になる前は友達と一緒に映画館に映画を観に行って、帰りにご飯を食べながら映画について語るみたいな時間が至福だったんです。なので、いつか落ち着いたらまた気軽に友達を誘って映画館に行きたいですね。

【阿部寛】誰かと同じ時間をゆっくりと共有できるのが映画館の良いところですよね。僕も特別感のある映画館の雰囲気がとても好きです。

――おふたりの“映画館の思い出”をお聞かせいただけますか。

【阿部寛】映画館で映画を観るようになって間もない頃、確かまだ中学生だったと思うのですが、その時に観た『未知との遭遇』は強烈でした。当時の最先端の技術を使った映画を大スクリーンで観た衝撃は今でも忘れられないぐらい印象に残っています。そのあとテレビで放送されていたので観てみたら、同じ映画なのに映画館とはだいぶ印象が違ったので、公開当時に劇場鑑賞できたのは貴重でした。

【佐藤健】子供の頃は親と一緒に映画館でアニメ作品を観ていましたし、中学生ぐらいからは友達と一緒にフラッと時間が空いた時にたまたま上映している映画を観たりしていて、細かく挙げればキリがないほど映画館の思い出はたくさんあります。中でも強烈に覚えているのが、『ジュラシック・ワールド』を4DXで鑑賞した時のこと。まるで遊園地のアトラクションに乗っているかのような感覚になって、すごく楽しかったのを覚えています。

――最後に、いつか状況が落ち着いたら訪れたい場所を教えていただけますか。

【佐藤健】札幌市中央卸売市場や二条市場など、北海道の市場を巡りたいです。つい最近ロケで訪れたのですが、まだ外食ができない状況だったので行けなかったのが残念で。なので、いつかおいしい海鮮を食べに北海道に行きたいです。

【阿部寛】本作の撮影で訪れた宮城もそうですが、先日撮影で行った岡山もまだ外食が難しい時期だったので、その土地ならではのおいしいものを食べられなかったんです。だからいつか状況が落ち着いたら、いろいろな土地のおいしいお店巡りをしたいです。

取材・文=奥村百恵

◆佐藤健
スタイリスト=橋本敦(KiKi inc.)、ヘアメイク=古久保英人(OTIE)

◆阿部寛
スタイリスト=土屋シドウ 、ヘアメイク=AZUMA(M-rep MONDO-artist group)

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