サイト内
ウェブ

【マンガでわかるお金超入門】「お金」と上手に付き合うための2つのポイント

  • 2021年8月20日
  • Walkerplus

「お金のことをもっと勉強しなきゃ」「お金の使い方を見直したい」と思いながら、何から手をつければよいかわからない――。そんな“お金超初心者”に、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんが “お金の基本のキ”を教える連載がスタート。アベナオミさんのマンガとともに、これからの時代に知っておきたい「お金の知識」をわかりやすく楽しくガイドします!

■不安定なのは株価だけではない!?
お金について考えるとき、「お金が表す価値は相対的だ」ということを認識しておいてほしいのです。まじめな人には怒られそうですが、四角四面に固く考えすぎない方がいいということ。不真面目になれと言っているわけではありません。お金の管理はきちんとするべきですが、お金が表す価値はそのときどきで変動するからです。

例えば、どこかの会社の株式を買ったとしましょう。買ったときは10万円だったものが、その後、12万円に値上がりすることもありますし、8万円に値下がりすることもあります。「だから株式投資は怖いんだ、そんな不安定なものに自分のお金を投じるなんて」とまじめな人は思うかもしれません。確かに株式の値段=株価の不安定の度合いはかなり大きい方です。では、他のものは一切、値段は変化しないのでしょうか?気が付いたら値上がりしていたなんてことはありませんか?

■インフレ・デフレで「100万円で買えるもの」が変わる
生活に必要な食品や電気代などの値段について国が統計を取っています。全体を見たとき、2015年を100とすると2021年5月は101.7(2015年基準「消費者物価指数」総務省より総合指数)。2015年よりも1.7%値上がりしているということです。食品なのか、電気代なのか、交通費なのか、項目によって異なりますし、2015年以降、それぞれに上がったり下がったりしながらの2021年5月時点の全体の状況です。

継続的に社会全体のモノの値段が上がっていくことをインフレーション(この後はインフレと表記)といいます。どれくらい値段が上がっているかを%で示したのがインフレ率です。そして、インフレのときには預貯金にしているお金の価値は下がります。なぜなら、預貯金の金利はインフレ率よりも通常低いからです。モノの値段が1.7%上がっているのに、預金の金利が0.1%なら、その差の分、預貯金にしたお金の価値はモノと対比したときには下がってしまったことになります。

100万円貯めているから大丈夫と思っていても、その100万円はいつまでも、その時の100万円の価値ではない、当時なら100万円で買えたものが値上がりすれば、手持ちの100万円では買えなくなるのです。これがインフレの影響です。

逆に、継続的に社会全体のモノの値段が下がっていくことをデフレーション(この後はデフレと表記)といいます。100万円だったものが98万円に値下がりすれば、98万円で買える上に2万円が手元に残ります。デフレのときは、モノに対してお金の価値が上がります。

お金によってモノやサービスや株価などの価値が表され、その価値(=値段)が変動する世界を生きているわけです。

■支払方法の多様化による注意点とは?
さて、かつてモノやサービスを買うときは、その場でお金(現金)と交換するのが普通でした。現金を使わないキャッシュレス決済が利用できるようになり、支払いのタイミングがずれるようになりました。現金が同時払いであるのに対して、クレジットカードは後払い、電子マネーは通常は先払いです。
 

気を付けたいのは、後払いです。すでにお金を使っているのに、手元のお金はまだ減らない。しかし、いずれ払うのですから、金額を把握して残しておかなければなりません。お金を固く考える必要はないけれど、こういった管理についてはきっちりしないと困ったことになります。またどんどん普及しているスマホ決済も連携させる支払い方法によりお金が減るタイミングが違うので、混乱しやすい点に注意。

ここまで紹介してきたのは、日本円の話ですが、円以外にも、それぞれの国にお金があり、インフレやデフレの影響も同様です。キャッシュレス決済も世界的な流れですから、同時払い、後払い、前払いの仕組みも、やはり同様です。

それぞれ、法定通貨として、国やその国の中央銀行が発行して管理し、原則、その国の中で使われています。

■ポイントは「頭は柔らかく、管理はしっかり」
一方、数年前に登場した暗号資産(仮想通貨)には国籍がありません。形(現金)もなくインターネット上でやり取りが行われています。暗号資産を法定通貨と交換するときの値段が短期的に大きく上がったことから投資の一種として注目を浴びました。ただし、大きく上がるものは大きく下がるリスクもあります。

暗号資産と法定通貨を交換するときの値段が変動する幅は、株式の不安定さどころではありません。将来的には大きな可能性を持っていると言われていますが、消費者としては、動向を見守りつつ、法定通貨での買い物、貯蓄が当面は現実的です。

そして、相対的なお金と上手に向き合うには、頭を柔らかくしつつ、管理はしっかり、がポイントかもしれません。


【著者 プロフィール】
坂本綾子/ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所代表。 20年を超える取材記者経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナーを行っている。 著書に「年収200万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!」(SBクリエイティブ)など。

【イラストレーター プロフィール】
アベナオミ/宮城県生まれ、宮城県在住。地元情報誌のデザイナーをしながらイラストレーターとしても活動。2016年にフリーランスに。著書に「マンガでわかる!妊娠・出産はじめてBOOK」(KADOKAWA)など。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.