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母の顔を「ヒザみたい」、返事は「是非」。ツッコミどころ満載な育児漫画が人気

  • 2021年7月30日
  • Walkerplus

キュートな息子・ぐっちゃんとの日常を描いた育児絵日記が人気を集めている。眠い顔を「ヒザみたい」と言われる漫画は17万以上のいいね!を獲得、大好評の「空耳」はシリーズ化されるなど、子育て中の人以外にも支持されるこの作品を描いているのはchiikoさん(@gumamasan1)。TwitterやInstagramで漫画をアップしているほか、育児サイトでは連載も抱え、書籍も好評発売中だ。chiikoさんに、ぐっちゃんとの日々や育児漫画に込める思いを聞いた。

■お姉さん作の育児新聞が漫画を始めるきっかけに
chiikoさんが育児漫画を描き始めたのは2018年、息子さんが生まれて2か月のころ。当時は趣味としてInstagramにアップしていたものを、数か月後にはいろいろなところに上げようと、Twitterのアカウントも作ったという。

以前はフリーのデザイナーとして活動していたchiikoさん。ぐっちゃんの漫画を描き始めたのは、お姉さんの存在が大きかったそう。

「年の離れた姉が娘を産んだ時、毎月、新聞のようなものを作って、両親に印刷して渡していたんです。それが当たり前になっていて、一緒に見たり見返したりしていました。その時は新聞を作る環境も整っていなくて、デジカメで撮った写真を使ってコンビニで印刷して家で色鉛筆で塗って、またコンビニでコピーして。育児の合間に作っていたのは本当にすごいなと思います。それを見ていたので、私も子どもが生まれたら、特別な形で成長の記録を残してあげたいと思って漫画を描き始めました。始めたころは、まさか書籍化の話がくると思っていなかったので、いつか家で印刷や製本をして、本にできたらと思っていました。姉が新聞を作っていなければ、今の育児漫画をやっていなかったかもしれません」

読者は育児中の人のほかにも、学生や子育て中ではない男性も多いという。「育児に関係なく、ギャグ漫画として読んでいる人もいます。誰かに向けて描いているわけでなく、息子に残すための自己満足だったのですが、当事者じゃない人に読んでもらえたり、反応をもらえるのはうれしいです。いろいろな人に響いているようですごくありがたいですね」。

自身の育児については、「出産前は育児がどんなものか想像できていなかったのですが、思ったより大変です。時間が知らない間に過ぎて行きます」と話す。

息子であるぐっちゃんは、とてもやんちゃになってきたという。「育てやすい子だと思います。生まれた時からよく寝るし、用事があること以外で泣かなくて、育児書どおりに成長していきます」と笑う。

「以前はおだやかだったのが、最近は暴れるようになってきたというか、元気がすごいです。家中走り回ったり、大きい声を出したり。わたしの親族が女ばっかりで、男の子ってこんな激しいものなのかと驚いています。座って見ているだけで体力が奪われます(笑)」

子育てする際のモットーは、男の子だから、女の子だからなどと決めつけないこと。「姉が自由な発想で育てていて、それを見習って考えが凝り固まらないようにしています。それから、子どもだからではなく、一人の人間として扱うようにしています。育てているというよりは、一緒に住んでいる家族として関わるように。また、息子に使って欲しくない言葉や態度は、何度も言い聞かせています」。

ぐっちゃんの興味は、現在、電車一直線。「ぬいぐるみやおままごとセットも買いましたが、興味を持つのは乗り物ばかり。本も好きですが、乗り物のものばっかり読んでいます。大阪在住なんですが、関東の路線がすごく好きで、山手線に乗りたいってずっと言っています。コロナ禍が収まったら乗りに行きたいですね。ほかにも、私の知らない車両を言ったり、アナウンスの真似をしています」。

しばらくは、ぐっちゃんとの時間を大切にしたいというchiikoさん。「仕事量も増えて保育園に入れることも考えたんですが、両家の実家の間に住んでいて、いつでも預かってもらえるので本当に助かっています。3〜4歳になって、幼稚園に入るまではなるべく一緒にいたいと思っています」と話してくれた。

また今は、フォロワーさんみんなと仲良くなりたいという気持ちで漫画を描くようになったそう。「顔も名前も知らないんですが、ママ友が増えた気がします。心強いし、頑張って描き続けようと思っています。前はぐっちゃんのために描いていましたが、今は、待ってくれているフォロワーさんのためにも描こうと思うようになりました」。

■息子のユニークな言動に母のキレのあるツッコミが光る
chiikoさんの絶妙なツッコミや独自の解釈も、作品の魅力。2019年に描かれた「空耳」では、13万以上のいいね!が付き、その後もたびたび空耳シリーズが登場している。当時1歳4か月の息子の口から出てきた(ように聞こえる)「代価」や「BEYOND」という言葉が読者を笑わせた。「それまで、卒乳漫画で知ってもらい始めていたんですが、空耳がきっかけで一気に広まりました」とchiikoさんは振り返る。

「2歳ぐらいからぺらぺらとしゃべるようになって、空耳がなくなってきました。今は、言い間違いシリーズになるなって夫と話しています。最初はおもしろいやろって描いたわけでもなくって、これだけ感想をいただいたりしたことで、こういうのがおもしろいんだとわかったきっかけでもあります。頑張って描こうと思ったきっかけでもありますね。いまだに空耳の人って印象があるみたいです」

作中では「じいじ」が言えず、「じじい」と言っていたぐっちゃんも、今は無事「じいじ」と「ばあば」を習得したそう。「私は夫のお母さんをすごく尊敬しているんですが、ぐっちゃんが『ばばあ』って言っちゃった時があって。わたし教えてへんでって思って、血の気が引きましたね(笑)。漫画を読んでくれているので理解はしてくれていますが、たまに焦ります」。

2021年の5月には、眠気をこらえるchiikoさんの姿を、ぐっちゃんが「ヒザみたい」と評するエピソードが17万以上のいいね!を獲得。「空耳を超えたのに、かなりびっくりしました。本当にその時、いきなりヒザって言われて。めっちゃ眠かったのにいっきに目が覚めました。30年弱生きてきて、いろんな人と出会ってきましたが、ヒザ扱いされたのは息子が初めてです(笑)。卒乳漫画の人、空耳の人と言われていたのが、ヒザの人になってしまいました」。

楽しい話ばかりではなく、育児の大変さも描く。「ノコギリ」では、疲れ果てたchiikoさんが、テレビに映ったノコギリを触ろうとするぐっちゃんに慌てる姿が。「家に一日中いた日で、見返すとぐったりしているのが自分でもわかります。今では、思い返して滑稽さに笑います」とchiikoさん。

今後の展開としては、創作の漫画を描いてみたいと思っているとのこと。「ストーリーは決まっているけど、なかなか描き始められなくて。飽き性なので、今まで公表していないストーリー物の漫画は途中で止まったりとかがあったんですが、育児漫画は、フォロワーさんと、息子が何事もなく成長してくれたおかげでもう3年。わたしの中では大快挙です。いつまで描き続けるかわからないけれど、息子の成長をもう見守ることもない、というところまでは続けていきたいと思います」。

最後に、「ぐっちゃんが本名だと思われていることが多いのですが、ぐっちゃんとchiikoは偽名。ぐっちゃんとchiikoが演じているようなイメージで見てください。以前、本名にぐがつくのってなんだろう、と考えたフォロワーさんが最終的に具志堅にたどりついたことがあるんですけど(笑)。内容は基本的にそのまま、名前とキャラクターだけフィクションだと思って楽しんでください」と話してくれた。

取材・文=上田芽依(エフィール)

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