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【漫画】貴族ごっこ、海より深いポール愛…「プリンセスお母さん」から目が離せない!

  • 2021年6月22日
  • Walkerplus

旅先でゴージャスなホテルに宿泊すると、母から「私の城へようこそ。ご案内しますわ…!!」と主になりきったコメントが飛び出し、家でも散歩に行こうとすれば「領地の視察ですか、姫?民のようすをごらんになるの?」と貴族の親子ごっこがスタートする。そんな一風変わった母の行動を実録漫画にした「プリンセスお母さん」がおもしろすぎると話題だ。

■気軽に始めたら予想外の大バズリ!
「プリンセスお母さん」を描いているのはギャグ漫画家の並庭マチコさん(@manga_m)。家族のことを漫画にすることは自身の創作活動の息抜きとして始めたもので、投稿当初はこんなに大きな反響が起きるとは思っていなかったのだそう。

「創作漫画のネームに行き詰まった際に、息抜きで日常系実録漫画を描いてみようと姉の話をツイッターにアップしたのが最初です。反応が良かったので他の家族のことも描いてみようと、母のことを描いてみたところ、そちらに驚くほどの反響をいただき、先が見えないなりに続けてみようと定期的に作品を発表することにして今に至ります」

気軽に始めた分、定期的に作品を発表するのには苦労しているのだとか。

「それまで家族の実録漫画を連載しようと考えたことがなかったので、続けようと決めたときからネタ出しには困っています(笑)。自分でもネタにできそうなことをリストアップしたメモを用意していますが、家族が何か起きると『こんなことがあったよ』と私に伝えてくれるので、それを頼りにしています。あまりにも描くことがなくて困ったときは私から家族に尋ねることもありますが、母は『私は普通だから何もない』と言いますし、父に尋ねても『日常すぎて思いつかない』と収穫は少ないです」

貴族ごっこを嗜む母が自身のことを「私は普通だから何もない」というのが既にネタのような気もするが、家族の協力も作品作りに欠かせないものになっているようだ。

■ポールのことが好きすぎて、英語がペラペラに!母にとってイギリスは「嫁ぐ国」
母のことを漫画にしたネタの中で一番反響が大きかったのは、“貴族ごっこ”にまつわるものだが、ビートルズのポール・マッカートニーへの愛も「プリンセスお母さん」を語る上で欠かせないもの。10代の頃からポール・マッカートニーが好きで、いつか結婚(!)するためにと英語を勉強し続けた結果、並庭さんの母は英語がペラペラに。来日コンサートでは歌うポールを双眼鏡で見つめて“ソウルトーク”に没頭と、ポールへの愛は留まるところを知らない。

「母は海外旅行が好きなので、イギリスでも行きたいところはたくさんあるようなのですが、『私にとっては嫁ぐ国だったから観光で行きたくない』『運命に負けた気がする』とまだ1度も行っていないんです」

そんなに母がポールのことを好きとなると、実際の結婚相手である父がヤキモチを焼いてしまうようなことはないのだろうか?

「父にどう感じているのかあけすけに聞いたことはないですが、ヤキモチを焼いていると感じたことは一度もありません。(母には悪いですが)あまりにも手が届かない存在なので、母がポールと結婚したがっていることなどはおかしく思っている印象です。父と出会う前から母はポールが好きで、ビートルズが母の心を救ったことも知っているので、支えがあることはいいことだなと思っていそうです」

■母以外の家族も個性豊か。でも、一番変わっているのは…作者自身?
「プリンセスお母さん」では母以外の家族のことも作品にしている。特に人気なのは、ちょっとドジっ子な姉や、その姉の息子である甥っ子の話なんだそう。

姉のドジっ子エピソードはどれもインパクトが強いが、家族には「マチコちゃんが一番変なんだから自分のことを描きなよ」と言われてしまうそう。並庭さん自身は家族からの言葉をどのように思っているのだろうか?

「自分だとなんとも答えがたいです…(笑)。マイペースだったり、人と違うことが好きだったり、頑固だったりするところでしょうか…。家族が思っているより変ではないと私は思います!」と答えてくれた並庭さん。しかし、作品内で母の影響から“赤ちゃん語”で友達に話しかけてしまったエピソードは披露済み。もしかすると、今後さらなる並庭さん自身の“変わっているところ”が現れるかもしれない。

■想像力を使ってポジティブに人生を彩る母が好き
家族が好きだからこそ「プリンセスお母さん」を描くことは楽しく、家族の愛しい面を形にできる喜びを感じているのだそう。改めて、並庭さんから見た母の魅力を語ってもらった。

「自分の想像力を使って、人生を楽しくしようとする前向きさが好きです。不幸に流されまいとするところや、母自身は人を嫌うことをしませんが、人に嫌われることを恐れない強さ、英語や運動などの自己研鑽を続けている向上心に憧れます」

読者からも母のポジティブな姿は好評だ。しかし、実在する“家族”をテーマにしている分、その難しさもあるんだとか。

「家族のことをよく知っている私と、家族のことを知らない読者さんでは、同じエピソードでも受ける印象が変わってきてしまいます。ギャグ漫画としてテンポよく描きたいのであまり説明を入れすぎるのも難しく、そのバランスに悩みます。私がうまく描けなかったせいで、家族を悪く思われるのが一番辛いので、気を付けて描いていますね」

最後に今後の目標を聞いてみた。

「自分で行くのは嫌がっていましたけど、誰かに連れてってもらえる分には行くと言っていたので、コロナ禍が落ち着いたら母をイギリスに連れて行って、その話を描きたいです。母がポールに会えるよう、祈ってくださるとうれしいです…!」

最愛のポールが住む国に訪れたとき、「プリンセスお母さん」は果たしてどんな反応を見せるのか?今からその時が楽しみだ。

取材・文=西連寺くらら

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