
年金生活がスタートすると、生活費を切り詰めがちですが、せっかくの時間的ゆとりを生かして、年に1度くらいは旅行にも行きたいものです。今回は、年金生活の方が、旅を楽しむためのシンプルな家計術をご紹介します。
年金生活がスタートすると、生活費を切り詰めがちですが、せっかくの時間的ゆとりを生かして、年に1度くらいは旅行にも行きたいものです。
とはいえ、旅費となるとどうしても「まとまった出費」が気になって、二の足を踏んでしまう人も多いかもしれません。
そんなときは、普段の家計を少し工夫して、少しずつ旅費を確保してみてはどうでしょう。今回は、年金生活の方が、旅を楽しむためのシンプルな家計術をご紹介します。
■旅費は、日々の家計の中から少しだけでも捻出する
年金生活の中でも、旅行の費用は「特別な支出」。そのため、あらかじめ準備した老後資金を取り崩すのも1つの方法です。しかし、できれば毎月の生活費から少しずつ資金を捻出して、旅費専用に積み立てることをおすすめします。
これは、「旅行を楽しむために頑張る!」というモチベーションアップにもつながります。
その際、旅費を貯めるために、無理のない家計の見直しがカギとなります。まずは、見直しやすい固定費から始めてみましょう。
・スマホ代を格安プランに変更
・使っていないサブスクリプションサービス(動画・音楽配信など)を解約
・電気やガスのプランを比較して乗り換える
これだけでも、月に3000〜4000円が節約できることも珍しくありません。さらに、食費や日用品の買い方を工夫して月に2000〜3000円節約できれば、月に5000〜7000円の節約が可能です。
例えば、月7000円を積み立てれば、1年で8万4000円。ちょっとぜいたくな国内旅行だって夢ではありません。このように、旅行費用の準備からゲーム感覚でコツコツ積み立てる習慣をつけることで、旅行までの期間も楽しく過ごせます。
■お得に旅を楽しむテクニック
シニア世代だからこそ、賢く、お得に旅を楽しむチャンスがたくさんあります!
まずおすすめしたいのが、平日やオフシーズンを狙うこと。人気の観光地も、人混みを避けてゆったり回れる上、ホテルや交通費がぐっと安くなることが多いのです。さらに、JR各社や旅行サイトでは、以下のようなシニア向けのお得な割引プランが用意されています。
●JRグループ各社「ジパング倶楽部」
JRグループ各社の「ジパング倶楽部」は、男性・女性ともに満65歳以上なら誰でも入会できるサービスです。年会費は、1人当たり3840円(税込)のみ。
ジパング倶楽部のサービス内容は、全国のJR線を片道・往復・連続で201キロ以上ご利用の場合、運賃・料金ともに2割引または3割引(年間20回)。また、インターネットで「おとなび会員」に登録した後、JR西日本ジパング俱楽部会員と結びつけると、JR西日本線のきっぷがネット購入で何回でも3割引になります。
さらに、JRホテルグループの宿泊料金割引などの特典もあり、サービスが充実しています。
●じゃらん「50歳以上限定プラン」
じゃらんには、宿泊代表者が50歳以上であれば、限定の割引特典がついた宿泊プランが適用される「50歳以上限定プラン」が多数あります。
●楽天トラベル「50歳以上限定」
楽天トラベルにも、じゃらんと同じく、宿泊代表者が50歳以上であれば、限定の割引特典がついた宿泊プラン適用される「50歳以上限定」のプランが多数あります。
■旅費を貯められなかったら?
「まとまった旅費を貯めるのが難しい……」という場合は、無理をせず、近場でのリフレッシュを考えるのもすてきな選択です。
例えば、
・日帰り旅行
・近場の温泉巡り
・公共交通機関で行けるプチ旅
など。
気軽に行ける距離でも、心をリフレッシュするには十分。
行きたい場所をリストアップして、順番に回るのも、ワクワクする楽しみになります。
身近な場所にお気に入りのスポットを見つければ、季節ごとに違った風景を楽しむこともできます。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の澄んだ空気。そんな小さな発見が、日々をもっと豊かに彩ってくれるでしょう。
■小さな工夫で「年に1度のご褒美旅」を実現しよう
年金生活でも、少しの工夫と計画次第で、年に1度のご褒美旅は実現できます。大切なのは、「日々の支出を意識すること」と「小さな積み重ねを続けること」。楽しみを持ちながら、シンプルな家計術で充実した毎日を送りましょう。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)