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中田英寿がシェアしたい“日本の新たな価値”「ブランド野菜に認定された加賀れんこん『蓮だより』」

  • 2021年6月1日
  • Walkerplus

中田英寿氏が47都道府県を旅して出会った日本の「わざ」と「こころ」。日本のことを知るために47都道府県を巡る中田氏の旅は6年半におよび、移動距離は20万キロになった。その間、訪れた地は約2000に。そこで中田氏は、現地に行かなければわからない、素晴らしき日本があることを知った。

ウォーカープラスでは、中田氏の「に・ほ・ん・も・の・」との共同企画として、珠玉の“にほんもの”をお届けする。

中田英寿
「全国47都道府県の旅で出会ったヒト・コトを、”工芸芸能・食・酒・神社仏閣・宿”に分けて紹介。日本文化を多くの人が知る『きっかけ』を作り、新たな価値を見出すことにより、文化の継承・発展を促していきたい。」

石川県金沢市では、地元の土壌や環境に合わせて独自に発展してきた伝統野菜を「加賀野菜」とブランド認定している。この「加賀野菜」の認定を受けている野菜は15品目。そのうちのひとつ、加賀れんこんを栽培する「農事組合法人 蓮だより」を訪ねた。

加賀れんこんの特徴は、節間が詰まっていて肉厚なこと。もっちりとした粘り気とシャキシャキの食感が食欲を増進させる。すりおろして蒸すと、他のれんこんと比べてもちもち感の差は歴然としている。古くは加賀藩の前田家がお堀のまわりに観賞用として蓮を植えていたそうだが、その後、中国から食用の蓮が持ち込まれ、この地で栽培されるようになったという。

「れんこんは春に植えて8月から収穫が始まります。夏場の新しいれんこんは、梨のような甘みがあります。収穫は冬をまたいで5月まで続きますが、寒くなるにつれて糖分がでんぷんに変わり、粘り気が増していきます。天ぷらやきんぴらなどなんでもおいしく食べることができますが、このあたりではすりおろしてから蒸してあんをかけて食べる『はす蒸し』にすることが多いですね」と川端崇文さんは時期によって変化するれんこんの魅力を語ってくれた。

川端さんは2006年、28歳で脱サラし就農。農家に弟子入りしてれんこん作りを学んでから独立。現在、金沢市北部の湖南町の計9000坪の畑でれんこんの栽培に取り組んでいる。

「農薬や化学肥料は使わず、土の力でおいしいれんこんを育てたいと思っています」と川端さんは話す。

訪ねたのは11月初旬。すでに冷たい風が吹きつけている中、川端さんは水を満々とたたえた畑に入って収穫をする。ホースから噴出する水で、土の中に埋もれた長さ1メートル以上あるれんこんを探り出し、折らないように慎重に持ち上げる。勘と手の感触だけが頼りだ。

「収穫の作業は午前2、3時ごろからスタートします。冬場は雪も降りますし、畑が凍りついていることも珍しくありません」という川端さんの話から収穫作業が容易でないことがわかる。

中田も収穫にチャレンジ。水深は膝くらいだが、しゃがみこまないと収穫はできない。泥の中では動きがままならないうえ、土中のれんこんを手探りで掘り出す作業はそう簡単ではない。

「やっと見つけたと思っても、どこが根元なのかわからない。折らないように持ち上げるのもかなり難しいですね」と中田も話すくらいだ。

川端さんは、薄く切って素揚げした「加賀れんこんちっぷ」や小麦粉や米粉のように使える「加賀れんこんパウダー」など加工品の販売にも力を入れている。

「食べたあとに『なつかしい味がする』と言われるとうれしいですね。寒いなかで土中保存されたれんこんはしっかりとした旨味があるんです」と川端さんは話す。

「加賀れんこんちっぷ」は、皮のまま手でスライスしているので、機械で均一にスライスされたものよりも味わいがあっておいしい。東京のアンテナショップや通販サイトでも扱われているので、見つけた際はぜひ試してみてほしい。

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