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「自分は主人公タイプではない」2.5次元俳優・佐藤流司インタビュー<前編>

  • 2021年5月20日
  • Walkerplus

近年、漫画やアニメ、ゲームを原作とした2.5次元舞台の人気が拡大しており、そこで活躍する俳優たちは、“2.5次元俳優”と称され、注目を浴びている。その最前線をひた走るのが、ミュージカル『刀剣乱舞』の加州清光(かしゅうきよみつ)として2018年のNHK紅白歌合戦に出演、2019年にはソロライブ「加州清光 単騎出陣 アジアツアー」を成功させた佐藤流司だ。本記事では、確固たるプライドを持って2.5次元舞台をけん引する彼に、芝居にかける熱い思いや、2.5次元舞台の可能性について語ってもらった。

■「笑ゥせぇるすまん」で喪黒福造を演じたとき、2.5次元の究極形だと思いました。

――2.5次元業界におけるご自身の立ち位置について、どう考えていらっしゃいますか?

自分としては、王道からはちょっと外れたところにいるなと思っています。まっすぐなお芝居ができて、女性をキュンとさせられるような、キラキラした前向きな主人公タイプではないんですよ。だから、ジョーカーやワイルドカードといったポジションでいられたらいいなと思いますね。

これまで演じてきたのも、重たい過去を抱えているような影のある役どころが多いですし、そういった役が自分でも得意だと感じています。ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』でも、主人公のナルト役じゃなく、ライバルのサスケ役ですからね(笑)。

――今年3月から4月にかけて「『笑ゥせぇるすまん』THE STAGE」に出演されていましたが、佐藤さんが喪黒福造を演じるというのは驚きました。

原作の喪黒福造と全然似ていないですからね(笑)。でもあれこそ、ある意味2.5次元の究極形だなと思いました。役を突きつめた結果、「もはや原作のキャラクターと見た目が似ていなくてもいいんじゃないか」と感じるところまで到達できたんですよ。

原作がある以上、見た目を似せることももちろん大事だと思うんですが、ビジュアルを限りなく似せていくことで、2.5次元に親しんでいない人からすると、コスプレパフォーマンスのように見えてしまう部分もあるんじゃないかなとも感じていて……。演じる側としては、いたって真剣に芝居と向き合っているんですけどね。でも喪黒福造役はとくにビジュアルを似せようとせずに芝居をしていたので、すごく新しい挑戦だったと思います。

――例えば、2019年には愛のレキシアター『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』で山本耕史さんや八嶋智人さんと共演されていたり、今年8月にはミュージカル『ジェイミー』への出演も決まっていたりする佐藤さんが、2.5次元舞台に出演し続けることで、このジャンルをけん引されているんだなと感じます。

それこそ山本さんや八嶋さんとご一緒させてもらってから、久しぶりに2.5次元に戻ってくると「ああ、まだまだクオリティを高めていかないとダメだな」って痛感しますね。コスプレみたいだとか、パッと見た印象だけで語られてしまっても仕方ないレベルなのかもしれないって。だからこそ、もっと2.5次元のレベルを底上げしたい気持ちは強いです。

――では、今後挑戦したいジャンルや演じてみたい役などはありますか?

あんまりやりすぎると色物俳優になっちゃいますけど、ときどきは喪黒福造のように「これを佐藤流司がやるの?」と、みなさんを驚かせられるような役柄を演じられたらいいですね。そういう挑戦が、自分自身の芝居の幅はもちろん、2.5次元舞台の可能性も広げてくれるような気がするんです。

2.5次元という舞台ジャンルの底上げをはかり、常に高みを目指す佐藤流司から目が離せない。学生時代の思い出や素顔に迫った後編はこちら。

さとう・りゅうじ●1995年1月17日生まれ、宮城県出身。13年にミュージカル『忍たま乱太郎』で舞台デビューを果たし、以降『テニスの王子様』や『NARUTO』、ミュージカル『刀剣乱舞』など〝2.5次元〟と呼ばれるジャンルをけん引する。近年は活躍をテレビドラマなどの映像作品に広げる。18年にはバンド活動もスタートさせた。

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