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中田英寿がシェアしたい“日本の新たな価値”「日本茶の可能性を世界に広げる茶師十段『池田製茶』」

  • 2021年5月26日
  • Walkerplus

中田英寿氏が47都道府県を旅して出会った日本の「わざ」と「こころ」。日本のことを知るために47都道府県を巡る中田氏の旅は6年半におよび、移動距離は20万キロになった。その間、訪れた地は約2000に。そこで中田氏は、現地に行かなければわからない、素晴らしき日本があることを知った。

ウォーカープラスでは、中田氏の「に・ほ・ん・も・の・」との共同企画として、珠玉の“にほんもの”をお届けする。

中田英寿
「全国47都道府県の旅で出会ったヒト・コトを、”工芸芸能・食・酒・神社仏閣・宿”に分けて紹介。日本文化を多くの人が知る『きっかけ』を作り、新たな価値を見出すことにより、文化の継承・発展を促していきたい。」

今や静岡と並び日本茶の一大生産地と言われる鹿児島。「茶の全国の生産量のうち静岡と鹿児島で約75%を占めています。有名な知覧茶を産出する南九州市は市町村単位で日本一の生産量を誇ります。おそらく温暖な気候条件がお茶には良いのでしょう。鹿児島茶の特徴としては、旨味のある品種や、水色が美しい品種など、多種多様な茶がとれることです」と池田製茶の代表取締役社長・池田研太さんは語る。

お茶には多くの品種があり、その数は農林水産省に品種登録されていないマイナーなものも合わせると100種類以上。現在、鹿児島では約30種類の品種が栽培されており、池田製茶では品種の特徴をとらえて吟味し、県内生産の茶を仕入れているという。池田さんは、「鹿児島の茶は、戦後から本格的に栽培されるようになりました。そして昭和47年、茶市場とこの茶業団地ができた頃からさらに発展し、横のつながりもでき始めました。機械化が進み生産量も伸びています。3代目にあたる自分たちとしては、これから“かごしま茶”のブランド力を高めることに面白みを感じていて、日々努力を続けています」と鹿児島茶の過去と現在について教えてくれた。

仕入れた荒茶を、葉、茎、そして粉に分別し、火入れ(=焙煎)を行い、ブレンドをして安定したおいしさの茶として消費者に届ける。池田さんは、歴代で15名しか取得したことがない、全国茶審査技術競技大会での茶審査鑑定技術における最高位の「十段位」の取得者。この焙煎とブレンドが彼の腕の見せどころだ。

「アミノ酸、カテキン、カフェインの引き立たせ方は焙煎で変わり、味や喉越し、口当たり、水色の出かたに直結します」と池田さんが語ると、中田も池田さんが淹れた鹿児島茶を味わう。「口のなかで旨みが広がって、でも喉ごしはすっきり。そして香りがスーッと抜けていく。上品さを感じますね。特に、喉から先がつっかえないのがいい」と中田は絶賛した。

美味しいお茶には5つのポイントがあると言われる。飲み口で感じる甘い香り、口の中に広がる香り、喉ごしのよさ、口の中のすっきりとした感覚、そして、飲み込んだあと鼻に抜ける甘い香り。池田さんのお茶はそのバランスがとてもよいのだ。

池田製茶では、「美味しさを極める茶」だけでなく、輸出実績が増加している抹茶の製造にも取り組んでいる。今や世界中で人気の高い抹茶だが、世界企画に通用し安心安全で高品質な抹茶を提供するために、池田製茶ではクリーンな環境の中で茶葉を仕上げ、粉砕加工するための抹茶専用工場を2020年に新設。石臼を使って丁寧に加工することで、高品質な抹茶の提供を可能にした。また、お茶の活用法や可能性を広げるための研究にも積極的に取り組み、カテキンの抗菌作用を活かしたうがい専用の「お茶うがい」や緑茶入りの除菌用マスクスプレーを開発した。

茶は畑だけで作られるわけではない。連綿と培った知恵と情熱のある人がいて、初めておいしいお茶になる。池田さんはその両方を兼ね備えた人だ。そんな池田さんの日本茶文化を豊かにする挑戦は続く。

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