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夜の時間を豊かにするロッテの新提案チョコ 「YOIYO」誕生のきっかけとは?

  • 2021年4月7日
  • Walkerplus

「ガーナ」や「クランキー」、「コアラのマーチ」などで知られるロッテが「日本に酔うチョコレート」をコンセプトとした新ブランド「YOIYO(ヨイヨ)」を誕生させた。その第一弾として長野県にある本坊酒造のマルス信州蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーを使用した「YOIYO<KOMAGATAKE>」を発売。そのきっかけと経緯をロッテと本坊酒造の担当者に聞いた。

ロッテの担当者・EC戦略部商品企画課の田中さんは、「本坊酒造さんの『地域文化の継承と革新』という経営理念に強く惹かれました」と話す。本坊酒造は今回コラボレーションすることになったマルス信州蒸溜所のほか、鹿児島県さつま市加世田津貫と屋久島の3カ所に熟成拠点を持つ。「土地ごとの気候や風土にこだわって製造・熟成を行っていることに感銘を受け、ぜひご一緒したいと思いました」

マルス信州蒸溜所は長野県中央アルプス駒ヶ岳のふもと、標高は798メートルにある。「花崗岩に磨かれた地下水があり、冬はマイナス15度、夏は30度以上と年間の気温の寒暖差が大きい場所。森の中なので空気が非常にきれいで霧も多く、樽の中のウイスキーは呼吸をするように空気を取り込みながら熟成を重ねていきます。今回、そうした環境や土地柄を生かしたウイスキー造りや商品展開をしていることに共感していただけたのはうれしかったです」と語るのは、本坊酒造の製造主任・河上さん。

ロッテは、1964年に「バッカス」、翌年に「ラミー」を発売。アルコールを使ったチョコレートは約半世紀の間作り続け、親しまれている。今回もバッカスの製造技術を活用し、なめらかなチョコレートに洋酒を閉じ込める技術を生かしている。「今回の新しいコンセプトに基づいたお酒を選定し、リキッド部分に応用しています」とロッテの田中さん。

そもそも、「YOIYO」はなぜ誕生したのか。ロッテの田中さんは「昨今の暮らし方の変化から、『家族と過ごす“おうち時間”を大切にしたい』というニーズが高まってきていることに着目しました。今、私たちにできるのは心に残る『体験価値』を提供できる商品づくりなのではとの思いから、開発をスタートさせました」と話す。

その中で、「洋酒チョコレートの中心ターゲットである50~60代に刺さるインサイト(心を動かすスイッチ)を考えたところ、“夫婦の会話を豊かにする話題”と“知識力を高めたいという欲求”という2つが見えてきました。ここから、日本の風土を存分に生かしたお酒を包んだクラフト酒チョコレートが、夕食後の時間を心地よく酔わせ、造り手の思いを語り合ったり、日本の良さを再確認したりしている情景を思い浮かべながら商品化しました」という。

そこで白羽の矢が立ったのが、本坊酒造というわけだ。本坊酒造もこの取り組みに共感。今回のコラボレーションが決まった。今回提案したい“特別感”への思いは、ロッテと同様、本坊酒造にも強くあった。

かなり苦労したのが、“チョコレートでウイスキーを閉じ込めた”チョコレートとして食べる商品としてのウイスキー選び。「チョコレートとウイスキーを合わせて食べることとは違います。樽を選ぶときから『チョコレート』に合わせて香りのバランスを考える必要があったので、これまでのブレンダーとしての仕事とはまったく異なる作業でした。ロッテさんのチョコレートはかなりの量を食べて研究しました」と河上さん。

まずは、マルス信州蒸溜所にある複数の樽を対象に選ぶことからスタート。絞り込んだのが、「バーボンバレル(樽)とシェリー樽から考えたブレンド」だったそう。本坊酒造の河上さんによると、「前者は、駒ヶ岳の骨格をつくっている原酒で、樽の数も多い。後者は、ブドウを原料にしたお酒を用いたラミーとバッカスからヒントを得た樽。ミルクチョコレートで包んでから味わってみると、 “駒ヶ岳”を一番表現できるのはバーボンバレルであるという結論にたどり着きました」という。

河上さんは、「今回選んだブレンドとミルクチョコレートのマッチングで一番いいなと思ったのは、食べたときの“鼻から抜ける香り”。それがまさに信州の環境を彷彿とさせる“クリーンさ”で、決め手になりました」と自信をのぞかせる。

「個人的には、ウイスキーに合うのはビターチョコレートではと思っていましたが、ミルクチョコレートを食べてみたら、そのなめらかな口どけから、信州の駒ヶ岳のイメージを感じることができました。“駒ヶ岳”というブランドは、信州の環境を反映して “クリーンでリッチ”な味わいに仕上がっています。冷涼な環境で育ったウイスキーはとてもクリーンですし、天然のミネラル分をバランス良く含んだやわらかな仕込み水を使っていることから、丸みを帯びて柔らかい味わいになります。それが最終的にミルクチョコレートにマッチしたと思います」(本坊酒造・河上さん)

ロッテの「YOIYO」では、年4回、日本のクラフト酒チョコレートを楽しめる商品を予定しているという。「日本には私たちがまだ知らない“日本”があります。そして各地にさまざまな造り手の想いが込められたお酒があります。そんなこだわりのお酒と地域の良さを一緒に共想させていただけるところと、一緒に『YOIYO』を育てていけたらと思っています」(ロッテ・田中さん)今後も続くロッテの取り組み。次なる展開にも目が離せない。

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