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“コンスコンは無能”ではなかった?「アムロ覚醒」のムリゲーっぷりを“逆視点”でガンダムクソ解説

  • 2020年12月23日
  • Walkerplus

「ウォーカービズ」では、ガンダム好きの上司や同僚とのアイドリングトークに役立つ「ガンダム雑学」を特集。今回インタビューしたのはガンダム作品をナナメに読み解く「ガンダムシリーズに関する不正確でいい加減な解説」をツイートし、11.7万人以上のフォロワー(※12月23日現在)がいるガンダムクソ解説bot(@kusokaisetu)さん。ガンダムファンにとって12月の“風物詩”となっている、コンスコン隊の全滅(3分クッキング)について、アムロ・レイの覚醒と居合わせた“不幸”をわかりやすく解説する。

■クソ雑学その1:12月はガンダムの“激熱”エピソードが満載

――クソ解説をされていて、特に人気が高かったガンダムシリーズは?

「4年ほどTwitterでクソ解説を続けていて、特に反響が大きいのは初代ガンダム、とりわけアムロ・レイ関連ですね。アムロはアニメ・小説以外にもゲーム等での露出も多く、さまざまな時系列の多様な立場から描かれています。特に『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』やプレイステーション2用ソフト『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』を知っている方から『あるある~』をいただけております」

――一年戦争の話になりますが、終局に差し掛かった12月はイベントが目白押しです。

「『ああ~、そういえば12月はコンスコンが12機(TV盤では6機の“おかわり”が入って18機)ものリック・ドムを全滅されて憤死した月だな~』とか思い出す人は極少数でしょうが、12月といえば『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』を連想する方が多いんじゃないでしょうか」

――サンタのダミーバルーンを使ったバーニィ(バーナード・ワイズマン)の奮戦が印象的です。

「最高にキマッたMS達が最高の作画で大暴れする一方で、悲劇的なストーリーも魅力です。久しぶりに見たくなった方、まだ未視聴の方、12月を1人で過ごされる方は酒でも飲みながら視聴しましょう。自分も1人で見て泣きます」

■クソ雑学その2:MS12機を失ったコンスコンを“無能”と判断するのは間違い?

――一年戦争に話は戻ります。コンスコン隊が撃破されたのが12月5日(or 6日)とされていますね。コンスコン隊の撃破を“逆の視点”に置き換えた「クソ解説」(※ガンキャノン12機に、ゲルググ1機・リック・ドム2機で挑む)は大変わかりやすかったです。反響はいかがでしたか?

「コンスコン隊は何回か取り上げていますが、毎回さまざまな反響をいただきます。戦艦を含めたMS部隊があっという間に全滅する様子は、ホワイトベース隊視点だと爽快な話ですが、コンスコン視点だと変な声が出そうな話ですからね」

――コンスコンはホワイトベース隊にあっさり撃破されてしまったため無能と思われがちですが、昨今は有能だった、という見方もあります。

※(下記のクソ解説はガンダムクソ解説bot個人の見解であり、機動戦士ガンダムのオフィシャルとは何の関係もありません)
「劇中の描写でコンスコンは『戦闘前に大口を叩き』『戦闘開始後またたく間に全MSを喪失し』『情けない姿を晒す』という完璧な“かませ犬”を演じたために多くの視聴者から“笑える話”として語られてきました。初代ガンダムをあまり知らない人でも、このシーンだけ知っている人も多いかもしれません。しかし、近年では違った視点でも語られてきているので、それらを3つのポイントに分けて解説したいと思います」

【1】指揮官として優秀なドズルの信頼を受けている

「ドズル・ザビの配下で独自の艦隊を任されているというのは、実は大変な実力者です。というのもドズルはジオンきっての猛将で、政治・策謀に関して他の兄弟に及ばぬものの、こと戦闘においてはジオンで右に出るものなしの名司令官として描かれています。場合によっては自らMSに乗り込み前線へ出る程の超現場主義で、基本的にゴマすりが通じるような人物ではなく、当然配下も実力を第一に固めています。ソロモン攻略戦では地球連邦軍の兵器や物量の前に敗北しましたが、ティアンム中将やスレッガー・ロウ等、連邦軍側にも決して軽視できない損害を与えていますし、彼の逃がした娘のミネバ・ラオ・ザビがその後どういった人生を歩むのかご存知の方も多いでしょう。

そんなドズルが艦隊を任せる程に信用しているということは、コンスコンに相応の実力があったと考えられます。また、ドズルはシャア・アズナブルやキシリア・ザビに手柄を立てさせたくない思いからコンスコン艦隊をホワイトベースに差し向ける判断を下していますが、戦闘に人一倍敏感な彼ならば、ホワイトベース隊がジオンの名だたるエース達を撃破してきた事実から、その戦闘力を評価しているはずです。そこへ勝てると見込んでコンスコンを送り込んだからには相当の期待があったことでしょう」

【2】戦力の逐次投入ではなく、MS隊による総攻撃

「ホワイトベース隊(主にアムロ)によってたった3分で12機のドムを全滅させられたことは有名ですが、直掩機を最小限に留め、残る全戦力で一気に潰しにかかったあの戦術は一視聴者の視点で正しかったと思います。まさにドズル中将の『戦いは数だよ兄貴!』の精神ですね。前線に出す機体を小出しにした所でアムロ側にとっては狩りやすくなるだけで、例えホワイトベースの力を知っていたとしても、一縷の望みをかけて全戦力投入以外は手がないでしょう」

【3】ホワイトベース隊の戦力とアムロの「覚醒」

「ホワイトベース隊は当初寄せ集めの人員構成で、個人が偶然持ち合わせた才能や、強力無比な兵器に助けられて未熟さを補う歪な部隊でした。しかしながら宇宙から地上、そして地上から宇宙へ転戦するなかでジオン指折りの精鋭達の猛攻に晒され続け、何度も死線を抜けることで恐ろしい程に練度が煮詰まってきており、不運にもそこにぶち当たったのがコンスコンでした。

ホワイトベース隊は、仮にアムロが欠けていたとしてもカイをはじめとした猛者が並び、更に具合が悪いことに、ただでさえ強いアムロはニュータイプとしての『覚醒』が近づき (後に控えるブラウ・ブロ戦では操縦系統にオーバーヒートを起こしガンダムの限界を超え始める)、ジオン軍側から見ると誰がどう戦っても滅茶苦茶厳しい戦力となっています。

この他、彼の指揮したドム隊は練度もそれなりにあったようで、一部の機体は連携によって一時アムロを幻惑して足止めをする動きを見せる等、新鋭機のリック・ドムを乗りこなしており、かなりの訓練量が伺えるシーンもあるのですが…まあ何にしても相手が悪すぎるんですよね」

――こうして3つのポイントをおさらいすると、コンスコンは熟練兵士が駆るリック・ドムの戦力を集中運用しており、戦術として間違った点は見られません。ただただ相手が悪かったと…。

「まさに、個人的な総評としては『采配がどうこうではなく、強すぎるホワイトベース隊にぶつかってしまった運の悪い人』だと思います。コンスコンやコンスコン隊に関するアナザーストーリーを描いた漫画もあるので、それだけ愛されているキャラとも言えるのかもしれませんね。そういう後付けや妄想も、現実・作中両方で長い歴史のあるガンダムシリーズならではの楽しみ方の1つだと思います」

■クソ雑学その3:意外な手柄が多いカツ・コバヤシはZガンダムの功労者?

――コンスコン以外に、実は有能なのに「無能」と思われているガンダムシリーズにおける可哀そうなキャラはいますか?

「有能とはちょっと違うかもしれませんが、Zガンダムのカツ・コバヤシが該当するかもしれません。カツといえば劇中の人物はおろか視聴者さえも苛立たせる言動や行動が多く、漫画・ゲーム(特にスーパーロボット大戦)等での出演時も大抵はお荷物的な扱いを受けています。ですが劇中ではアムロを説得してカラバ入りさせるという大きな手柄があり、またカツがいなければカミーユ・ビダンが戦死していたであろうシーンもある等、不愉快さを払拭しきれてはいないものの、ちょくちょく重要な仕事をこなしています。それでも世代を超えて多くの視聴者に嫌われ・弄られの代名詞となっているのは、『Zガンダム』という作品を“時代を超えた名作”にしている一種のスパイスなのかもしれませんね」

取材協力:ガンダムクソ解説botさん

■Twitter
ガンダムクソ解説bot(@kusokaisetu)
クソ解説チーム職員(@KusoShockIn)

(C)創通・サンライズ

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