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濱田岳・水川あさみ「罵倒の根底に愛がある!」 映画『喜劇 愛妻物語』

  • 2020年9月12日
  • Walkerplus

結婚10年目の倦怠期、セックスレス。ダメダメ夫と、夫にいら立ちを抑えられない毒舌妻の日常を描いた新感覚の家族映画『喜劇 愛妻物語』が9月11日に公開。笑って泣けて身につまされる?そんなリアルな夫婦生活を描いた今作。

なんとしても妻とイチャイチャしたいというダメ夫・豪太役の濱田岳さん、恐妻・チカ役の水川あさみさんに、撮影中の裏話や役作りについてインタビューを行った。

■誰が見てもダメ夫の豪太。僕が彼を好きになってあげなければと思った(濱田)

結婚して10年、うだつのあがらない脚本家の豪太が新作を書くために、恐妻のチカ、娘のアキとともに香川県へ旅に出ることに。妻とはセックスレス、年収50万円の夫を抱えながら自ら日々働き子育てをするときめきを忘れてしまったチカは、いやいや旅に参加するが、そこでもダメな出来事が立て続けに起こり、夫に愛想をつかすことばかり。豪太は豪太で妻とのセックスレスに意識が向かい、溝は深まるばかりで…。果たして2人の行く末は?

ダメ夫を演じた濱田さんは、「台本を読んだとき、なんともパンチのある夫婦だなと。でも、これだけ毎日けんかをしても、離婚届を出しに行くような2人には思えなかったんです。こういう夫婦が不幸だと決めつけるのは違うなと。だから、役作りの最初として、誰が見てもダメ男の豪太をまずは僕が好きになってあげるという作業をしなきゃと思いました。豪太の魅力は生きていく図太さ。それは人としての魅力だなと思い撮影にのぞみました」。

水川さんは「監督夫婦がモデルになっていることと、豪太役が岳君だったので安心して撮影に挑めました。感情的な役なので、つじつまがあってなかったり、昔の話を持ち出してきたりする女性ならではの感覚がたくさんあって、セリフをかまないように心がけましたね。家でのシーンは監督の実際のお宅で撮影しているし、脚本は奥さんと監督がかけあいをしながら作られているので、信頼して演じられました」。

今作は、足立紳監督が約9年前に「さぬき映画祭」のプロットコンペに応募するために書いた脚本を映画化したもの。香川県を舞台にしたものならOKという条件だったため、監督は映画と同じく夫婦で香川にロケハンにでかけた。その時のエピソードがいかされ、小豆島や屋島など風光明媚な場所も続々登場している。

水川さんは「チカ役を演じるために増量しなくてはいけなかったんですが、一生懸命食べていたにもかかわらずなかなか増えないなと思いながら香川へ行って、おいしいおうどんをたくさん食べてたら、みるみるいい感じに太っていきました。大好きなおうどんを好きなだけ食べられて一石二鳥でしたね(笑)。あと、小豆島は海がとてもきれいだった。ポスターを撮影したのも小豆島です」と香川ロケの印象を教えてくれた。

■脚本には芝居じゃなく日常に近い感覚が描かれている瞬間があった(水川)
 
「自分で書いた人でしか説明できないインパクトのあるシーンがたくさんあったよね」と濱田さん。なかでも、「最後の最後で家族がばらばらになるんじゃないかというクライマックスのシーンで、演出について監督に質問したら“ただこの危機的状況をうやむやに、丸め込もうとしています”と言われて衝撃を受けた(笑)」と言うと、水川さんは「怒っているときに“ビール取って”というセリフで、テンション高く私が言うと“そこは怒らないで”と。夫婦って、どんなに激しくけんかをしていても、次の瞬間には一緒に食卓を囲むわけで、確かに普通のテンションになるよね、と納得しました。芝居じゃない、日常に近い感覚が描かれているんだなと、大きなヒントになりました」と振り返った。

■チカちゃんにもてたいから働くんだと思う(濱田)、見えない2人の信頼関係が2人に張り巡らされている(水川)

けんかが絶えない2人の香川の旅は、掛け違いが連発。徹底的にかみ合わない2人について演じていく中で、それぞれが感じたこととは?

「豪太はチカちゃんにもてたいから働いているんだと思うんですよ。セックスレスなのでいちゃいちゃしたいという点も、冒頭からあけすけに説明している男なのですが、朝から晩までチカちゃんにしかられているからこそ、仕事をどうにかしようとしている気がしますね」と濱田さん。

水川さんは「回想シーンでは、チカが豪太の才能や自分が持っていないところを尊敬している印象が深い。だから、仕事など、ここだけはがんばってくれたらほかはどうでもいいんだけど、そこをがんばらないから腹が立つわけですよね。年数を重ねていろんなものがどんどんねじれてしまい、一番大切にしていたものが隠れてしまった。でも、チカにとっては、そこはすごく大事で重要だと思っているし、愛情もある。だからこそ、クライマックスの川沿いでのシーンにつながるんだと思うんです。結果的に、うまく丸め込まれてしまうんだけど(笑)。

実はこの夫婦、チカが操っているように見えるけど、実際は豪太が操っている気がしています。それがすごく腹もたつけれど(笑)、でも、そういう見えない細い信頼関係がいっぱい2人には張り巡らされているんですよね。だから離婚は絶対しないと思います」と役どころの心情を語った。

■続編があったら夫婦漫才ですね(濱田)

続編もありえるのでは?という質問に、水川さんは「そんな夢のような話があるならぜひやってみたい。おもしろいエピソードをご夫婦でもってらっしゃるので、監督はいくらでもネタはあるとおっしゃってたし」と語ると、濱田さんは「夫婦漫才をするという話もあるんですよ(笑)。それは絶対やってみたいなと思ってます」とも。

■僕らのドタバタ喜劇を大いに笑って、映画館へ戻るきかっけにしてほしい(濱田)
 
いまだに映画館への足が遠のいている観客も多いなかで公開されるこの作品。自粛生活のなかで物語の2人に似たような関係になっている人たちもいるのでは。

「そうですね。おうちの中で我慢する時期があって、ストレスもあったと思う。だからこそ、この作品に共感くださる方も多いと思う。僕らを見て大いに笑って、映画館へ戻るリハビリにするにはいい映画だと思っています。ぜひ2、3軒となりの夫婦をのぞき見している感覚で笑ってください」と濱田さん。

水川さんは「自粛があけて、私も映画館へ行ったとき、ひとつの映画をみて観客みんなで感動したり共感したりする、映画館ってすごい空間なんだなとグッと来たんです。観に来ていただける方には思う存分笑っていただいて、映画の楽しみを再認識していただきたいですね」。

ドタバタ夫婦にいきつく先は果たして…。2人の日常と決断を、ぜひ劇場で!

映画『喜劇 愛妻物語』は、9月11日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国ロードショー!
(C)2020「喜劇 愛妻物語」製作委員会

取材・文=田村のりこ

■映画『喜劇 愛妻物語』
濱田岳 水川あさみ 新津ちせ
大久保佳代子 坂田聡 宇野祥平 黒田大輔 冨手麻妙 河合優実
夏帆 ふせえり 光石研
脚本・監督:足立紳
原作:足立紳「喜劇 愛妻物語」(幻冬舎文庫)
製作:『喜劇 愛妻物語』製作委員会/制作プロダクション:AOI Pro.
配給:キュー・テック/バンダイナムコアーツ 
2019/日本/カラー/アメリカンビスタ/117分/PG-12

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