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「猫の為に田舎に家建てて人生変わっちゃった」。人生観を180度変えた、7匹の元野良猫たちとの出会い

  • 2020年9月5日
  • Walkerplus

「猫の為に田舎に家建てて人生変わっちゃった」。7匹の元野良猫と共に暮らすふくてんさん(@zEChPHPqG2t32nT)のTwitterプロフィールには、何とも気になる一文が記されている。さまざまなバックグラウンドを持つ猫を家族に迎え、その出会いを通して自身の生活や人生観が180度変わり、さらには猫たちにとって最高の環境を作るべく、猫目線で設計したマイハウスまで建ててしまう。今回は、そんな珍しい経験を持つふくてんさんにインタビューし、これまでの猫たちとのストーリーを振り返ってもらった。

――まずは7匹の猫たちについて、お迎えした順に簡単なプロフィールを教えてください。

「最初に我が家にやってきたのは、おしりにある大きなハートマークがチャームポイントのジニア(5歳・♀)と、その見た目とあまり動かないところが“リアル招き猫”のようなカンナ(5歳・♀)。2匹は姉妹で、ジニアは私が一番信頼を寄せている長女です。次に我が家のボスで、猫なのに“ワンワン”と鳴くミレット(3歳・♂)。『スッキリ』(日本テレビ)など、さまざまなメディアにも出演しました。その後が、寛大な性格&子煩悩なイクメンで、“結婚したい猫ナンバーワン”な侘助(2歳・♂)。あざみとホップ(後述)の育ての父です」

「そして、家族にもゲストにも変わりなく接してくれる、社交的なホップ(1歳・♂)と、家中の猫たちから愛される天性の小悪魔ガールのあざみ(1歳・♀)。最後に、人間大好き&猪突猛進な性格の末っ子・金柑(1歳・♀)。重度の猫ヘルペスによって、子猫時代に2度、ひん死の状態に陥ったそうです。片目の白濁と頭の震えが後遺症として残ってますが、それは金柑のチャームポイントだと思っています」

――全員が元野良猫とのことですが、警戒心が強い子や病気・ケガのある子が多かったり、病院での検査が必要だったりと、共に暮らすのは容易ではないと思います。野良猫を引き取ろうと思ったきっかけはあるのでしょうか?

「そもそも私は、もともと猫が好きなわけではありませんでした。実家で飼っていた犬を亡くして以来、動物と暮らすことはもう無いとさえ思っていたんです。ですが、今から約8年前、ボロボロの子猫を父が拾ってきました。母は大反対でしたが、私は一目惚れで、『この子をピカピカにかわいくしたい!』と思い、初めて猫と暮らすことに。ネム(8歳・♀)と名付け、3年間一緒に暮らすなかで、猫がいる日々の素晴らしさを教えてもらいました」

――ネムちゃんとの出会いが、今のふくてんさんにつながっているんですね。その後、7匹の野良猫たちを引き取った経緯は?

「実家を出て、ペット飼育可アパートで暮らし始めて3カ月後、地元の保護団体が開催する譲渡会へ行きました。三毛猫の姉妹が気になって話を聞いてみると、生まれてすぐに捨てられ、殺処分寸前の所を保護団体の方が助け出して育てたそうです。それが、ジニア&カンナ。一気に私は2匹の里親になり、戸惑うことも多かったですが、かわいさ2倍、癒やしも2倍。最高の暮らしです(笑)!」

「ジニア&カンナを引き取って2年経った頃、 職場のご近所の方から、『子猫を保護したけれど扱い方がわからずに困っている』と相談を受けました。母猫は車に轢かれ、亡くなっていたそうです。それがのちのミレットです。そうして我が家は3匹になりました」

「それから1年後、私の働く園芸店『わたなべ花壇』のビニールハウスに、2匹の子猫を連れた母猫が現れ始めました。 そのうちの1匹が、のちの侘助です。侘助は家族で暮らしていましたが、寄生虫が原因で下痢と脱水症状を起こし、衰弱してしまいました。弱っている状態で外に戻すこともできないので、お店で療養させることに。すっかり体調も戻った頃には私も情が湧いてしまい、侘助を家に迎える決意をしました。母猫は避妊手術を受けて、今も花苗の生産農場で自由気ままに暮らしています。兄弟猫は里親さんにもらわれていきました」

――3年間で4匹も!その後、ホップくんとあざみちゃん、金柑ちゃんとさらに家族が増え、それに伴い、アパートから持ち家へと住居を移したそうですね。

「4匹になったタイミングで賃貸アパートでの生活に限界を感じ、猫のために家を建てる決意をしました!『家の完成まであと少し』という頃、アパートの駐車場に2匹の子猫が。ガリガリに痩せこけていてお腹を空かせ、人や車にまでかけ寄っていました。人に慣れている様子だったので、捨てられたんだと思います。『これ以上は無理!』と葛藤しましたが、今保護しなければ車に轢かれると思い、ホップ&あざみ兄妹を保護しました。引っ越しまで残り2カ月のところで保護したので、2匹はかなりの強運の持ち主ですね」

「そして今年2月、新メンバーの金柑が加わりました。我が家はすでに6匹の大所帯、正直、これ以上は迎えることはできないと思っていましたが、どうしても放っておけませんでした。生後直後に捨てられたこと、過去2回ひん死の状態に陥ったこと、そしてその後遺症が残っていること。ハンデを抱えた金柑は、一般的な譲渡対象としては厳しいだろうと判断し、悩み抜いてお迎えすることに決めました」

――そんな猫たちとの暮らしのために建てたのが今のご自宅ですが、どういった点で“猫のための家”なのでしょうか?

「まず、猫のために見晴らしのいい立地を選びました。隣接した家の無い最高のロケーションは、来客された方みなさんに驚かれます。眺めの良い窓を増やし、“ニャルソック(窓辺から自宅周辺を警備しているような猫の様子のこと)”で楽しんでもらえる設計にしました。キャットウォークは頼むと高いからDIY、また、爪とぎで家の中が荒れないように、爪とぎ防止パネルも設置しました」

――家を建てるにあたって、大変だったことはありますか?

「ハウスメーカーとの話し合いですかね(笑)。猫目線で設計図の中を、何度も何度も何度も何度も何度も何度も脳内シミュレーションで歩きました。猫のための家ですから、猫にとって最高の環境にしたかったので」

――猫のための家に引っ越したあと、猫たちの様子に変化はありましたか?

「6匹同時の引っ越しは圧巻でした(笑)。2〜3日もすれば新居に慣れて、走り回って遊んでいましたね。あと、うれしい誤算だったのが、田舎なので虫や鳥がやたら多いのですが、窓やベランダにそれらが来るのが猫からしたらたまらないみたいで。ベランダに住み着いているアマガエルを、飽きもせず何時間も猫たちが見つめています(笑)」

――猫たちに囲まれながらのにぎやかな暮らしの中で、楽しいことや幸せだと感じること、またその一方で、大変なことがあれば教えてください。

「7匹との暮らしは、毎日が色鮮やかで最高です。自分の人生に何の期待もしていなかった私ですが、初めて守るべき宝物ができました。猫たちが家の中でそれぞれにくつろいでいる姿を見ると、家を建てる決断をして良かったと心から思えます。大変なことは無いと言えば嘘になりますが…。金柑とジニア&カンナ姉妹の仲がまだ良くなくて、顔を合わせるとケンカになるため、部屋を分けるように心がけています」

――ちなみに、ふくてんさんの勤務先である「わたなべ花壇」にも元野良猫のちびちゃん(6歳・♀)がいるなど、公私ともに“猫まみれ”な夢のような生活を送っているそうですね!

「ちびは、触らせてくれるまでに約1年を要するほど臆病で警戒心の強い猫でしたが、今ではお店の広報部長として人気者です。“おんぶが大好きな猫”としてメディアにも多数出演し、ちびに会いにはるばる遠方からお越しになる方もいらっしゃるほどです」

――「動物と暮らすことはもう無い」と考えていたという数年前から比べると、すべてが一変されました。そのほかにご自身の中での変化はありましたか?

「10年前の私が今の生活を知ったら、ビックリ仰天で失神すると思います(笑)。遊ぶことや飲み歩くことが好きだった私が、自分の為に散財していたお金を今では猫たちの為に使うようになりました。信じられない変化ですが、今のほうが何倍も充実した日々を過ごしています」

ふくてんさんの愛ある行動によって野良猫たちの運命が変わり、また、猫たちによってふくてんさんの人生が変わる。そんな特別な縁で結ばれた家族の愉快な日々を、ふくてんさんのTwitterを通してのぞいてみよう。

取材協力:ふくてん(@zEChPHPqG2t32nT)

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