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今こそ注目したい、”花のある暮らし”。生け花でもフラワーデザインでもない、新たな花の楽しみ方とは?

  • 2020年8月29日
  • Walkerplus

新型コロナウイルスの影響でまだまだ不安な状況が続いているが、あなたはどんなものに癒やしを求めているだろうか。食事にこだわる、読書を楽しむなど、さまざまな手段があるなかで今回提案したいのが”花のある暮らし”。インスタグラムをギャラリーとして発信を行っている、季節花人さん(@kisetsu_kajin)は、現代の日本人の感覚に合うようなシンプルな飾り方が反響を呼び、2.8万人ものファンを持つ。

■花の持つ力に救われた過去
ーーまずは、花との出合いについて教えてください。
【季節花人さん】会社員だった20代のころ、私は強いストレスを感じる日々を過ごしていました。そんなある日、東京の露店の生花店でたまたま見かけた花を購入してみたんです。そこから花に興味を持ったのですが、生け花の本を見ても生け方がよくわからなかったので、自宅近くの生け花教室の門を叩いたんです。その後、海外のフラワーデザインも同時に学ぶようになり、どんどん花の世界がおもしろくなっていきました。それから将来”花の先生”になるべく、流通も学んでおいた方がいいと思い、フローリスト(生花店で働く人)に転身しました。

ーー偶然の出合いが、人生を大きく変えたのですね。現在のようにインスタグラムで発信を始めたのは、なぜでしょうか?
【季節花人さん】フローリストを経験してから、コンテストへの出品なども行っていましたが、自分が花を通して伝えたいことはコンテストでは表現できないと思ったんです。私にとって花は、デザインを完成させるための材料ではなく、生活の一部として人々に楽しんでいただくべきものなので。また、多くの人々に季節の花を感じて、それぞれのよさや扱い方、特徴を知っていただきたかったんです。しかし当初はそういう発信をしている人がおらず、一般的に受け入れてもらえるのかわからなかったので、インスタグラムを使って世の中に聞いてみようと思いました。

■生け花でもフラワーデザインでもない、新たな花のあり方
ーー「季節花人」として発信する作品全体には、どんな思いが込められているのでしょうか?
【季節花人さん】古来から日本人が持っている”間”や”空間”の感覚を通して、季節花をシンプルに見せることにより、”一期一会の花の美しさ”を伝えたいと思っています。また、花を通して日本特有の豊かな季節を感じ、知ってもらうきっかけを作りたいです。というのも、栽培技術の発達や輸入花の増加により”裏の季節”の花も生花店に並ぶようになっていますよね。便利ですが、個人的には少し残念な感じもするので。

ーーインスタグラムを拝見し、季節花人さんの作品づくりに”新しさ”を感じました。その点で意識されていることはありますか?
【季節花人さん】「生け花でもフラワーデザインでもない」というところは、新しいかと思います。もちろん、生け花にもフラワーデザインにもそれぞれいいところがあります。しかし、現代の日本の住環境において、生け花作品を生かせる床の間はなくなっています。また、花をふんだんに使う西洋のフラワーデザインは、継続的に家の中に飾ることを考えると、どこか日本人の感覚と合わないのではないかと思います。インテリアにおいて和モダンが好まれているのも同じ理由なのではないでしょうか。現代の住環境に合わせてシンプルに飾ることは、常に意識しています。

■おうち時間に、花を楽しむコツ
ーー最近では新型コロナウイルスの感染拡大が大きな問題となっていますが、どんな影響がありましたか?
【季節花人さん】コロナ禍の4、5月はインスタグラムのいいね数が増えました。皆さん癒しを求めているのだなと思いましたね。かつて私も助けられたように、花のある暮らしは”心の安らぎ”を与えてくれます。しかし、どんなものに”心の安らぎ”を感じるかは人によってさまざまです。また、花を飾ること、楽しむことが一過性のものでなく、継続性を持つものであってほしいので、コロナ禍でも引き続き無理せず、淡々と発信していきます。

ーーおうちで簡単に花を楽しむコツはありますか?
【季節花人さん】たとえば花瓶を持っていない人なら、グラスや水を溜められる生活道具を使って生けてみるのはどうでしょうか。まずはお庭にある花でも少しずつ飾ることから始めて、経験値を増やし、花選び、花瓶選びや生け方、デザインにも興味を持っていただければと思います。

ーーでは最後に、今後の目標を教えてください。
【季節花人さん】生活の中で、生花をもっと楽しんでいただくためのきっかけを作ることです。切り花は香りや触感という感覚をも刺激する”生き物”であり、それを愛で、枯れるまで共にするという”時間”を味わっていただきたいんです。その時間を愉しむ余裕も、スピードを求められる世の中だからこそ必要だと思います。私が発表しているのデジタル作品ですが、実際に生花を手にするきっかけになれればと思っています。

季節花人さんが提案するのは、既存のイメージとはひと味違う”花のある暮らし”。これまで花になじみがなかった人も、インスタグラムという身近なツールを使って、新しい世界を覗いてみてはいかがだろうか。

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