四国新幹線実現に向けての機運醸成を目的としたシンポジウムが4月23日、高松商工会議所(高松市番町2)で開かれた。(高松経済新聞)
講演する中川さん
香川の経済界を中心に130人が参加。2部に分かれ、1部では富山大学特別研究教授・中川大さんによる基調講演、2部では「まちに新幹線が通るとどうなる?−地域の仕事・暮らし・交流の未来」をテーマにパネルディスカッションを展開した。中川さんのほか、高松市副市長の中林大典さん、四国新幹線整備促進期成会会長の長井啓介さん、高松商工会議所副会頭・間島賢治さん、香川経済同友会・代表幹事の松村英幹さんが登壇し、移動時間の短縮や交流人口の増加による消費拡大などの効果について話し合った。
「場当たり的な計画によって日本の高速鉄道の整備は世界的に見て大きく遅れている」と話す中川さん。1970(昭和45)年に交付された「全国新幹線鉄道整備法」を基に「『新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り』と第1条にあるにもかかわらず、日本には現在も地方では新幹線の空白地帯があり、特に四国は日本列島の4島の中で唯一新幹線が通っていない」と力を込める。
「四国は日本全体の鉄道の近代化の遅れの影響を大きく受け、高速道路の発達により鉄道の競争力が低下している一方で、多くの都市が幹線鉄道に沿って立地した鉄道には有利な地理的条件があり、在来鉄道としては世界有数の活力がある。北海道新幹線の札幌開業など他の新幹線整備計画が停滞している今が実現のチャンス。新幹線の未着工区間の先頭として今こそ行動すべき」とも。