バリ人画家イ・ワヤン・シーラさんの作品展「Harmony(ハーモニー)」が5月23日、ギャラリー自由が丘(世田谷区奥沢5、TEL 03-6715-6551)で始まる。(自由が丘経済新聞)
イ・ワヤン・シーラさんの作品「紫陽花(あじさい)」
シーラさんはインドネシア・バリ島ウブド生まれ。バリ島で有名な画家の祖父を持ち、竹ペンと竹筆を使うバリ島の古典絵画技法で幼い頃から絵を描き始めた。子どものための絵本の挿絵でフクロウを描いたのをきっかけに、「フクロウ」をモチーフにした独自の世界観で自然を描く、現在のスタイルにたどり着いた。
シーラさんの作品は、柔らかな優しい色合いが特徴。手作りの竹ペンで墨を使って輪郭を描き、次に薄く溶いた墨と水を漬けた2本の筆を持って輪郭をなぞって墨絵のような下絵を作る。そこに薄めたアクリル絵の具で何回も彩色を重ね、仕上げに光と影の部分を竹の繊維を石でつぶして作った竹筆で描き込んでいくという。
日本での個展は今年で28年目を迎える。今回は、「調和」をテーマに描いた新作のアクリルキャンバス原画20点、ジクレー(デジタル版画)作品16点を展示する。
シーラさんは「光の優しさと穏やかな時間、心の色と自然の色が交差する、静かな優しい光を描いた。豊かな自然と共に暮らし、地球に住む人々そして生き物たちの息づかいに心を向けてもらえたら」と話す。
開催時間は11時~19時(最終日は16時まで)。入場無料。作品は一部を除いて販売する。会期中はシーラさんが在廊予定。今月29日まで。