秩父・太田に不登校の子どもを支える「みんなの学び舎るぴなす」

  • 2025年5月21日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 不登校児童・生徒の自立支援を目的とした新たな拠点「みんなの学び舎 るぴなす」(秩父市太田、TEL 0494-26-6230)が6月2日にオープンする。(秩父経済新聞)

 るぴなす代表理事の今井さん

 「学校に行きづらい子どもたちが社会とつながりながら自立するための支援を行うこと」を目的に、同名のNPO法人が設立する同施設。学習支援のほか、自然環境を生かした体験活動や地域の高齢者との交流、生涯学習支援などを通じ、「子どもがそれぞれの個性や特性を生かしながら学び、自分らしい未来を描けるよう」支援する。

 教科学習や体験活動を支援するスタッフは元教員や心理カウンセラーなど各専門分野の30人で、全てボランティア。体験活動は野菜・果物・花の栽培や収穫、木工などのものづくりのほか、地域に住むさまざまな技術を持った人を招き、ワークショップや講演などを開く予定。

 同NPO代表理事の今井進さんは教員を定年退職後、不登校の子どもを支援する教育支援センターで勤務した経歴を持つ。「定年退職とコロナ禍の時期が重なり、今後のことを考えるうち、地域に何か恩返しをしたいと思い立った。それから春と秋に地域の小・中学校、幼稚園に花の苗を贈る活動や地域の休耕地に花の種をまく活動を一人で始めたところ、次第に賛同してくれる人が増えた。『花咲かせたい』という名前で『子どもが笑顔になる種をまく』をキャッチフレーズにボランティア活動を続け、活動が5年になる頃に父が亡くなった。残された空き家を、子どもたちのために活用しようと思った」と施設立ち上げまでを振り返る。

 元養蚕農家を改装した施設は梁(はり)をそのまま残し、天井を高く設計。学習室、事務室、多目的ホールを設け、外にはルピナスの咲く庭、野菜や果物の栽培体験ができる畑も備える。「まず子どもたちが安心して過ごせて、笑顔を取り戻し、やりたいことが見つかることを目標に活動していければ。ボランティアで支援するスタッフ側も、子どもたちから元気をもらったり、生きる張り合いをもらったりと得るものは大きい。私自身、準備をしながら『あれもやりたい、これもやりたい』と、明日何をしようかとワクワクしながら眠りにつく」と今井さんは話す。

 施設利用は月曜~金曜の9時~16時。施設利用対象は秩父郡市内在住の小・中学生で、利用料は1日300円(1カ月の上限5,000円)。5月19日から、見学、相談、入所申し込みに応じている。

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