関西奄美会のメンバーと、地元小中高生らによるミュージカル「えらぶ百合物語」出演者・関係者との懇親会が4月27日、沖永良部島のフローラル館(知名町知名)で開かれた。(奄美群島南三島経済新聞)
えらぶ百合物語の踊り
当日は出演者が踊りを披露し、出席者から盛大な拍手が送られた。島外で2度目の開催となる5月4日の関西公演を前に、同会の先山和子会長から激励の言葉が贈られた。
同ミュージカルは2011(平成23)年に知名町の文化事業として始まり、5年間の休止期間を経て、2021年から保護者など関係者らによる後援会「百合の会」が主催する形で開催している。昨年9月に初の関西公演が決まって以来、百合の会と出演者らは島内外でチケットの販売やカンパで開催資金を募ってきた。開催から約1カ月前の3月31日、日本芸術文化振興会の「令和7年度芸術文化振興基金及び文化芸術振興費補助金」の対象事業になることが決まった。
関西奄美会は関西に住む奄美群島出身者の親睦を目的として1916(大正5)年に設立された団体で、近年は親が出身者である「2世」も活躍しているという。昨年6月には沖永良部島出身の先山和子さんが会長に就任。えらぶ百合物語は、先山会長が来島中に稽古を見学したことを縁に、今年3月に兵庫県尼崎市で開かれた総会に劇団メンバーを招待し、さらに親睦を深めた。今回の懇親会は、関西奄美会のメンバーが沖永良部島と与論島を巡るツアーの企画として開かれた。
百合の会事務局の長野久美さんは「皆さんの支援のおかげで、故郷の島との架け橋になろうと頑張っていらっしゃる先山会長と関西奄美会の皆さんに、これまでの何倍も感動していただける舞台が実現する。関西に住んでいる島の皆さんは、大切な方と見に来てほしい」と呼びかける。
出演者で沖永良部高校2年の長野咲恵さんは「島を離れていても島を思い続けてくださる方がいることにとても感動した。関西公演では、思う存分島を感じてもらえるよう、島の子どもたちを誇らしく思ってもらえるよう頑張りたい」と意気込む。
先山さんは「沖永良部島から毎年300球のエラブユリの球根を送ってもらっており、約25年間にわたり尼崎市内で花を咲かせている。今回のミュージカルは物語を通してエラブユリの歴史も学べる素晴らしい機会」と期待を込める。
関西公演の会場は兵庫県立芸術文化センター阪急(兵庫県西宮市)中ホール。昼公演=12時30分開場・13時開演、夜公演=17時30分開場、18時開演。チケットは3,000円。