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箸から始める食育“My箸”から、スタートしよう

  • 2005年10月1日

考えてみよう、箸と環境のこと

 普段外食する時に、何気なく使っている割り箸。この割り箸を作るために、どれだけの木材が消費されているのだろう、と考えたことがありますか。

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 かつて、割り箸を使わずに済ませれば森林の保護につながるのでは、という考えから、割り箸を使うのをやめよう、という声が起こったことがあります。その際、割り箸に使うのは間伐材だから、割り箸を作らなくても森林の保護にはつながらないのだ、という反対世論もあり、大きなムーヴメントには至りませんでした。
 では、割り箸をもったいない、と感じた人たちは、単に考えの浅い人たちだったのでしょうか。私たちは決してそうは思いません。使い捨ての割り箸をもったいないと感じるのは、森林保護を考える人にとって、またものを大切にする人にとって、ごく当たり前な感覚です。間伐材が割り箸に使われなくなれば、その他の用途に回せるかもしれません。割り箸づくりという伝統産業の保護も大切かも知れませんが、他の利用法への転換の手立ては充分に模索されたのでしょうか。まだまだ議論の余地がありそうです。
 また、ものを大切にする心を育む、それだけのために、割り箸を使わないという立場も成立するでしょう。
 NPOローハスクラブでは、割り箸廃止論には上記のような賛否両論があることを承知の上で、敢えて“My箸”キャンペーンを提唱しています。割り箸を使わないようにするため、自分の箸を常に持ち歩こう、というものです。それが直ちに森林の減少に歯止めをかけるかどうかは別として、使い捨て文明と便利さ追求一辺倒の風潮に一石を投じ、ものを大切にする意識を高めるきっかけになれば、それだけでも大きな意義があると考えるからです。

 

箸を持てない人が増えている

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 また、“My箸”キャンペーンは、環境だけでなく、日本文化を守るための入り口でもあります。
 近年、箸の正しい持ち方を知らない日本人が、恐ろしいほど増えています。その数は大人でも半数近く、小学生にいたっては8割と言われています。箸にまつわる文化は、日本文化の粋と言っても過言ではなく、この現状は大変嘆かわしいことです。「食」の荒廃が叫ばれる昨今の日本の現状を象徴する数字といってもよいでしょう。

 

“My箸”は日本人だけの発想

 日本人は一般的に、家庭の中で自分の箸を決めて、いつもそれを使うという習慣を持っています。箸の文化圏は、中国、朝鮮、韓国、ベトナム、タイ、モンゴルと、アジア一帯に広がっていますが、その中で「自分の箸」を決めて使うのは、日本だけのようです。この日本独特の習慣である「自分の箸」をさらに家の外にまで発展させようというのが、“My箸”キャンペーンです。自分の箸を強く意識することは、日本人としてのアイデンティティーを再確認することとも言えます。

箸使いは食のマナーの基本

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 日本人は箸を使うとそこに本人の霊が宿ると考えてきました。それが自分の箸を決めて使うという習慣につながっています。日本人の人生は箸に始まり、箸に終わると言うこともできます。つまり、生後間もなく、お喰い初めの儀式で箸を使い、亡くなった後の葬儀では箸を使ってお骨を拾います。また、亡くなった人へのお供えのご飯には、その人のお箸を立てます。箸はそれほど日本人の精神世界にとって重要なものでした。そもそも日本人が割り箸を使い捨てにしてきたことの背景には、自分の霊が宿った箸を折って壊し、魂を自分に取り戻すという意味もありました。箸に関心を持つことは、そうした歴史を見直し、日本文化の奥深さにも触れることでもあります。

 

箸使いは食のマナーの基本

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 日本には「迷い箸」「渡し箸」など、やってはいけない箸の使い方を指すさまざまな言葉があります。箸の使い方にことよせて、食事時のさまざまな作法を教えたものです。箸の持ち方、使い方は、日本人にとっての、食のマナーの基本です。“My箸”を持ち歩き、箸への愛着が湧いてきたら、自然に美しい持ち方や使い方にも関心が湧いてくるでしょう。そうして若い世代の間にも箸の正しい持ち方が普及し、食のマナーが改善していくことを願っています。

 

工芸品としての箸

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 日本で使われる箸の代表的な素材は漆です。漆は英語でJapan。つまり日本を代表する工芸であると、世界が認めていることを意味します。“My箸”を持ち歩こう、と決めたら、この機会にお気に入りの箸を購入してはどうでしょうか。工芸品としての箸の美しさ、その裏にある日本の伝統技術などを見直す機会にもつながります。今は美しい箸袋も売っています。箸箱の代わりに箸袋を使えば、箸がかばんの中でカタカタと鳴る気恥ずかしさもありません。

 あなたも“My箸”を持ち歩き、外食に使ってみませんか。そして不思議がるお友達に、あなたの考えを伝えてみてはどうでしょう。反対意見のお友達がいてもいいではありませんか。そんな話題がテーブルにのぼるだけでも意義があるというものです。なぜなら別のお友達にとっては、考えたこともなかった話題を初めて耳にするチャンスかもしれないのですから。あなたが起こす小さな行動から、食育の輪が、環境保護の輪が、日本中へ広がることでしょう。

 

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