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(NY)vol.1 New Yorkに進出し、ニューヨーカーの圧倒的な支持を得たホールフーズマーケット。
その戦略とニューヨーカーの食事情を探る。

  • 2005年8月1日

25年間で食品スーパーマーケットとして4700億円の売上げを達成、LOHAS志向のスーパーとして圧倒的な消費者の支持を受けているWhole Foods Market

プロデユ—ス売り場
プロデユ—ス売り場は、オーガニック野菜がぎっしりと。

 念願のニューヨークに進出し、ここでも厳しい競争の中、ニューヨーカーにすっかりとけ込み、ニューヨーカーのライフスタイルをかえる勢いである。その成長の数字を見てみよう。売上げ高47億ドル(約4700億円)店舗数180店舗、従業員4万人、成長率前年比平均20パーセント、フォーチュン500中478位、全米小売業ランキング60位、平均店舗面積5000平方メートル、自然食品店では売上げ高全米1位、おそらく世界1かも知れない。テキサス州オースチン市にちょうど25年前に誕生したWhole Foods Market(WHM)の現在の姿である。

 WFMの創業は Safer Way Natural Foods のオーナーであったJohn MackeyとRenee LawsonそれにClarksville Natural Grocery のオーナーであったCraig Weller とMark Skilerの4人の人々によって自然食品の発展と、従来の小規模な個人店から自然食品大型店の到来を予測し1980年にスタッフ19人という規模で発足した。

買収と吸収で成長軌道を築く

Whole Foods

 WFMの成長の歴史は単に売上げを伸ばし、店舗を増やすという戦略ではなく、既存の専門店、自然食マーケットを吸収、合併することで急成長を成し遂げてきた。その第一番目は、南部ニューオルリンズ市で健康増進に寄与する食べ物、いわゆるWholesome Foodsをテーマにして急成長していたWhole Foods社を1988年に買収している。つづいて、1991年には、ノースキャロライナ州ドラハム市のベジタリアンショップWellspring Groceryを買収。1992年にはマサチューセッツ州のブルックライン市のBread & Circus を、さらに翌年にはウエスト・ロスアンジェルスの自然食店Mrs. Gooch'sを、2年後の05年にはメリーランド州ロックビルに本社をおく、店舗数22店、売上高2億ドルのFresh Fields を買収。Fresh Fieldsはそれ以前の自然食店とは違い、明るい店内と惣菜を豊富に用意した新種のナチュラルストアーとして当時、話題を呼んでいた店でもある。

 WFMの買収、吸収戦略はさらに続く。1995年フロリダ州フォートローダデール市に本部を置く、自然食とレストラン店Bread of Lifeを買収。1997年には、コロラド州ボールダー市のAmrion社を、同年の12月にはデトロイトのワインショップチエーンMerchant of Vino を吸収。グルメコーヒーブームにのって成長していた、ボールダー市のコーヒー専門店のAllegro Coffeeを1997年に翼下に入れている。Allegroのコーヒーブランド名はその後もWFMに受け継がれ、現在も店内で販売されている。同年にはさらにマサチューセッツ州ベッドフォードのNature's Heartland を買収。2000年代に入ってからは、アトランタの巨大マーケットHarry’s Farmers Market、シアトルのSelect Fish、さらに2004には英国への進出足がかりとして、ロンドン近郊にチエーンを展開するFresh & Wildを買収している。

 この様に、WFMの成長の歴史は、特色ある自然食品店の買収、吸収によって進められている。さらに、買収企業の共通点を見てみると、創業が新しく、成長の兆しが見えてきた企業をターゲットにしていると言える。自社が発展するには、まづ成長兆しのある企業を早めに買収し、その要素を巧みに取り入れ、自店を強化し競争相手を育てないという戦略がうかがえる。

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