とにもかくにもケアマネジャーさんに相談を。次はホームページを覗のぞいてみませんか? / (C)稲葉 耕太(くろまめさん)
予約のとれない介護施設『くろまめさん』をご存知ですか?
「介護×田舎暮らし」をコンセプトに、高齢者が昔ながらの生活を取り戻し、心身ともに健やかに過ごせる環境を提供しているとして注目を集めるデイサービスなんです。
そんなくろまめさんを運営する稲葉耕太さんが、介護で起こるさまざまな困りごと、大ピンチの対処法を紹介。稲葉さんの提案する「めっちゃ笑える介護!」を参考に、介護のピンチを解決していってみませんか?
介護サービス多すぎて大混乱
とにもかくにもケアマネジャーさんに相談を。次はホームページを覗のぞいてみませんか?
ご家族に介護が必要になったとき、どんなサービスを選べばいいのか。悩みますよね。ざっと説明しようとするだけでもこれだけのサービスがあります。
・家にいながら介護サービスが受けられる訪問介護
・医療が必要なら訪問看護
・ご本人に外出する意欲や体力があるならば、通所介護サービス(通称…デイサービスやデイケアなど)
・介護者が限界を感じたり、独居のお年寄りで、もはや自宅では生活が困難な方は、さまざまな入居施設(サービス付高齢者向け住宅、サポートハウス、有料老人ホーム、介護老人保健施設、特別養護老人ホームなど)
まずは行政へ相談して、ケアマネジャーさんを紹介してもらうとひと安心です。ケアマネジャーさんは、あなたにどんなサービスが適当か、どんな施設がおすすめか、たくさんのネットワークを駆使して、支えてくれる存在です。
とは言え、自分に合ったサービスは肌で感じてみないとわかりません。ご本人とご家族で、実際にいろいろな施設や事業所を見て回ることが一番の近道。
たいていの施設は、見学や体験は大歓迎です。反対に、それを拒む施設は要注意だと言えるかも。くろまめさんでも見学や体験はもちろん大歓迎。さらに、インスタやYouTubeなどのSNSで、どんな施設か、どんな雰囲気かを常に発信しています。
■ピンチを分解
混乱する気持ち、わかります。見学はもちろん、まずはその施設や事業所のホームページなども覗いて、理念やコンセプトがしっかりしているか、確かめてみてはどうでしょうか。ホームページには派手なものも、素朴なものもあるでしょう。見た目よりも次の3つを意識して見てほしいと思います。
・WHY(なぜ立ち上げたのか/信念・目的・理由)
・HOW(どうやって運営しているのか/手段・理論)
・WHAT(何の設備があるのか/商品・行動)
これはゴールデンサークル理論といい、一番中心にくるのが「WHY」です。なぜこの施設を作ったのか、お年寄りにどんなふうに過ごしてほしいのか、なによりどういう思いで利用者さんを迎えているのか。事業者の誠実な気持ちが、雰囲気にあらわれている施設が、いい施設だと言えるでしょう。
※本記事に掲載されている情報は2025年4月時点のものです。掲載の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一本記事の内容で不測の事故等が起こった場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。
【著者プロフィール】
稲葉 耕太(くろまめさん)
1983年生まれ、京都府出身。株式会社ひだまり介護代表取締役。京都府船井郡京丹波町で介護施設『くろまめさん』(デイサービス)を運営。「介護×田舎暮らし」をコンセプトに、高齢者が昔ながらの生活を取り戻し、心身ともに健やかに過ごせる環境を提供している。介護技術を教える『介護の寺子屋くろまめさん』も開講、年16回ほどある講座はすぐに予約が埋まる。また、くろまめさんに通うおばあちゃんの料理と田舎ピザを提供する『おピザはん』を運営するなど、地域と介護をつなげる活動もしている。
※本記事は稲葉耕太(くろまめさん) 著の書籍『介護の大ピンチ解決します』から一部抜粋・編集しました。