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親がしがちな誤解って? 中学受験の世界に入る前に気をつけたいこと

  • 2024年3月1日
  • レタスクラブニュース




中学受験を目指すお子さんがいる家庭の保護者に向けて、動画配信サイト等で情報発信をしているのは、様々な塾で講師として指導をしてきた西村創さんです。

「中学受験の世界には、光もあれば影もある」と語る西村さんが教える、中学受験を考えたときに「知っておくべきこと」とは? ぜひ参考になさってください!

中学受験の世界に入る前の親がしがちな誤解

中学受験については、ウワサ話やSNSなどの情報があふれているため、思い込みや誤解が多いと感じています。「当然」だと思っていることも、もしかしたら違う見方があるかもしれません。

■大切なこと
・塾はわが子に合っているかを最優先にする
・中学受験事情は目まぐるしく変わっていることに注意

「塾は低学年からでないと入塾できない」という誤解

よくある誤解は、中学受験塾は低学年から入らないと満席で入塾できないというものです。近年は「満席で入塾できなくなってしまうから……」と、年長のうちから入塾テストを受けて、1年生から入塾する動きが盛んになっています。

実際、首都圏トップの合格実績を出している塾、SAPIXのWebサイトで「募集停止の校舎一覧」というページを見ると、小1から募集停止になっている校舎もあります。

でも、年度の途中で募集停止になっても、年度が変わるタイミングで入塾できますから、焦る必要はありません。
エルカミノなどごく一部の塾を除いて、塾は一度入塾した生徒をふるいにかけて進級させないということはありません。そこで、低学年ほど募集人数を絞って、年度が変わるタイミングで新たに募集をかけるというわけです。

もちろん学年が上がるほど入塾テストのハードルは上がるものの、そのテストに合格できないようでは、入塾してから授業についていくのがそもそも困難です。

入塾するのが目的ではなく、成績を上げて志望校に合格することが目的なのですから、お子さんの学力と受験したい気持ちが入塾に見合うと判断できたタイミングで、入塾テストを受けるのがいいでしょう。

■・通塾で陥りがちな「お客さん」状態に要注意
最難関校の合格実績を売りにしている塾では、カリキュラムやテキストも最難関校に受かるためにつくられています。
そうした塾に、入塾ハードルの低い低学年から入り、小4、小5と進級していくと、「今、入塾テストを受けたら落ちるだろう」というような成績で通い続ける子も出てきます。授業内容を理解しきれずにただ塾に通うだけの、いわゆる「お客さん」状態です。

じつは、小中学校時代の私がそうでした。塾の授業をちっとも理解していないのに、それを親に言い出すことができず、授業中、ずっとノートにマンガを描いたり、机の下に隠しながら携帯ゲーム機で遊んだりして、授業が終わるのを待っていました。
塾にとっては、大勢の塾生のひとりとして席に座らせておくだけで、毎月数万円を納めてくれるいい資金源です。ある大手塾では、そんな生徒のことを「お客さん」とか「電気代」と呼ぶことがあるようです。

■・塾は「早く通い始めた者勝ち」ではない
塾は早くから通わせれば、そのぶん成績が上がるとは限りません。もちもん、早くから入塾した子が、学ぶ楽しさを味わい、学習習慣と基礎学力を身につけて、希望の学校へ入学できることはあります。
でも、その子が小1ではなく小3の2月から入塾したらそこまでの学力がつかなかったのかというと、それは検証できないわけです。

低学年のうちに成績上位だった子の多くは、ハードルの上がった入塾テストを突破して小4以降に入塾してきた子に成績を抜かれます。後から入塾してきた子に抜かれていくのは、精神的なタフさがあるか、「人は人、自分は自分」という線引きができる子でないと、親子とも、キツいものがあります。

私は小学校低学年のうちは、そのときしかできないさまざまな体験をして、広い意味での「勉強」をすることをおすすめします。そういう子が後で伸びていきます。「急がば回れ」です。

※本記事は西村 創著の書籍『中学受験のはじめ方』から一部抜粋・編集しました。

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