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「犯人は誰?」立て続けに起こるご近所トラブルに巻き込まれた母親たちの群像劇『犯人は私だけが知っている』著者インタビュー

  • 2023年12月17日
  • レタスクラブニュース


試し読み連載では350万PVを突破、SNSでも「読む手が止まらない!」と話題のゆむいさんの新刊『犯人は私だけが知っている~母たちは静観する~』。
同じ園に子どもを通わせ、同じ園バスの集合場所で顔を合わせる4人のママ友たちが、あるトラブルに巻き込まれていく様子をミステリタッチで描いた作品です。

まずは詳しいあらすじをご紹介しましょう。

『犯人は私だけが知っている~母たちは静観する~』あらすじ




子どもたちを同じ幼稚園に通わせている4人のママ友、おっとりした月村さん、おとなしい雪田さん、気さくで温厚な西井さん、やたらとマウントを取りたがる高見さん。

4人がいつものように集合場所でおしゃべりをしていると、子どもたちが社宅の駐車場で遊んでいるうちに一台の車に子どもたちの誰かが傷をつけてしまったようです。


「この傷は誰が…?」
子どもの証言は曖昧で、誰が傷をつけたのかはわかりませんでした。しかし、子どもたちから目を離してしまった責任から、4人は車の持ち主へ謝罪に向かいます。



車の持ち主は車の傷にショックを受けつつも、母親たちには保険で対応してもらえればいいと謝罪を受け入れます。翌日、警察がやってきて調書を取っているところを近所の人に見られ、母親たちは肩身の狭い思いをするのでした。



修理の見積もりを取ると、古い外車で保険だけでは修理代がまかなえないことがわかります。あくる日から雪田さんはバス停に現れなくなり、高見さんはそのことについて「雪田さんは息子さんが傷をつけたことを認めて自分だけで賠償金を払うと言った」と話します。



しかし、月村さんと西井さんはその高見さんの話が信じられず、雪田さんと話し合いをします。すると雪田さんの話は高見さんの話とまったく食い違っていました。それぞれ疑心暗鬼に陥りつつある母親たち。そんな中、付近ではボヤ騒ぎや自転車の破損など不穏なトラブルが続いていました。
一連のトラブルの犯人は、一体……?



登場する4人の母親たちのキャラクターは、それぞれ身近にいそうなリアルな造形で描かれています。4人の関係性は刻々と変わっていき、物語の緊張感を次第に高めていきます。
この話題作の著者、ゆむいさんにお話を伺いました。

著者・ゆむいさんインタビュー


──月村家、西井家、雪田家、高見家と4つの家族がでてきます。各々カラーの違う家族ですが、描くときに注意したことや各家族への思い入れなどございましたら教えてください。

ゆむいさん:
社宅と、それ以外の住人いう設定にしています。私自身、夫の都合で社宅に住んでいた時期がありました。社宅の住人は震災の時など、いざという時に助け合える心強い仲間でもあるのですが、何かトラブルがあっても立場的に言いづらい……という話もよく聞いていました。そういうちょっと特殊な関係性を4家族に落とし込めるように、それぞれ夫の立場や妻の性格をわかりやすく振り分けています。



──社宅が舞台だと、夫たちのポジションも妻の関係性に関わってきますね。バス停仲間のなかでも、高見家のママ・まりこと雪田家のママ・れいの関係はどんどん悪化していきます。れいは大人の対応をしていきますが、この二人の関係についてお伺いできますでしょうか。

ゆむいさん:
高見さんは、雪田さんに対して見下したような態度をとっています。でも内心とても不安なんだと思います。社宅外でなんの情報も入ってこない、けど近い存在なので……。一応付き合いはするけど、捨て駒にもしやすい人認定してると思われます。

雪田さんは自分に向けられたそういう目線をずっと前から認知していました。かと言ってわざわざ敵対するほどでもないし……というスタンスです。なのであからさまに敵意を向けられたらそれに応じる、だけど別に派手に手を下すわけでもない。周りをよく観察しているタイプです。
それを二人ともニコニコしながら2年以上続けてきた関係です。



──雪田さんは唯一社宅の住人ではないので、そこの関係性もリアルで面白いと思いました。高見家のママ・まりこは社宅に住む人たちの個人情報を握っていて、人によって態度を変えていきます。実際にもこんなご近所トラブルありそうだな、と思いました。このあたりの設定はどのように形作られたのでしょうか。

ゆむいさん:
これは実際に聞いた話を参考にしました。「普通に会話してたら相手がポロッと自分の夫の学歴のことを交えて話してきた」ときいて、恐怖で笑っちゃいました(笑)相手は褒めるつもりで話題に出したみたいですが、怖いですよね。社員同士で、業務上必要な情報なら共有するのは当然なのですが、業務とは一切関係ない妻が知っているというのがホラーでした。知ろうとする妻も怖いけど、安易に教える夫もやばいなと(笑)

──確かに、褒めるつもりだとしても嫌ですね……。今作は主要な家族が4家族と登場人物がとても多い物語ですが、ゆむいさんの思い入れのある登場人物がいらっしゃいましたら教えてください。

ゆむいさん:
やはり高見さんが大好きです。漫画内では コミカルな表現にはなっていますが、実際にこういう人を見ると面白くて和みます。全然笑えないですが(笑)



     *     *     *

この作品では、当たりさわりのない距離感だったママ友グループの4人が、非常事態によってそれぞれの人間性を露わにしていく様子がリアルに描かれています。自分が感情移入しやすいキャラクターを探して、自分ならどうするか考えてみる、という読み方も楽しいかもしれません。

著者プロフィール



ゆむい:イラストレーター・ブロガー。育児や日々の出来事を中心とした4コマ漫画で3学年差兄弟の成長を記録しているブログ「ゆむいhPa」を運営。著書に『夫の扶養からぬけだしたい』、『親になったの私だけ!?』『ママはパパがこわいの?』『夫婦を続ける自信がない』など。

取材=ナツメヤシ子/文=レタスユキ

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