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雨や雪が降るのはなぜ? 雲の中では何が起こっているのか

  • 2023年4月2日
  • レタスクラブニュース




「すごすぎる天気の図鑑」シリーズでおなじみ! 映画『天気の子』の気象監修者としても有名な荒木健太郎さんが教えてくれるのは、数ある気象現象のなかでも観察しやすく、いつも違う姿を見せてくれる「雲」のお話。

ふとした瞬間に空を見上げるのが楽しくなる、雲にまつわるとっておきのネタをお届けします!

雲のなかでは何が起こっているのか

雲からは雨が降り、寒い冬には雪も降ります。そんな雲のなかでは、いったい何が起こっているのでしょうか。

雲のなかで水蒸気や水・氷のつぶたちが互いに作用し、成長することを雲物理過程といいます。まず、空気中のチリ(エアロゾル)を芯にして水蒸気が凝結し、雲のつぶ(雲粒)が生まれ、水蒸気を吸いながら成長します。0℃より低温な空に上昇すると、凍結して氷のつぶ(氷晶)になります。これが水蒸気を吸って(凝華) 大きくなったものが雪の結晶です。雪の結晶は自身の重さで落下でき、地上に向かう際に雲粒がたくさんくっつく(雲粒捕捉)と霰(あられ)になります。雪の結晶や霰が0℃より高温な高さまで落ちてくると融解し、雨となって地上に降ってくるのです。地上付近が冷えている場合には、融けずに雪や霰のまま降ってきます。

日本で降る雨のほとんどが、一度は氷になっている冷たい雨といわれています。雨が雲内で多くの経験をしてやってきたものだと思うと、感慨深いですね。


雲物理過程のイメージ

■雨粒


大きくなると落下時に下から空気抵抗を受けて、おまんじゅう形になる。頭はとがらない。氷を経ずに凝結と衝突・併合だけで雨つぶが成長して降る雨は暖かい雨といわれる。

■霰


よく見ると、小さな雲粒がたくさん凍結してくっついているのがわかる。地上に降ってくるとバチバチと音を立てて散らばる。積乱雲内で上下運動すると雹(ひょう)になる。

■雪結晶


雪結晶が成長する雲の気温・水蒸気量で、結晶の姿が大きく変わる。霰や雹なども含めて合計121種類ある(雪結晶・氷晶・固体降水のグローバル分類)。

雲の豆知識

雲のなかのつぶは大小さまざま。雲粒は半径0.01mm、雨つぶは1mmです。氷の結晶は半径0.1mm以下で氷晶、それより大きいと雪結晶です。氷のつぶは直径5mm未満で霰、5mm以上で雹と分類されます。

※本記事は荒木健太郎著の書籍『雲の超図鑑 すごすぎる天気の図鑑』から一部抜粋・編集しました。


著=荒木健太郎/『雲の超図鑑 すごすぎる天気の図鑑』

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