毎日の調理に後片づけ、キッチンは家の中でも毎日頻繁に出入りするエリアです。よく使うものを「あれ、どこにしまったっけ?」と探したり、「出しにくいな〜」とストレスを感じながら使うのはもったいない!
調理道具の配置、しまい方など、自分がいかに作業を効率よく進めるかを考えて収納を工夫している料理研究家の瀬尾幸子さんに、作業がぐんぐん進んでストレスフリーなキッチンの整理術を伺いました!
料理研究家・瀬尾幸子さんに教わる時短キッチンの作り方
■“自分を信用しない”ことで、見やすく、使いやすいキッチンに!
「自分がわかっていればいいから」と、半分残った野菜をラップにくるんで野菜室に戻したり、明日また食べればいいからと余りのおかずを冷蔵庫に戻したり。その瞬間は明確に覚えていたはずなのに、再び冷蔵庫を開けると「あれ、野菜が干からびてる。これいつ作ったおかずだっけ…」と、すっかり記憶が抜け落ちている。そんなことを繰り返している人、きっと多いはず。
過去に同じ経験がある料理研究家の瀬尾さんは「自分を信用しない!」と決めたそう。冷蔵庫にしまう食材には、ちょっと面倒でも日付や内容を必ずテープに書いて貼り付ける習慣をつけ、よく使う調味料や調理道具はぱっと見てすぐに探せる場所に保管。これを徹底したことであれはどこ?これはなに?と探す時間が減り、ぐっと調理の時短ができたそうです。
コンロまわりの時短ヒント
■火を使う作業に必要なものはコンロの周辺に集約!
瀬尾さんはコンロの奥のスペースにレンガと板を組み合わせて、手作りの棚板を設置。
上段の右側はオリーブオイルやごま油などのオイル類、コンロ正面には菜箸などの調理ツール、下段の右側は干し椎茸などの乾物、コンロ正面は黒酢やみりんなどの調味料が並んでいます。調味料は市販品の空き瓶を再利用して統一。
「市販の容器は注ぎやすくて優秀だから」と、長年愛用中。注ぎ口が劣化するまで使い切ったら資源ごみにし、また使用済みボトルを洗って再利用しているそうです。
また、コンロ下には鍋やフライパンのふただけを入れた専用のかごが。「直径が合えば役目は果たせるので、ふただけ別に保管して、この中から合うものを見つける方が効率がいいです」
上段は右側にオイル類、正面に菜箸やお玉などの調理ツール。下段は右側に乾物類、正面に日本酒や黒酢などの調味料を配置。
「菜箸、お玉、ヘラ、ティースプーンなど、ジャンルごとに配置しているので、迷わず手に取れます」。菜箸の先端を下にして収納しているので、手に取ったらすぐに使えて便利。
鍋やフライパンのふたをまとめてこのカゴに収納。調理中にちょうどいいふたをここから見つけて使うのが便利。
シンクまわりの時短ヒント
■1つの道具を効率よく使い回す
「水仕事をしながら、濡れた手をそのまま伸ばせる範囲は限られているので、何通りにも使える道具だけを揃えています」と瀬尾さん。例えば、水栓の近くに置かれた計量カップは、ボウル代わりに使って卵を溶いたり、粉を混ぜたりとフル活用。シンクにある特大のボウルは普段は洗いおけにし、調理に必要なときはさっと洗えばすぐに使えます。
特大のボウルは出番が少ないので、収納の奥に追いやられがち。けれどもいざというとき出しにくいので、普段から洗いおけの代わりに。
食材を混ぜ合わせたり、和えたりと、この中で副菜を仕上げることもできるし、下ごしらえした材料を保存しておくこともできる保存容器。ボウル代わりに使い、ふたをして冷蔵庫に入れることも。シンク下にまとめて、いつでもパッと手にとれる状態に。
料理のプロのキッチンは、やはり効率よく、無駄なく調理に専念できる時短の工夫が満載でした! そして瀬尾さんのキッチンは、ぱっと見た目はプロ仕様で使い込まれた雰囲気がかっこいいのですが、1つ1つお話を聞くと一般の家庭でも応用できるヒントがいっぱい。ぜひ瀬尾さんの時短キッチンを参考に、効率よく、時短につながるキッチンの工夫をしてみてください!
教えてくれた人▷瀬尾幸子さん
誰でも気軽に作れて、毎日でも食べ飽きないシンプルな家庭料理のレシピが人気。『賢い冷蔵庫ラクするためのおいしい下ごしらえ』(NHK出版)など著書も多数。
撮影/三佐和隆士
取材/レタスクラブ編集部T